SunOS 上では、国際化された man コマンドと nroff およびその関連コマンドにより、日本語のオンラインマニュアルページを参照できます [ただし、troff の国際化は行われていないため、man コマンドの -t オプションを日本語マニュアルページの troff 出力に使うことはできません。 ] 。日本語のオンラインマニュアルページとそのマクロパッケージは、JFP によって提供されます。
環境変数 LC_MESSAGES が日本語ロケールに設定されているか、LC_MESSAGES が設定されておらず LANG が日本語ロケールに設定されていれば、man コマンドで指定されたマニュアルページが日本語で存在している限り、日本語のマニュアルページが表示されます。例として、dumpcs(1) のマニュアルページを参照してみましょう。次のように入力します。
sun% man dumpcs マニュアルを清書中です。しばらくお待ちください... |
しばらくすると dumpcs(1) の日本語マニュアルページが表示されます。
マニュアルを清書中です。しばらくお待ちください... 終了
dumpcs(1) ユーザコマンド dumpcs(1)
【名前】
dumpcs - 現在のロケールのコードセット一覧表を表示
【形式】
dumpcs [ -0123vw ]
【機能説明】
dumpcs は、ユーザの現在のロケールに対応するコードセットの印
--継続--(9%)
|
一時的に英文のマニュアルページを参照したい場合には、env(1) コマンドを使い、「env LANG=C man dumpcs」と入力します。
sun% env LANG=C man dumpcs Reformatting page. Wait... |
Reformatting page. Wait... done
dumpcs(1) USER COMMANDS dumpcs(1)
NAME
dumpcs - show the codeset table for the current locale
SYNOPSIS
dumpcs [ -0123vw ]
DESCRIPTION
dumpcs shows a list of printable characters for the user's
--More--(9%)
|
和文と英文のマニュアルページを両方とも頻繁に参照する場合は、"env LANG=C man" の部分を C シェルの別名 (alias) として登録しておくとよいでしょう。
オンラインマニュアルは、システムの出荷時には個々のマニュアルページにより、sgml(5) の形式、または nroff(1) のソース形式で提供されます。catman(1M)コマンドによって、これらのマニュアルページをあらかじめ清書しておくと、man(1M) コマンドによる表示の際の清書作業にかかる時間を節約できます。ただし、この処理を行うとディスクスペースの消費量が増えることに注意してください。
また、catman コマンドは、whatis(1) および apropos(1) コマンドによって検索されるシステム機能の要約情報のデータベースファイル windex を作成します。-n オプションを指定すると、このデータベースは作成されません。また -w オプションを使うと、このデータベースの作成のみが行われます。catman コマンドは、常に英語のマニュアルページを清書します。それに加え、ユーザーが現在使用しているロケール用のマニュアルページがある場合は、そのロケールのマニュアルページも清書します。たとえば、オンラインマニュアルページのルートディレクトリが /usr/share/man であり、 catman を実行するユーザーの現在のロケールが ja の場合には、次のマニュアルページがすべて清書されます。
/usr/share/man/ja/sman<n>/* (ja ロケール用の SGML マニュアルページ) /usr/share/man/ja/man<n>/* (ja ロケール用の nroff マニュアルページ) /usr/share/man/sman<n>/* (英語の SGML マニュアルページ) /usr/share/man/man<n>/* (英語の nroff/troff マニュアルページ)
コマンドの機能の要約文だけを見たい場合には、whatis コマンドを使います。環境変数 LC_MESSAGES が日本語ロケールに設定されている場合、または、LC_MESSAGES は設定されていないが LANG が日本語ロケールに設定されており、whatis コマンドで指定されたマニュアルページが日本語で存在し、その情報を含む windex データベースが作られている場合は、日本語のコマンド機能要約を次のように表示できます。
sun% whatis dumpcs dumpcs dumpcs (1) - 現在のロケールのコードセット一覧表を表示 sun% |
whatis とは逆に、コマンド機能要約文中のキーワードからコマンド名を探したいときには apropos コマンドを使用できます。環境変数 LC_MESSAGES が日本語ロケールに設定されているか、LC_MESSAGES が設定されておらず LANG が日本語ロケールに設定されており、apropos コマンドで指定されたマニュアルページが日本語で存在し、その情報を含む windex データベースが作られていれば、日本語のコマンド機能要約を次のように表示できます。
sun% apropos コードセット一覧表 dumpcs dumpcs (1) - 現在のロケールのコードセット一覧表を表示 sun% |