日本語入力システムの概要とセットアップ

第 2 章 ATOK12 セットアップとファイル構成

この章では、ATOK12 の使用環境のセットアップ方法とファイル構成について説明します。


注 -

この章で説明する手順は、一般ユーザーを対象としています。一般ユーザーとして作業してください。


使用環境のセットアップ

複数の日本語入力システムがインストールされている場合、ウィンドウシステムのデフォルトの日本語入力システムは、次の優先順位で決まります。

  1. ATOK12

  2. Wnn6

  3. ATOK8

  4. cs00

たとえば、ATOK12 と Wnn6 がインストールされている場合、ATOK12 がデフォルトの日本語入力システムになります。

ATOK12 以外の日本語入力システムを使用するように設定されている場合に ATOK12 に切り替えるには、ワークスペースメニューから「ATOK12 に設定...」 [実際には「ATOK12 に設定...」を設定すると atok12setup コマンドが実行されます。atok12setup コマンドの詳細については、atok12setup (1) のマニュアルページを参照してください。] を選択し、いったんログアウトしてから再度ログインします。

「ATOK12 に設定...」の位置は、図 2-1 を参考にしてください。

図 2-1 Solaris CDE で日本語入力システムを切り替える

Graphic

その他の環境設定

次の環境変数の設定が必要です。


注 -

atok12setup コマンドを実行した場合のように ATOK12 だけが動作している環境では、設定する必要はありません。


ファイル構成

ATOK12 のパッケージ構成

ATOK12 をウィンドウシステム上で使用するには、ウィンドウシステムのパッケージ以外に、JSatsvr、JSatsvu、JSatsvw の 3 つのパッケージが必要です。これらのパッケージは、表 2-1表 2-2表 2-3 のファイルで構成されています。

表 2-1 JSatsvr パッケージの内容
/etc/rc2.d/ 
S99atsvシステムの起動時に ATOK ユーザー管理デーモンを起動するスクリプト (/etc/init.d/etc/rcS.d//etc/rc0.d/etc/rc1.d/ にリンクがある)
/var/locale/ja/atokserver/original/usr/lib/locale/ja/atokserver/original/ へのシンボリックリンク
/var/locale/ja/atokserver/systemdic/usr/lib/locale/ja/atokserver/systemdic へのシンボリックリンク

表 2-2 JSatsvru パッケージの内容
/usr/lib/locale/ja/atokserver
atokmngdaemon ATOK ユーザー管理デーモン
/usr/lib/locale/ja/atokserver/original
atok12.conf ATOK12 設定ファイル
atok12.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12n.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12p.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12u1.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
atok12u2.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
atok12u3.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
atok12u4.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
atok12u5.dic ATOK12 ユーザー辞書 (空)
/usr/lib/locale/ja/atokserver/systemdic/
atok12.dic ATOK12 基本辞書
atok12tk.dic ATOK12 単漢字辞書
atok12y5.dic ATOK12 郵便番号辞書 (5 桁)
atok12y7.dic ATOK12 郵便番号辞書 (7 桁)
atok12yc.dic ATOK12 郵便番号辞書 (企業)
facem12.dic フェイスマーク辞書
facemi12.dic フェイスマーク辞書

表 2-3 JSatsvu パッケージの内容
/usr/openwin/bin/
atok12setup セットアップスクリプト
atok12migd ATOK8 辞書移行スクリプト

ユーザーが、これ以外のファイルを実行したり参照したりすることはありません。

ATOK12 使用時に作成または更新されるファイルとディレクトリ

次のファイルは、ユーザーが ATOK12 を初めて使用したときに /usr/lib/locale/ja/atokserver/original の同名のファイルから自動的にコピーされます。

表 2-4 ユーザーごとにコピーされる ATOK12 関連ファイル
atok12.conf ATOK12 設定ファイル
atok12.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12n.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12p.sty ATOK12 スタイルファイル
atok12u1.dic ATOK12 ユーザー辞書
atok12u2.dic ATOK12 ユーザー辞書
atok12u3.dic ATOK12 ユーザー辞書
atok12u4.dic ATOK12 ユーザー辞書
atok12u5.dic ATOK12 ユーザー辞書

次のシンボリックリンクは、ユーザーが ATOK12 を初めて使用したときに /var/lib/locale/ja/atokserver/systemdic の同名のファイルに対して自動的に作成されます。

表 2-5 ユーザーごとに作成される ATOK12 関連シンボリックリンク
atok12.dic ATOK12 基本辞書
atok12tk.dic ATOK12 単漢字辞書
atok12y5.dic ATOK12 郵便番号辞書 (5 桁)
atok12y7.dic ATOK12 郵便番号辞書 (7 桁)
atok12yc.dic ATOK12 郵便番号辞書 (企業)
facem12.dic フェイスマーク辞書
facemi12.dic フェイスマーク辞書

ATOK12 の自動起動設定時に作成または更新されるファイル

次のファイルは、ATOK12 の自動起動設定時に作成または更新されます。

表 2-6 ユーザーのホームディレクトリ下の ATOK12 関連ファイル
$HOME/ 
.dtprofile Solaris CDE 起動時に使用する個人環境設定用スクリプトファイル