日本語入力システムの概要とセットアップ

第 5 章 cs00 セットアップとファイル構成

この章では、cs00 を使用する際に必要な使用環境のセットアップと cs00 のファイル構成について説明します。

使用環境のセットアップ

複数の日本語入力システムがインストールされている場合、ウィンドウシステムのデフォルトの日本語入力システムは、次の優先順位で決まります。

  1. ATOK12

  2. Wnn6

  3. ATOK8

  4. cs00

たとえば、ATOK8 と cs00 がインストールされている場合、ATOK8 がデフォルトの日本語入力システムになります。

cs00 以外の日本語入力システムを使用するように設定されている状態で、cs00 を使用するには、ワークスペースメニューから「cs00(htt) に設定...」 [実際には、「cs00(htt) に設定...」を選択すると、cs00setup コマンドが実行されます。cs00setup コマンドの詳細は、cs00setup(1) のマニュアルページを参照してください。] を選択し、一度ログアウトしてから、再度ログインします。

「cs00(htt) に設定...」の位置は、図 5-1 または、図 5-2 を参考にしてください。

図 5-1 Solaris CDE で日本語入力システムを切り替える

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図 5-2 日本語 OpenWindows で日本語入力システムを切り替える

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cs00 のパッケージを後から追加する場合の注意点

Solaris のインストール時に cs00 のパッケージを選択せずに、インストール作業を行なった場合、cs00 のパッケージを後から追加しても、そのままでは cs00 を使用することはできません。これは、かな漢字変換サーバー cs00 が、パッケージをインストールするだけでは起動されないためです。

cs00 のパッケージを後から追加した場合、次の作業が必要です (システムをリブートすることでも cs00 は使用可能)。

    cssd コマンドにシグナル SIGHUP を送信します。

    % su
    # ps -e | grep cssd
       226 ?        0:00 cssd
    # kill -HUP 226
    

これにより、cssd は、新たにインストールされた cs 起動スクリプト (cs00 起動スクリプト) を検出し、かな漢字変換サーバー cs00 を起動します。

cssd に関しては、マニュアルページ cssd(1M) を参照してください。

ファイル構成

cs00 をウィンドウシステム上で使用するには、ウィンドウシステムのパッケージに加え、次のパッケージが必要です。 [エンドユーザークラスタ以上のクラスタを選んでインストールする場合は、標準でインストールされます。]

表 5-1 cs00 に必要なパッケージ
 SUNWxim 入力サーバー htt のパッケージ
 SUNWjc0r cs00 / ディレクトリ用パッケージ
 SUNWjc0ucs00 /usr ディレクトリ用パッケージ
 SUNWjc0w cs00 ユーザー辞書メンテナンスツール (日本語 OpenWindows 版)
 SUNWjc0d cs00 ユーザー辞書メンテナンスツール (Solaris CDE 版)

SUNWjc0r、SUNWjc0u、SUNWjc0w、SUNWjc0d パッケージの主要なファイルを表 5-2表 5-5 に示します。

表 5-2 SUNWjc0r パッケージのファイル
 ファイル名 ファイル内容
/var/mle/ja/cs00/ 
cs00_u.dic cs00 ユーザー辞書
cs00_m.dic cs00 メイン辞書
/etc/mle/ja/cs00/ 
csdef CS 定義情報ファイル (libmle、mle)
config デフォルト設定ファイル (libmle、mle)
keybind キー割り当て定義ファイル (libmle、mle)
keyword キーワード定義ファイル
resourcesカスタマイズ用ファイル (xci)
hiragana.ccv  文字コード変換規則定義ファイル (ひらがなモード用)
katakana.ccv 文字コード変換規則定義ファイル (全角カタカナモード用)
h_katakana.ccv 文字コード変換規則定義ファイル (半角カタカナモード用)
eisuu.ccv 文字コード変換規則定義ファイル (半角英数モード用)
h_eisuu.ccv  文字コード変換規則定義ファイル (全角英数モード用)

表 5-3 SUNWjc0u パッケージのファイル
 ファイル名 ファイル内容
/usr/bin/ 
cs00setup  cs00 ウィンドウ環境設定用コマンド
mdicm cs00 メイン辞書メンテナンスツール
udicm cs00 ユーザー辞書メンテナンスツール
/usr/sbin/ 
cs00  cs00 かな漢字変換サーバー本体
/usr/lib/css.d/ 
cs00.sh  cssd 用 cs00 起動スクリプト

表 5-4 SUNWjc0w パッケージのファイル
 ファイル名 ファイル内容
/usr/openwin/bin/ 
udicmtool  cs00 ユーザー辞書ツール (日本語 OpenWindows 版)
/usr/openwin/lib/locale /ja/imsscript/
S599cs00  入力サーバー htt を cs00 と接続して 起動するためのスクリプト (ja ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale /ja_JP.PCK/imsscript/
S599cs00   入力サーバー htt を cs00 と接続して 起動するためのスクリプト (ja_JP.PCK ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale /ja_JP.UTF-8/imsscript/
S599cs00   入力サーバー htt を cs00 と接続して起動するためのスクリプト (ja_JP.UTF-8 ロケール用)
/usr/openwin/lib/locale /ja/udcscript/
cs00_udcregister   外字ツール単語登録支援機能用シェルスクリプト
/usr/openwin/lib/locale/ja/help/
udicmtool.info  ヘルプファイル (日本語)
/usr/openwin/lib/locale/C/help/
udicmtool.info  ヘルプファイル (英語)
/usr/openwin/lib/locale /ja/LC_MESSAGES/
SUNW_JFP_UDICMTOOL.mo  メッセージファイル (日本語)

表 5-5 SUNWjc0d パッケージのファイル
 ファイル名 ファイル内容
/usr/dt/bin/ 
sdtudicm  cs00 ユーザー辞書ツール (日本語 Solaris CDE 版)
/usr/dt/lib/nls/msg/ja/ 
sdtudicm.cat   メッセージカタログファイル (日本語)
/usr/dt/app-defaults/ja/ 
Sdtudicm app-defaults ファイル (ja ロケール用)
/usr/dt/app-defaults/ja_JP.PCK/ 
Sdtudicm app-defaults ファイル (ja_JP.PCK ロケール用)
/usr/dt/app-defaults/ja_JP.UFT-8/ 
Sdtudicm  app-defaults ファイル (ja_JP.UTF-8 ロケール用)
/usr/dt/appconfig/help/ja/ 
Sdtudicm.info  ヘルプファイル (日本語)

cs00 の使用するファイルと関連するプログラムとの関係

図 5-3 は cs00 の使用するファイルと関連するプログラムとの関係について説明したものです。cs00 は、入力サーバー htt または mle コマンドを使用してアプリケーションから利用できます。

図 5-3 cs00 の使用するファイルと関連するプログラム

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以前のリリースより移動したファイル

cs00 の主なファイルは、Solaris 2.6 から 表 5-6 のように移動しました。Solaris 2.5.1 以前のリリースとの互換性を保つため、移動前の位置にもシンボリックリンクが張られています。

表 5-6 cs00 の移動したファイルの位置関係
 ファイル名 Solaris 2.5.1 以前の位置 Solaris 8 での位置

cstab

keyword

resource

csdef

config

keybind

hiragana.ccv

katakana.ccv

h_katakana.ccv

eisuu.ccv

h_eisuu.ccv

cs00_m.dic

/usr/lib/mle/ja/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/usr/lib/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/etc/mle/ja/cs00/

/var/mle/ja/cs00/