OpenWindows ユーザーズガイド

メールツールのトラブル

複数バージョンのメールプログラムを実行する場合、メールツールはユーザの In-Box の状態について混乱することがあります。メールツールが In-Box のオープンに長時間を要する場合、メールツールのロックファイルを削除しなければならないことがあります。 「変更内容を保存」操作に十分なディスク容量がない場合、現在のメールファイルからメッセージを除去する必要があります。この節では、これらの問題の認識と訂正の方法について説明します。さらに、メールツールの In-Box を見つけるディレクトリや、メールツールまたはウィンドウシステムのクラッシュ時にクリアまたは失われた、作成中のメールメッセージを見つけるディレクトリについても説明します。

複数バージョンのメールの実行

同時に複数バージョンのメールツール (またはメールツールアプリケーションとメールプログラム) を実行した場合、メールツールアプリケーションの 1 つを「変更内容を保存」または「終了」するように、メールツールアプリケーションから警告を受け取ることがあります。これは、両方のバージョンが In-Box を変更しようとしたためです。In-Box の状態についての混乱の発生を避けるには、警告指示に従ってください。

別のメールツールやメールプログラムを実行する前に、メールツールの「処理終了」または「変更内容を保存」を選択しなかった場合、メールツールを終了するように警告指示されます。変更内容を保存した場合、メールツールを「終了」するか、または 「変更内容を保存」を行なって元の状態を保つかを選択できます。

メールツールの終了を避けるには、毎日の終り、またはマシンにログインしてリモートからメールを読みそうなときに、「ファイル」メニューから 「処理終了」を選択する習慣をつけてください。

「処理終了」の選択を忘れ、メールを読むためにリモートからマシンにログインした場合、下記のステップに従うことによって、メールツールに 「処理終了」を選択するよう指示できます。

  1. シェルツールのプロンプトから、 ps -e | grep mailtool と入力し、Return キーを押します。

    図 A-2 に示すようなリストが出力されます。

    図 A-2 mailtool の ps リストの例

    Graphic

  2. (grep mailtool のリストではなく) mailtool の行の左側のカラムから、プロセス番号 (PID) を見つけます。

    プロセス番号は各行の最初の数字です。

  3. kill -USR1 PID と入力して、Return キーを押します。

    上の例ではプロセス番号は 1431 であるため、次のように入力します。 kill -USR1 1431

  4. いつものように、リモート位置からメールを読み取ります。

    メールツールを次にオープンしたとき、リモート位置から In-Box に対して行なった変更内容が組み込まれ、メールツールの一部として記録されます。


    注意 - 注意 -

    上記のステップは、DeskSet のメールツールアプリケーションでのみ有効です。他のバージョンのメールツールにこれらのステップを使った場合、メールツールが停止します。


メールツールのロックファイル

メールユーティリティではロックファイルを使って、複数のプロセスがユーザのメールスプールファイルを同時に変更することを防止します。メールツールが突然終了した場合、ロックファイルはそのまま残されます。

In-Box を明確に要求したときに、または「ファイル」メニューから 「処理終了」を選択した後でメールツールをオープンしたときに、メールツールによる In-Box のオープンに長時間を要する場合、ロックファイルを調べてください。ディレクトリ /var/mail に <ユーザ名>.lock という名前のファイルがないか探してください。ここでの <ユーザ名> はユーザのログイン名です。

このファイルを削除するには、システムプロンプトに続けて次のように入力します。


rm /var/mail/<ユーザ名>.lock.

たとえば、<ユーザ名> が mary の場合、次のように入力します。


rm /var/mail/mary.lock.

あるいは、ファイルマネージャ内のロックファイルを見つけ出して、これをごみ箱 にドラッグして削除します。

メールツールの In-Box の位置

メールツールの In-Box のデフォルトの位置は /var/mail/<ユーザ名> です。環境変数 $MAIL が存在する場合、メールツールはこの値を In-Box の位置として使います。

作成中のメッセージの回復

メールツールアプリケーションまたはウィンドウシステムがクラッシュしたとき、メールメッセージが作成中であった場合、ホームディレクトリ内のファイル dead.letter から、メッセージのコピーを回復できます。ただし、80 個の編集情報ごとにアプリケーションがファイルに記録するため、最後の 80 個分の編集情報は失われることがあります。

作成ウィンドウの「クリア」ボタンの上でセレクトボタンをクリックするたびに、または作成ウィンドウの「送信」メニューから「メッセージのクリア」を選択するたびに、ユーザのメッセージはファイル dead.letter に保存されます。

dead.letter および保存変数の詳細については、mail のマニュアルページを参照してください。

「変更内容を保存」によってディスク容量を使い果たした

「ファイル」メニューから 「変更内容を保存」や 「処理終了」を選択したり、あるいはメールフォルダを切り替えることによって変更内容を保存しようとしたりして、メールツールからディスク容量の尽きたことを警告された場合、現在のメールファイルからメッセージを除去して、保存できるサイズにまで小さくしなければなりません。

メッセージは、削除または移動によって除去できます。大きなメッセージを除去するのが最も効果的です。「表示」メニューの「表示順序」サブメニューから「サイズ」を選択することによって、最も大きなメッセージを見つけ出すことができます。

メールツールのアタッチメントウィンドウ用にはファイルが大きすぎる

大きすぎるファイルをメールツールのアタッチメントウィンドウにドラッグ&ドロップした場合、メールツールがスワップ領域を使い果たすことがあります。この対策としては、スワップ領域を増大させることです。