OpenBoot 3.x コマンド・リファレンスマニュアル

begin ループ

begin ループは、特定の条件が満たされるまで、同じコマンドの実行を繰り返します。そのようなループのことを条件付きループといいます。

表 4-30 に条件付きループの実行制御用のコマンドを示します。

表 4-30 begin (条件付き) ループコマンド

コマンド  

スタックダイアグラム 

説明 

again

( -- ) 

begin...again 無限ループを終了します。

begin

( -- ) 

begin...while...repeatbegin...until、または begin...again ループを開始します。

repeat

( -- ) 

begin...while...repeat ループを終了します。

until

( flag -- ) 

flag が true である間、begin...until ループの実行を続けます。

while

( flag -- ) 

flag が true の間、begin...while...repeat ループの実行を続けます。

次に 2 つの一般的な形式を示します。


begin   any commands...flag until 

および


begin   any commands...    flag  while
      more commands       repeat

上の両方の場合とも、所定のフラグ値によってループが終了させられるまで、ループ内のコマンドが繰り返し実行されます。ループが終了すると、通常、実行はループを閉じているワード (until または repeat) の後のコマンドに継続されます。

begin...until の場合は、until がスタックの一番上からフラグを削除してそれを調べます。フラグが false の場合は、実行は begin のすぐ後に引き継がれて、ループが繰り返されます。フラグが true の場合は、実行はループから抜け出ます。

begin...while...repeat の場合は、while がスタックの一番上からフラグを削除して調べます。フラグが true の場合は、while のすぐ後のコマンドが実行されてループが繰り返されます。repeat コマンドは制御を自動的に begin に戻してループを継続させます。while が現れたときにフラグが false であった場合は、実行はただちにループから抜け出し、制御がループを閉じている repeat の後の最初のコマンドに移ります。

これらのループのいずれについても、「true ならば通り過ぎる」と覚えてください。

次に簡単な例を示します。


ok begin 4000 c@ . key? until   (任意のキーが押されるまで繰り返す)
43 43 43 43 43 43 43 43 43 43 43 43 43 43 43 43 43 43
ok 

この例では、ループはまずメモリー位置 4000 から 1 バイトを取り出して表示します。次に、key? コマンドが呼び出され、これが、ユーザーがそれまでにどれかのキーを押していれば true をスタックに残し、そうでない場合は false を残します。このフラグは until によって「消費」され、その値が false であった場合は、ループが繰り返されます。キーを押せば、次に呼び出されたとき、key?true を返し、したがってループは終了します。

Forth の多くのバージョンとは異なり、このユーザーインタフェースの場合は、ループや条件付き制御構造を対話的に使用できます。つまり、まず最初に定義を作成する必要がありません。