Administration Tool を使ってほとんどのローカルシステム管理作業を行えます。Administration Tool にはオンラインヘルプシステムが含まれており、通常作業を実施するときに起こる基本的な問題を解決する手がかりを与えてくれます。しかし一部の作業には、特別な要件があるものや、周辺装置の設定が必要となるものもあります。この節では、特別な知識や設定が必要となる作業について、その概要を説明します。
Administration Tool を使って、アクセスしたいリモートシステムを定義できます。Administration Tool を使ってホストを追加することにより、そのホスト名を使って他のシステムに遠隔でログインできます (/etc/hosts ファイルにエントリがない場合は、ホストの IP アドレスを使って他のシステムに遠隔ログインする必要があります) 。
Administration Tool を使ってユーザのローカルシステムにホストを追加し、ユーザサイトで NIS または NIS+ などのネットワーク名サービスを使用している場合は、Administration Tool で追加したホストが稼動しても、希望した結果が得られないことがあります。これは、ネットワーク名サービスにある情報がローカルの /etc/hosts ファイル (このファイルで Administration Tool は情報を更新します) にある情報より優先して扱われるためです。Administration Tool による情報取得の動作を、ネットワーク名サービスデータベース情報の取得より優先させたい場合は、システム管理者に問い合わせてください。
Administration Tool を使うことにより、システムに接続されたプリンタ、またはユーザサイトのネットワークで使用可能なプリンタにアクセスできます。プリンタをシステムに接続し、Administration Tool を使用する前または後に電源をオンにすることにより、そのプリンタにアクセスできます。プリンタをシステムに接続するのに必要な手順は、通常、次のとおりです。
プリンタとシステムを物理的に接続します。
必要なスイッチを設定し、必要に応じてプリンタのボーレート、ポートなどを設定します。(スイッチの設定およびケーブル設置の要件について詳細は、プリンタに付属のマニュアルおよびシステムのハードウェアインストールマニュアルを参照してください)。プリンタケーブルは通常、シリアルポートに接続しますが、使用するプリンタの仕様によってはパラレルポートに接続するものもあります。
プリンタを電源コンセントに接続します。
システムにログインして root になります。
Administration Tool を起動して「ブラウズ (Browse)」メニューから「プリンタ (Printers)」を選択し、プリンタを使用するのに必要なローカルシステムファイルを更新します。
プリンタのインストールと管理について詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』を参照してください。
モデムは電話回線を経由してシステム間で情報を送受信できる装置です。モデムは通常、シリアルポートに接続します。したがって、モデムを使用するには、Administration Tool を使ってシステムのシリアルポートを設定する必要があります。モデムをシステムに接続し、Administration Tool を使用する前または後に電源をオンにするとモデムにアクセスできます。モデムをシステムに接続する手順は、正常、次のとおりです。
モデムとシステムを物理的に接続、またはインストールします (モデムカードの場合)。
必要なスイッチを設定し、必要に応じてモデムのボーレート、ポートなどを設定します (これらの作業の実行に必要な情報については、モデムに付属のマニュアルおよびシステムのインストールマニュアルを参照してください)。
必要に応じて、モデムまたはそのアダプタを電源コンセントに接続します。
システムにログインします。
Administration Tool を起動して「ブラウズ (Browse)」メニューから「シリアルポート (Serial Ports)」を選択し、モデムを使用するのに必要なローカルシステムファイルを更新します。
モデムのインストールおよび設定について詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』を参照してください。