OpenWindows ユーザーズガイド (上級編)

コマンドモード

vi を使ってファイルを開くと、コマンドモードになります。このモードでは、広範囲にわたって機能を実行するさまざまなコマンドを入力できます。vi の大部分のコマンドは、1 文字か 2 文字と、任意に指定できる数値からなっています。通常、コマンドには大文字と小文字のバージョンがあり、相互に関連していますが異なる機能を実行します。たとえば、小文字の a を押すとカーソルの右側にテキストを追加できますが、大文字の A を押すとその行の最後にテキストを追加できます。

vi のコマンドの大部分は、Return キーを押さなくても実行されます。ただし、コロン (:) で始まるコマンドは、最後に Return キーを押す必要があります。vi に関する説明では、コロンで始まるコマンドを 3 番目の独立したモード (最終行モード) として取り扱う場合もあります。これは、コマンドモードでコロンを入力すると、コロンとその後に入力した文字が状態表示行に表示されるためです。ただし、この章の説明では、vi の全コマンドはコマンドモードから起動されるものとします。

コロンで始まるコマンドは、ex のコマンドです。viex は、異なるインタフェースを持つテキスト編集プログラムです。vi が画面指向のインタフェースであるのに対し、ex は行指向のインタフェースです。ex のコマンドは vi 内部から利用できます。コロンを入力した場合は、実際には行指向の ex インタフェースに切り換えたことになります。この機能によって、vi を終了しなくても多数のファイルを操作するコマンドを実行できます。詳細については、この章で後述の ex コマンドの使い方」を参照してください。