マルチメディアは、今後重要になる技術です。マルチメディア対応のアプリケーション数が増えているにもかかわらず、今日のマーケットの複雑なニーズに応える完全統合型ソリューションを提供しているベンダは 1 つもありません。この「ToolTalk 文書メディア交換メッセージセット」は、マルチメディア技術を真に打開するものです。
このメッセージセットは、マルチメディア技術の開発者とユーザーのどちらにも役立つよう設計した強力なメッセージ処理プロトコルです。これを使用すれば、アプリケーションでお互いのマルチメディア機能を容易に共有できます。また、マルチメディアアプリケーションは、データフォーマットや圧縮方法、従来は制約となっていた技術上の問題点などに関係なく、ローカルでもネットワーク経由でも、透過的な方法でお互いに通信できます。
いくつかのベンダがアプリケーション間通信のために協力関係を結んでいますが、エンドユーザーで解決できる範囲は限られています。しかし、ToolTalk 文書メディア交換メッセージセットを使用すれば、どのようなアプリケーションでも一連のマルチメディア機能を、他のどのようなアプリケーションとも透過的な方法で共有できます。
このマニュアルでは、Sun Microsystems® と、マルチメディアハードウェアやマルチメディアソフトウェアを開発している主要な独立ベンダーの協力によって開発した規格を紹介しています。
アプリケーションは、この簡単なプロトコルを使用することにより、個々のサービス提供者を気にすることなく、数多くのマルチメディアサービス用の ToolTalk インタフェースをすぐに、しかも簡単に作成できます。アプリケーションのグループ全体で互いに「プラグアンドプレイ」できるため、音声、ビデオ、グラフィックス、電話、その他のメディアソースを、新規および既存のアプリケーションに統合できます。
「プラグアンドプレイ」とは、同じプロトコルに準拠するツールであれば、他のどのツールとでも交換できることを意味します。つまり、一定の ToolTalk プロトコルに準拠したツールであれば、ユーザーのコンピュータ環境に搭載 (plug) でき、プロトコルが指示する機能を実行 (play) できます。それぞれのツールは変更する必要はなく、互いに個々の機能をあらかじめ知らなくても、一緒に協力して動作できます。たとえば、文書の一部にビデオを入れ、そのビデオを他のアプリケーションに再生させるような文書処理アプリケーションも作成できます。
ToolTalk 文書メディア交換メッセージセットは、効率のよい汎用メッセージセットを定義したもので、メディア制御とデータ交換の機能があります。このプロトコルは、メディアプレイヤ用、エディタ用、ユーザー用のエディタメッセージから構成されています。
ToolTalk 文書メディア交換メッセージセットは、開発者にとって次の 2 つの利点があります。
新規および既存ソフトウェアへのマルチメディアの組み込みが簡単
マルチメディアの機能をどのアプリケーションにも簡単に追加できます。ToolTalk 文書メディア交換メッセージセットを使用すれば、他の開発者のマルチメディア技術を利用できるため、システムの機能を向上させながら、開発に要する時間やコストを低減できます。
エンドユーザーの戦略範囲を拡大するフレームワークの作成
ToolTalk 文書メディア交換メッセージセットを使用すれば、アプリケーションの連携が促進されるため、エンドユーザーや開発者は得意分野に的を絞った戦略を新しく立てることができます。これにより、以前は対象外であったマーケットを開拓できるため、ユーザーの製品を新たに展開できます。