この節では、設計プロセスを説明します。アプリケーションでは、次の 3 つの手順で簡単に ToolTalk メッセージを送受信できます。
他のアプリケーションやユーザーとやり取りする方法を決定する
メッセージを選択し、アプリケーションのコンテキスト内での使用方法を定義する
ToolTalk の呼び出しとメッセージをアプリケーションのコードに組み込む
ToolTalk ソフトウェア製品には、既存のアプリケーションに ToolTalk 機能を簡単に追加する方法を示すデモンストレーションが入っています。このデモンストレーションは、『Tool Inter-Operability: A Hands On Demonstration』 (Sun Part No. 801-3593-01) に掲載されています。
各ツールが連携動作する方法と実行する必要がある操作を定義する
アプリケーションにどのような種類のやり取りが必要か明確に理解することは、アプリケーションの統合を成功させるための必須条件です。これを解析するのに最もよい方法は、アプリケーションの使用方法を示すシナリオを定義することです。このシナリオから、実行する必要のあるやり取りや交換する必要のある情報を定義できます。どのような情報や状態をやり取りするのかを詳細にシナリオに記述しておくと、アプリケーションにメッセージを組み込む際に役立ちます。
タスクを実現するのに適切なメッセージを選択する
アプリケーションが他のアプリケーションやユーザーとやり取りする方法が決まると、必要なタスクを実現するための各メッセージを決定しなければなりません。
まず、Sun、ANSI、X3H6、CFI などの産業グループから入手できる標準メッセージセットを参照してください。これらのメッセージを使用するよう強く推奨するのは、次の 2 つの理由からです。
標準メッセージにより標準のインタフェースを文書として入手できます。このインタフェースを使用すれば、他の開発者も連携するアプリケーションを独自に開発できます。カスタマが統合システムを構築する際の関連インタフェースも入手できます。
この標準メッセージセットは、アプリケーションに「汎用プラグアンドプレイ」機能を提供します。この機能を使用すれば、カスタマは複数のアプリケーションを自由に使用してサービスを受けられます。カスタマが自由に使用するアプリケーションを選択して個々のジョブに最適なツールを使用できるため、アプリケーションの開発者は不要な機能を製品でサポートするよう強要されません。
この標準メッセージセットが設計に役立たない場合は、カスタムメッセージを開発する必要があります。
標準メッセージにないものを使用する場合は、「media_exchange@sun.com」の文書メディア交換メッセージ協会にお問い合わせください。そのメッセージを標準メッセージセットに追加するかどうかを協会で検討いたします。
ToolTalk 呼び出しとメッセージをアプリケーションに組み込む
設計段階が完了すると、ToolTalk 機能をアプリケーションに組み込む段階です。
まず、ToolTalk API 呼び出しを使用するすべてのファイルに、ToolTalk ヘッダーファイルをインクルードする必要があります。また、送受信機能を制御するためのパターンの登録と初期設定を行う必要もあります。パターンの登録と初期設定の詳細は、『The ToolTalk Service: An Inter-Operability Solution』(SunSoft Press / Prentice Hall 社発行) を参照してください。
次に、ToolTalk メッセージを送信する機能をアプリケーションに追加します。設計時のシナリオを基にすれば、どのルーチンがどのメッセージを送信するか、各メッセージの引数をどのようにするかは簡単に決定できます。
ToolTalk サービスの初期設定が完了すると、アプリケーションは ToolTalk API でメッセージを作成し、その内容を書き込んで、他のアプリケーションに送信できます。
アプリケーションがウィンドウシステムを使用する場合は、ToolTalk サービスを有効にするための呼び出しを、イベントポーリングループの中に追加するだけです。
アプリケーションがまだポーリングループを使用していない場合は、メッセージを定期的に検査するための簡単なループを作成する必要があります。詳細は、『The ToolTalk Service: An Inter-Operability Solution』(SunSoft Press / Prentice Hall 社発行) を参照してください。