共通デスクトップ環境 Dtksh ユーザーズ・ガイド

ワークスペース・マネージャとの協調

dtksh は、Dt ライブラリの主要なワークスペース・マネージャ関数のすべてにアクセス可能です。たとえば、アプリケーションと関連のあるワークスペースのセットを問い合わせたり設定したりする関数、全ワークスペースのリストを問い合わせる関数、現在のワークスペースを問い合わせたり設定したりする関数、ユーザが別のワークスペースへ変更する時は常にアプリケーションに通知を要求する関数などです。

ユーザの側から見ると、ワークスペースは名前のセットで識別されますが、ワークスペース・マネージャの側から見ると、ワークスペースは X アトムで識別されます。シェル・スクリプトがワークスペース識別子のリストを要求すると、常に X アトムの文字列が返ります。複数の X アトムがある場合、リストはカンマで区切られます。ワークスペース・マネージャは、ワークスペース識別子を戻す場合と同じ形式をシェル・スクリプトが使用することを期待します。指定されたセッションの間のシェル・スクリプトによる X アトムの処理は安全です。そのセッション中に、X アトムの値が変わることはないからです。しかし、前節のセッション・マネージャのシェル・スクリプト例で示したように、シェル・スクリプトがワークスペース識別子の保存と復元を行う場合、保存する前に識別子を X アトム表現から文字列へ変換しなければなりません。また、セッションを復元する場合は、シェル・スクリプトは、情報をワークスペース・マネージャに渡す前に、名前を X アトムに再マッピングしなければなりません。X アトムと文字列間のマッピングと、文字列と X アトム間のマッピングは、次の 2 つのコマンドを使用して行われます。

ワークスペース管理を扱う特定の dtksh コマンドの詳細は、付録 A 「dtksh コマンド」 の「組み込み libDt セッション管理コマンド」で説明します。