共通デスクトップ環境 ToolTalk メッセージの概要

ToolTalk ドキュメント・メディア交換メッセージ・セットの使用

ToolTalk ドキュメント・メディア交換メッセージ・セットは、非常に柔軟性があり、強力です。この節では、次のような ToolTalk ドキュメント・メディア交換メッセージ・セットの 3 つの使用方法について説明します。

マルチメディア機能の統合

マルチメディア機能をアプリケーションに統合することによって、アプリケーションのエンド・ユーザは、さまざまなメディアの型をそれらのドキュメントに埋め込むことができます。

通常、メディア・オブジェクトを表すアイコンは、ドキュメントに埋め込まれます。埋め込まれたオブジェクトを選択すると、ToolTalk サービスは自動的に適切な外部メディア・アプリケーションを起動し、オブジェクトは次のシナリオで説明するように処理されます。

  1. ダニエルがマルチメディア・オブジェクトが入っているドキュメントを開きます。

  2. ウィンドウがさまざまなメディアの種類 (音声、画像、グラフィックなど) を表す複数のアイコンでドキュメントを表示します。

  3. ダニエルは、 [音声] アイコンをダブルクリックします。

    音声アプリケーション (プレイヤと呼ぶ) が起動され、録音済みの音声が再生されます。)

  4. 録音状態を編集するために、ダニエルはアイコンを 1 回クリックして選択し、3 番目のマウス・ボタンを使用して [編集] メニューを表示します。

    編集アプリケーションが起動され、ダニエルはメディア・オブジェクトを編集します。

既存のアプリケーションへのマルチメディア拡張機能の追加

ToolTalk ドキュメント・メディア交換メッセージ・セットによって、アプリケーションは他のマルチメディア・アプリケーションを使用して、その機能または性能を拡張することもできます。たとえば、次のシナリオで示すように、カレンダ・マネージャを拡張し、オーディオ・ツールを使って、音声ファイルをアポイントメントの覚え書きとして再生することもできます。

  1. シェルビーは、自分のカレンダ・マネージャを開き、アポイントメントを設定します。

  2. シェルビーが [音声応答] ボタンをクリックすると、オーディオ・ツールが起動します。

  3. シェルビーは、たとえば「レポートを持ってくる」といったようなメッセージを記録します。

シェルビーがアポイントの覚え書きを実行すると、カレンダ・マネージャはオーディオ・ツールを起動し、シェルビーが録音した覚え書きを再生します。

X のカット&ペースト機能の拡張

ToolTalk ドキュメント・メディア変換メッセージ・セットは、拡張可能なオープン・エンドの変換機能をサポートできます。次のシナリオは、拡張可能なマルチメディアのカット&ペースト機能の動作を示します。

  1. マリアがメディア型が異なる 2 つのドキュメントを開きます。

  2. マリアがドキュメント A の一部分を選択し、標準の X Window System のカット機能を使用して、その部分をカットします。

  3. マリアは、そのカットした部分をドキュメント B にペーストします。

    1. ドキュメント B は、カットしたデータの転送についてドキュメント A と交渉します。

    2. ドキュメント A が提供するデータのどの型もドキュメント B が認識しない場合、ドキュメント B はタグ付きメディア型を送信するようドキュメント A に要求します。ドキュメント B は、タグ付きメディア型を使用して、そのメディア型を理解可能なメディア型へ変換するように要求する ToolTalk メッセージを送ります。

    3. 登録されている変換ユーティリティはその要求を受けて、変換後のバージョンのメディア型をドキュメント B へ返します。

    4. 変換されたデータのドキュメント B へのペーストが実行されます。