Solaris 共通デスクトップ環境 Motif への移行

付録 A GUI 環境の変更

この付録では、OPEN LOOK スタイルと CDE スタイルとの間で変更された、すべてのグラフィカルユーザインタフェース (GUI) 環境について説明します。ここで取り上げていない内容は、変更されていません。

この付録の情報を利用して、CDE アプリケーションに正しい GUI 環境を提供してください。

表 A-1 GUI 環境の変更点

概要 

内容 

OPEN LOOK 

CDE 

デスクトップ 

複数のデスクトップ 

1 つのメインワークスペース、または仮想、複数の画面のサポート (OLVWM) 

フロントパネルから複数のワークスペースにアクセスできる。ワークスペースの追加、削除、ナビゲートができる 

 

アクションのフィードバック 

アプリケーションの起動時にフィードバックの提供を示すインジケータがない 

フロントパネル上にインジケータライトがあり、アプリケーションの初期起動時や他のアクションの発生時に点滅する 

 

アプリケーションのアクセス 

アプリケーション (とユーティリティ) は、「ワークスペース」メニューの「プログラム」からアクセス可能。「プログラム」メニューは GUI によりカスタマイズ可能 

アプリケーションは、フロントパネル、アプリケーションマネージャ、個人アプリケーションサブパネル、「ワークスペース」メニューの「プログラム」サブメニューからアクセス可能。「プログラム」メニューをカスタマイズする GUI はない 

 

デスクトップへのドラッグ&ドロップ 

ファイルマネージャからアイコンをデスクトップへドロップすると、そのアイコンに関連付けられたアプリケーションが起動する 

ファイルマネージャからアイコンをデスクトップへドロップしても、アプリケーションは起動しない。そのアイコンへの参照をデスクトップ上に作成する (元のアイコンはファイルマネージャ上に残る) 

 

高速ヘルプ情報 

「ヘルプ...」を使用する。詳細情報は「ヘルプハンドブック」にリンクしている 

「ヘルプの使い方」を使用してヘルプハンドブックの項目に移動する 

 

アプリケーションヘルプ 

アプリケーションで Help キーを押す 

ほとんどのメニュー・バー (一番右) とダイアログボックスから表示可能。アプリケーションで Help キーを押しても表示可能 

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設定 

プロパティを意味する複数の用語 

「プロパティ」という用語 (「設定」の場合もある) を使用。通常は「編集」メニューにある 

「オプション」と「属性」という用語を使用 

オプションとはアプリケーション固有の特性を意味し、通常は「ファイル」または「オプション」メニューにある 

属性とは、オブジェクト固有の特性を設定する場合に使用し、通常は「編集」メニューにある 

 

グローバルなデスクトップオプション 

「ワークスペース」メニューから設定する 

「スタイル・マネージャ」アプリケーションから設定する 

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ウィンドウ 

ウィンドウのタイトル 

通常は次のような書式になります。 

ファイルマネージャ V3.4: /home/username/Project_Folder

通常の書式 : 

ファイルマネージャ - Project_Folder 

 

バージョン番号はタイトルに含まれない (アプリケーションの「xx について」ボックスに含まれる場合がある) 

タイトルの書式は『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』を参照

 

ウィンドウの移動 

ウィンドウ枠の任意の場所 (隅を除く) をクリックし、ドラッグしてウィンドウを移動する 

ウィンドウのタイトル領域をクリックし、ドラッグしてウィンドウを移動する 

 

ウィンドウの拡大 

枠をダブルクリックすると上下に拡大する。ウィンドウの位置はそのまま 

 

「最大表示」ボタンを押すとウィンドウ全体に拡大する。デフォルトは全画面に拡大する。上下方向だけを変更するには、 Dtwm*maximumClientSize:vertical リソースを使用する

 

ウィンドウのサイズ変更 

ウィンドウの隅をクリックし、ドラッグしてサイズを変更する 

ウィンドウ枠の任意の部分 (隅も含む) をクリックし、ドラッグしてウィンドウのサイズを変更する。変更する大きさに外枠が表示され、そのサイズに変更される 

 

ウィンドウを手前に表示 

タイトルバーまたはウィンドウ枠をクリックする 

ウィンドウの任意の場所をクリックする 

 

ウィンドウの削除または消去 

プッシュピンをクリックして消去する 

「ウィンドウ」メニューから「閉じる」を選択するか、Alt + F4 キーを押す。CDE で実行される OPEN LOOK アプリケーションにはプッシュピンがないため、この方法で消去する 

 

ウィンドウのアイコン化 

「ウィンドウ」メニュー (ウィンドウの左上隅にあるボックス内の矢印) から「クローズ」を選択する。 

「クローズ」は「ウィンドウ」メニューのデフォルトなので、「ウィンドウ」メニューのアイコン上で 1 回クリックするとウィンドウを閉じる (「プロパティ」のデフォルトアクションが「左マウスボタン: デフォルト項目の選択」に設定されている場合) 

「ウィンドウ」メニューから「アイコン化」を選択するか、ウィンドウ枠の左上隅の「アイコン化」ボタンをクリックする 

 

アプリケーションの終了 

「ウィンドウ」メニューで「終了」を選択する 

「ウィンドウ」メニューまたは「ファイル」メニューで「閉じる」または「終了」コマンドを選択する。または、「ウィンドウ」メニューをダブルクリックしてアプリケーションを終了する 

 

 

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メニュー 

メニュー配置の種類 

メニューボタンを使用する 

メニューバーを使用する 

 

メニュー配置 (標準) 

「ファイル」-「表示」-「編集」-「プロパティ」 

「ファイル」-「編集」-「表示」-「オプション」-「ヘルプ」 

 

デスクトップ上にメニューを残す 

メニューのプッシュピンをクリックする 

ティアオフメニューがある 

 

メニューからのデフォルトアクション 

「ワークスペース」メニューの「プロパティ」で「左マウスボタン: デフォルト項目の選択」を設定できる。 

このモードでは、メニューボタンを 1 回クリックするとデフォルトのメニュー項目が選択される。デフォルト項目はメニューの中で囲まれている 

デフォルトのメニュー項目はない 

 

クイックメニューアクセス 

簡易ポップアップメニューが使用できるコマンドを表示する。マウスボタン 3 (メニュー) をクリックして表示する 

左記に同じ 

 

キーボードからのメニューのアクセス 

メニューにアクセスするキーボードニーモニックはない 

 

キーボードを使用してメニューから選択できる。メニューのニーモニックは、メニュー名にある下線文字 (メニュー名の最初の文字ではない場合もある) で表示される。メニューは Alt キーと下線文字を同時に押すと表示される。特定のメニューオプションにアクセスするには、ニーモニックのキーを押すか、下向きの矢印キーを押して項目へ移動し、Return キーまたはスペースバーを押す 

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ダイアログボックス 

ファイル選択 (ファイル名を入力するか、スクロールリストから選択する) 

通常、ユーザがファイル名の入力や選択ができるコマンド・ウィンドウが提供される (「オープン」、「取り込み」、「保存」など) 

標準の CDE ファイル選択ダイアログボックスが提供される。アプリケーション固有のファイルナビゲーションや選択オプション用に変更可能。例とガイドラインについては、『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』を参照

 

印刷ダイアログボックス 

アプリケーションによって異なる 

アプリケーション固有の印刷オプション用に変更できる共通の印刷ダイアログボックスが提供される。例とガイドラインについては、『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』を参照

 

ダイアログボックスの削除または消去 

プロパティウィンドウは、プッシュピンとボタンを両方使用するダイアログボックスの 1 つとして機能する。「適用」ボタンは変更を反映し、ピンで留められていないプロパティウィンドウを消去する。ピンで留められているプロパティウィンドウは消去しない。ピンで留められているウィンドウを消去するには、プッシュピンをクリックする 

ボタンアクションは、アクション実行後にダイアログボックスを残すかどうかを決定する。「取消し」は、まだ適用されていないアクションを実行せずにダイアログボックスを消去する。「閉じる」はダイアログボックスを消去する。「了解」は変更を反映し、ダイアログボックスを消去する。「適用」は変更を反映し、ダイアログボックスを消去しない。OPEN LOOK アプリケーションが CDE で実行されている場合は、プッシュピンは使用されない。詳細は、『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』を参照

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コントロール 

相互に排他的な選択コントロール 

「排他的設定」コントロールを使用して相互に排他的な選択を提供する。角の丸い四角形表示になる 

ラジオボタンを使用する。ガイドラインは『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』を参照。丸いボタン表示になる

 

関連する項目と値を選択するコントロール 

メニュー全体ではなく、現在の選択だけを表示する簡易メニューボタンを使用する。ボタンメニューから値を選択するか、テキストフィールドに値を入力して、Return キーを押して確定する 

コンボ・ボックス、コマンドボックス、またはスピン・ボックスを使用して省略メニュー・ボタンと同じ機能を実行する。コンボ・ボックスはスクロール可能なリスト・ボックスを使用し、コマンドボックスはテキスト入力用プロンプトとリストコンポーネントを使用し、スピン・ボックスは項目を連続して表示する。説明とガイドラインについては、『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』を参照

 

ツールバー 

ツールバーは使用しない 

ツールバーを使用する 

 

ボタンの形 

丸いボタン 

四角いボタン 

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マウス 

デフォルトのマウスボタン機能 

マウスボタン 1 はセレクト 

マウスボタン 2 はアジャスト 

マウスボタン 3 はメニュー 

マウスボタン 1 はセレクト 

マウスボタン 2 は転送 (スタイルマネージャによりアジャストに変更可能) 

マウスボタン 3 はメニュー 

 

範囲選択 

3 ボタンマウスの場合、マウスボタン 2 (アジャストボタンとも呼ぶ) を使用して範囲を選択する。 

選択するテキストの最初でマウスボタン 1 をクリックし、選択範囲の最後までポインタを移動し、マウスボタン 2 をクリックする。テキストが強調表示される 

Shift キーを押しながらマウスボタン 1 を押す。または、スタイルマネージャによりマウスボタン 2 の動作を転送 (デフォルト設定) からアジャストに変更する 

 

メニューの表示 

メニューボタン上でマウスボタン 3 をクリックして、メニューを表示する 

メニューバーエントリをマウスボタン 1 または 3 でクリックして、メニューを表示する 

 

アイコンのオープン: ショートカット 

アイコンをダブルクリックして開く 

アイコンをダブルクリックして開く。フロントパネルのコントロールを 1 回またはダブルクリックし、スタイルマネージャのコントロールを 1 回クリックして、関連するアプリケーションを起動する 

 

クイックカット 

テキストを挿入点に移動するには、Cut キーを押しながらテキストを選択し ( 1 本の線が選択したテキストに引かれる)、Cut キーを離す。キーを離すと、テキストが挿入点に移動する 

テキストを挿入点に移動するには、Alt キー、Shift キー、マウスボタン 2 (転送) を同時に押し、テキストを選択する ( 1 本の線が選択したテキストに引かれる)。キーを離すと、テキストは挿入点に移動する 

 

クイックペースト 

テキストを挿入点にコピーするには、Paste キーを押しながらテキストを選択し (1 本の下線が選択したテキストに引かれる)、Paste キーを離す 

テキストを挿入点にコピーするには、Alt キーとマウスボタン 2 (転送) を同時に押し、テキストを選択する ( 1 本の線が選択したテキストに引かれる)。キーを離すと、テキストは挿入点にコピーされる (Alt キー、Control キー、マウスボタン 2 を同時に押しても同じ) 

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ドラッグ&ドロップ 

ドラッグ&ドロップ (直接操作する場合) 

 

ドラッグ&ドロップし、視覚的に確認する 

基本的なドラッグ&ドロップは OPEN LOOK と同じだが、仕様が異なる。ドラッグ&ドロップ操作、性能のガイドライン、フィードバック、CDE 固有のグラフィックスについては、『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』を参照

 

アイコンへのドロップ 

デスクトップ上のアイコンへドロップできる。ドロップにより適切なアクションが実行される 

サポートされていない。 

フロントパネルのコントロールにドロップできる (たとえば、プリンタ、カレンダマネージャ、ゴミ箱、テキストエディタ、メールプログラムなど) 

 

メールアプリケーションからファイルマネージャへ複数のメッセージをドラッグ&ドロップする 

ファイルマネージャで、メッセージごとに 1 つのメールファイルのアイコンを作成する 

選択したすべてのメッセージを含む 1 つのメールボックスを作成する 

 

メールメッセージを他のメールボックスウィンドウにドラッグする 

利用できない 

選択したメッセージを目的のメールボックスへ移動する 

 

選択したアイコンをテキストウィンドウへドロップする 

テキストがドロップポイントに表示される 

テキストが挿入点に表示される (「ファイル」メニューから「取込み」を選択するのと同じ) 

 

ドロップゾーン (ターゲット) 

 

ドロップ・ゾーン (ターゲット) は、アプリケーションのコントロール領域の右上に通常表示される小さい四角形 

特別なドロップゾーングラフィックスは使用されない。編集可能なコントロールはドロップゾーンとして機能できる。ユーザはドロップゾーンの有効性についてフィードバックを得る 

 

ドラッグソース 

ドラッグ&ドロップソースインジケータグラフィックスを使用する 

ソースインジケータの複数のバージョンが使用され、選択の種類 (1 つか複数) と選択したオブジェクトの種類を示す。ドラッグアイコンは動的に作成され、ソースインジケータ情報を含む 

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キーボード 

キーボードアクセラレータとバインド 

Meta キーをアクセラレータキーとともに使用する。例: Meta + z キーは「最後の編集を取り消す」、Meta + c キーは「コピー」、Meta + v キーは「ペースト」、Meta + x キーは「カット」。 

キーバインディングのデフォルトセットを使用し、キーバインディングのカスタマイズを可能にする (たとえば、EMACS など) 

 

Control キーをアクセラレータキーとともに使用する。例: Control + z キーは「元に戻す」、Control + c キーは「コピー」、Control + v キーは「ペースト」、Control + x キーは「カット」。 

デフォルトのキーバインディングは、OPEN LOOK のキーバインディングと異なる場合がある (キーのバインディングについては、『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』の付録 A 「キーボードの機能」を参照)。カスタマイズも可能 (詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』を参照)

 

Sun の特殊キー 

OPEN LOOK でサポートされる 

Solaris CDE でサポートされる 

 

文字の削除 

Backspace または Delete キーを使用できる 

Backspace キーはカーソルの左の文字を削除するDelete キーはカーソルの右の文字を削除する