SolarisTM スマートカードの機能を利用すると、スマートカードを使って Solaris 8 デスクトップ環境などのアプリケーションに安全にログインできます。このマニュアルでは、スマートカードを使って認証を行うためのホストとスマートカードの設定方法について説明します。また、設定後のカードの使い方についても説明します。
Solaris オペレーティング環境またはその他の形式の UNIX オペレーティングシステムに関する知識を持っているネットワーク管理者
スマートカードを使って Solaris マシンにログインする必要があるユーザー
このマニュアルの最初の 4 章は、ネットワーク管理者、セキュリティ管理者、システム管理者を対象としています。ここでの説明を理解するためには、認証やネットワークセキュリティの概念について十分に理解している必要があります。
第 1 章では、スマートカードソフトウェアの概要と、その概念を示します。第 2 〜 4 章では、コマンド行からスマートカードを管理するときに必要な作業と、その主な手順について説明します。
スマートカードを使ってマシンに安全にログインする方法については、第 5 章「スマートカードの使用」を参照してください。スマートカードの概念を簡単に把握したい場合は、「スマートカードによるログイン」を参照してください。
このマニュアルの手順を実行する前に、スマートカードを使用するドメイン内のすべてのホストに Solaris 8 オペレーティングシステムをインストールしておく必要があります。
このマニュアルの内容は次のとおりです。
第 1 章「Solaris スマートカードの紹介」では、スマートカード認証テクノロジを紹介し、スマートカードの動作について説明します。
第 2 章「スマートカードをサポートするホストの設定」では、スマートカードによる認証をサポートするためのホストの設定作業について説明します。
第 3 章「スマートカードの初期化」では、ユーザー用のスマートカードの設定に必要な作業について説明します。
第 4 章「スマートカードの保守」では、ホスト、リーダー、スマートカードの保守作業について説明します。
第 5 章「スマートカードの使用」では、スマートカードの使用方法について説明します。
第 5 章は、スマートカードのユーザーを対象としています。第 1 章〜第 4 章は、システムまたは管理者とセキュリティ管理者を対象としています。
専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。
http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索をおこなうこともできます。
Solaris スマートカードは、他の Solaris 管理ツールや UNIX コマンド、プロシージャなどと合わせて使用できます。ただし、このマニュアルでは、システムの停止・起動、デバイスの設定などを行う基本的な UNIX コマンドおよびプロシージャについては説明していません。
これらの情報については、以下のいずれかを参照してください。
Solaris 7 または 8 のソフトウェア環境に関する AnswerBook2TM オンラインマニュアル
システムに付属するその他のソフトウェアのマニュアル
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon の各プロセッサ、および AMD、Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。