Solaris スマートカードの管理

スマートカードの保守

この節では、スマートカードとホストの保守作業について説明します。

スマートカードの新しいリリースへの更新

サイトで使用しているスマートカードのメーカーが、別の ATR を使う新しいカードのタイプを発売した場合は、ホストの ATR 属性を変更する必要があります。ATR については、「スマートカードのリセットに対する回答属性」を参照してください。新しいカードを使用するすべてのホストでこの属性を変更します。

ATR 属性を変更するには
  1. カードのメーカーのマニュアルを参照し、スマートカードの新しい ATR を取得します。

  2. 新しいスマートカードタイプを使用するホストにスーパーユーザーとしてログインします。

  3. 次のように入力して、スマートカードの ATR を変更します。


    # smartcard -c admin -x modify "card_name.ATR=ATR_number"
    

    • card_name は、PayFlex、CyberFlex、IButton のいずれかです。

    • ATR_number は、このカードに割り当てられた新しい ATR 番号です。

スマートカードの再使用

スマートカードは再使用できます。以前に初期化したスマートカードで別のユーザーやアプリケーションをサポートしたい場合、このカードの内容を消去できます。カードの内容を消去する手順は、サポートされている 2 種類の外部カードリーダーのうちどちらを使用するかによって異なります。


注 -

スマートカードの内容を消去する前に、この内容を本当に消去してもかまわないかどうか再確認してください。次の手順を実行すると、カード上のすべての情報が削除されます。


iButton の内容を消去するには
  1. iButton リーダーが接続されているマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 消去しようとしている iButton がリーダーに挿入されていることを確認します。

  3. 次のように入力して、現在接続されている iButton リーダーの名前を一覧表示します。


    # smartcard -c admin
    
  4. 表示された結果の中から OpenCard.terminals で始まる行を探します。

    ユーザーが覚えやすいように割り当てた名前 (等号 (=) から 2 番目の値) がこの処理に必要な iButton リーダー名です。


    OpenCard.terminals = com.ibutton.oc.terminal.jib.iButtonCardTerminalFactory|iButtonAdapter|

    この例の場合、該当する名前は iButtonAdapter です。この名前は次の手順で使用します。

  5. 次のように入力して、iButton を消去します。


    # smartcard -c load -r user_friendly_name -u -A A000000062030400
    

Sun Smart Card Reader I を使ってスマートカードの内容を消去するには

Sun Smart Card Reader I に挿入されている CyberFlex または PayFlex のスマートカードから明示的にデータを消去することはできません。代わりに、SolarisAuthApplet.capx ファイルを再度読み込むことでカードの内容を消去できます。

  1. Sun Smart Card Reader I が接続されているマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 内容を消去しようとするカードがリーダーに挿入されていることを確認します。

  3. 1 行に次のように入力して、カードを消去します。


    # smartcard -c load -i /usr/share/lib/smartcard/SolarisAuthApplet.capx -A A000000062030400
    

    完了すると、ocfserv によって次のようなメッセージが表示されます。


    処理に成功しました