Solaris WBEM Services の管理

コアモデルが提供するシステム関連

関連は、ほかのクラスによって共有される関係を定義するクラスです。関連クラスには、そのクラスの目的を示す ASSOCIATION 修飾子が付けられます。関連クラスは、2 つ以上の参照 (特定の関係を共有するクラスの名前) を持つ必要があります。関連のインスタンスは、常に関連クラスに属します。

関連には、次のような形式があります。

関連は、システムとそのコンポーネントである管理対象要素との間の関係を表現します。クラス間の関係の定義には、一般的な 2 種類の関連が使用されます。

CIM スキーマは、次に示す基本的な 2 種類の関連を定義します。

これらの関連タイプは抽象型です。つまり、関連クラスは、インスタンスを単独では所有しません。

コンポーネント関連

コンポーネント関連は、システムのコンポーネントとシステム自体の関係を表します。コンポーネント関連は、どの要素がシステムを構成するかを示します。コンポーネント関連を表す abstract クラスは、下位クラスにこのタイプの具体的な関連を作成するために使用されます。下位の具体的な関連は、「コンポーネント (クラス) が、ほかのコンポーネントとどのような構成関係にあるか」を表します。

コンポーネント関連は、その特有の役割として、システムと、システムの論理的なコンポーネントおよび物理的なコンポーネント間の関係を表します。

依存関連

依存関連は、互いに依存し合うオブジェクト間の関係を確立します。コアモデルは、次の依存関係を提供します。

コアモデルには、次の依存関係があります。

表 A-3 Core Model の依存関係

依存関連 

説明 

HostedService

サービスとその機能が存在するシステム間の関連。この関連の多重度は、1 対多である。1 つのシステムは、多くのサービスを管理できるため、サービスは、それらを管理しているシステムに強く依存している。一般に、サービスは、そのサービスを実装する論理デバイスまたはソフトウェア機能が入ったシステム上で管理されるので、このモデルでは、複数のシステムに渡って管理されるサービスは表されない。この場合システムは、単一のホストにそれぞれ置かれているサービスの集合ポイントの役割を果たすアプリケーションシステムとしてモデル化される 

HostedAccessPoint

サービスアクセスポイント (SAP) と SAP 上で提供されているシステム間の関連。この関連の多重度は 1 対多であり、システムに強く依存している。各システムは多数の SAP を管理できる。このモデルの特徴は、サービスアクセスポイントを、サービスがアクセスできるシステムと同じホストに置くことも別のホストに置くこともできることである。このため、このモデルは分散システム (コンポーネントサービスが複数のホストに置かれるアプリケーションシステム) と分散アクセス (アクセスポイントがほかのシステム上で管理されるサービス) の両方を表すことができる 

ServiceSAPDependency

サービスとサービスアクセスポイント間の関連。この関連は、サービスがその機能を提供するためには参照されている SAP が必要であることを示す 

SAPSAPDependency

2 つの SAP 間の関連のある SAP がそのサービスを利用またはそのサービスに接続するためには別の SAP が必要であることを示す。 

ServiceAccessBySAP

サービスのアクセスポイントを識別する関連。たとえば、プリンタは、複数のシステム上で管理される Netware、Apple Macintosh、または Windows のサービスアクセスポイントによってアクセスされる可能性がある