Soiaris 2.6 以前の従来の Java 実行時環境では、Java 実行時スレッドおよびシステムサポート層の一部である、「グリーンスレッド」と呼ばれるスレッドライブラリが使用されていました。このグリーンスレッドライブラリはユーザーレベルのライブラリであり、Solaris システムは一度に 1 つのグリーンスレッドしか処理できません。このため Solaris は「複数対単一」のスレッド方式で Java 実行時環境を処理するので (「「複数対単一」のモデル (グリーンスレッド)」を参照)、次のような問題がありました。
Java アプリケーションと Solaris 環境の既存のマルチスレッドアプリケーションとを相互運用できない。
Java スレッドはマルチプロセッサ上であっても並列動作できない。
マルチスレッド Java アプリケーションが OS の並列処理機能を利用できないため、シングルプロセッサ、マルチプロセッサのどちらのシステムでも、アプリケーションの高速化を実現できない。
アプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上させるため、Solaris 2.6 プラットフォームの Java では、グリーンスレッドライブラリが Solaris のネイティブスレッドに置き換えられています。これは、Solaris 7 および Solaris 8 でも同様です。