ディスクセットの作成と構成は、DiskSuite のコマンド行インタフェース (metaset(1M) コマンド) を使用して行わなければなりません。ディスクセットを作成した後は、DiskSuite ツールまたはコマンド行ユーティリティを使用して、ディスクセット上の状態データベースの複製、メタデバイス、およびホットスペア集合を管理することができます。
ディスクセットにドライブを追加したら、ホストはディスクセットを予約 (確保) したり解放したりすることができます。ホストによってディスクセットが予約されると、他のホストはそのディスクセットのデータをアクセスできなくなります。ディスクセットを管理するためには、ホストがそのディスクセットを所有しているか、もしくは予約していなければなりません。ディスクセットに最初にドライブを追加したホストには、暗黙の所有権が与えられます。
現在のホストがディスクセットを独占できるように、各ドライブに対して SCSI の reserve コマンドが発行され、各ドライブが予約されます。ディスクセットの各ドライブは、予約が継続しているかどうかを毎秒調べられます。
ホストが予約してあるはずのドライブが予約されていないと判断された場合、ホストはパニックを起こします。こうすることで、2 つのホストが同時に同じドライブをアクセスすることによって生じるデータの消失が最小限に抑えられます。
ホストがディスクセットのドライブを使用するためには、そのディスクセットをまず予約しなければなりません。ホストは、2 とおりの方法でディスクセットを予約できます。
安全予約 − ディスクセットを安全に予約すると、DiskSuite は他のホストがそのディスクセットを予約しているかどうかをチェックします。他のホストがすでに予約している場合には、予約を要求したホストはそのディスクセットを予約することはできません。
強制予約 − ディスクセットを強制的に予約すると、DiskSuite は、他のホストがそのディスクセットを予約しているかどうかには関係なく、そのディスクセットを予約します。この方法は、ディスクセットをすでに予約しているホストがダウンしたか、通信不能になった場合に使用します。ディスクセットのすべてのディスクは新しいホストに引き継がれ、フェイルファースト (FailFast) が有効になります。メタデバイス状態データベースは、予約を行ったホストに読み取られ、ディスクセットで構成されている共有メタデバイスがアクセス可能になります。この時点で他のホストがディスクセットを予約していた場合には、予約が失われたためにパニックになります。
通常は、ディスクセットを共有する 2 つのホストが協調して、同時点では 1 つのホストがディスクセットのドライブを予約するようにします。通常の状況とは、両方のホストが動作していて、互いに通信している状態を意味します。
ディスクセットの解放が必要になる場合があります。ディスクセットのドライブに対して保守を実行する場合などは、ディスクセットを解放しておくと便利です。解放されたディスクセットは、ホストからアクセスできなくなります。ディスクセットを共有しているホストが両方ともディスクセットを解放すると、どちらのホストもそのディスクセットのドライブをアクセスできなくなります。