ここでは、Solstice DiskSuite によって使用されているディスクを構成解除する手順を説明します。詳細は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
以下で説明する作業は、有資格のシステム管理者が行ってください。動作中のディスクドライブに対して誤ったホットプラグ作業を行うと、データが失われることがあります。
システムのパックアップを取ります。
su と入力し、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
交換するディスクのパーティションテーブルを保存することができる場合は、そのパーティションテーブルを保存します。
ディスクラベルを読み取ることができる場合は、この時点でディスクパーティション情報を保存します。
メタデバイスまたはファイルシステムを設定したら、ただちにすべてのディスクパーティション情報を保存してください。この情報は、デバイス障害から回復する際に使用します。
prtvtoc コマンドを使用してパーティション情報を保存します。
# prtvtoc /dev/rdsk/cwtxdys0 > パーティションテーブルの保存先ファイル
# prtvtoc /dev/rdsk/c0t11d0s0 > /etc/c0t11d0s0.vtoc
取り外すデバイスを使用しているメタデバイスまたはアプリケーションを特定します。以下に例を示します。
# metadb | grep c0t11d0 # metastat | grep c0t11d0 # mount | grep c0t11d0
ディスクを交換した後でメタデバイスを再設定するために、これらのコマンドの出力を保存します。
複製データベースを削除します。
ディスクに複製データベースがある場合は、その複製データベースを削除する必要があります。削除する前に、複製データベースのサイズと各スライスにある複製データベースの数を記録してください。
# metadb -d cwtxdysz
# metadb -d c0t11d0s0
サブミラーを切り離します。
ディスクのスライスがサブミラーによって使用されている場合は、そのサブミラーを切り離す必要があります。以下に例を示します。
# metadetach d20 d21
ホットスペアを削除します。
ディスクのスライスがホットスペアプールによって使用されている場合は、そのホットスペアを削除する必要があります。削除する前に、スライスを含むホットスペアプールを記録してください。以下に例を示します。
# metahs -d all c0t11d0s1
ディスクに対する他のすべてのメタデバイス処理を終了します。
切り離すことができないメタデバイス (ミラーにはないストライプなど) によって使用されている他のディスクスライスについては、metastat の出力を調べてください。メタデバイスにファイルシステムが存在する場合は、メタデバイスをマウント解除する必要があります。ファイルシステムが存在しない場合は、オフラインにしてください。
詳細は、prtvtoc(1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスク上にあるすべてのファイルシステムをマウント解除します。
マウント解除するファイルシステムが存在するディスクで障害が発生しているか、障害が発生した場合、umount 処理が完了せずに、その処理中に大量のエラーメッセージがシステムコンソールに表示され、/var ディレクトリ内に記録される場合があります。umount 処理が正常に完了しない場合は、システムの再起動が必要となる場合があります。
# umount ファイルシステム
ファイルシステムは、手順 4 で返された各行の先頭の列の値です。以下に例を示します。
# umount /export/home # umount /export/home1
ssaadm replace_device コマンドを使用して、デバイスをオフラインにします。
# ssaadm replace_device 論理デバイス名 ssaadm: warning: can't quiesce "/dev/rdsk/c0t11d0s2": I/O error Bus is ready for the replacement of device Replace device and reconfigure bus as needed Press RETURN when ready to continue
論理デバイス名には、取り外すドライブの完全な論理デバイス名 (この例では /dev/rdsk/c0t11d0s2) を指定します。ディスク全体を表すスライス 2 を指定する必要があります。このコマンドには、論理デバイス名の代わりに物理デバイス名を指定することもできます。
Sun Enterprise 250 の SCSI バスは休止を必要としないため、警告メッセージは無視してください。
障害の発生したディスクドライブを取り外して、交換用ドライブを挿入します。
ディスクドライブの取り外しと交換の方法については、『Sun Enterprise 250 サーバーユーザーマニュアル』を参照してください。
Return を押して、ホットプラグ作業を完了します。
ssaadm コマンドによって、交換ドライブがオンラインになります。
ディスクパーティション情報を復元します。
ファイルにディスクパーティション情報を保存した場合は、fmthard を使用して復元することができます。以下に例を示します。
# fmthard -s /etc/c0t11d0s0.vtoc /dev/rdsk/c0t11d0s0
ディスクパーティションを保存していない場合は、format(1M) または fmthar(1M) コマンドを使用して、ディスクにパーティションを再度作成します。
すべての複製データベースを元に戻します。以下に例を示します。
# metadb -a -l 2000 -c 2 c0t11d0s0
# metattach d20 d21
新しいディスクのスライスを含む各ホットスペアプールについて、ホットスペアを再度作成します。
# metahs -a hsp001 c0t11d0s1
新しいディスクのスライスを使用して、壊れたメタデバイスを修復します。
交換する対象ディスクが原因でメタデバイスが保守状態になっている場合は、スライスを再度有効にすることによって、メタデバイスを修復することができます。
# metareplace -e ミラーまたは_RAID5_のメタデバイス cwtxdysz
すべてのファイルシステムを再度マウントし、オフラインにすることができなかったメタデバイスを使用していたすべてのアプリケーションを再起動します。
# mount ファイルシステム
詳細は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。