Sun NFS サーバーの調整

NFS の特徴

NFS 環境では、ネットワークを経由して、ローカルファイルと同様に遠隔ファイルにアクセスすることができます。遠隔デバイスのファイルシステムは、ローカルに存在するかのように見えます。クライアントは、mount コマンドやオートマウンタを利用して、遠隔ファイルシステムにアクセスすることができます。

NFS プロトコルは、クライアントからの再試行と障害からの容易な回復を可能にします。クライアントは、サーバーが処理を行うために必要なすべての情報を提供します。サーバーで受信が確認されるまで、または再試行が時間切れになるまで、要求を繰り返し送信します。データが不揮発性の記憶装置にフラッシュされると、サーバーから書き込みの確認があります。

マルチスレッド方式のカーネルでは、nfsd プロセスや非同期ブロック入出力デーモン (biod) プロセスを複数管理する必要がありません。どちらのプロセスも、オペレーティングシステムのカーネルのデーモンとして実現されています。このため、クライアント側に biod は存在せず、サーバー側に nfsd プロセスが 1 つ存在します。

NFS トラフィックは、突発性を持っています。NFS 要求は突然発生して、通常、その種類も多岐にわたります。NFS サーバーは、このような NFS ファイルサービス要求に対処する必要があります。要求は広範囲にわたりますが、通常の運用では、そうした要求は比較的予測可能なものです。

ローカル、遠隔にかかわらず、アプリケーションからの要求の多くは、以下のように処理されます。

  1. アプリケーションバイナリの必要部分が読み込まれ、コードページが実行され、処理するデータセットを指定するためのユーザーダイアログが表示されます。

  2. アプリケーションによって、指定データセットがディスク (ほとんどの場合は遠隔ディスク) から読み取られます。

  3. ユーザーとアプリケーションとの対話が可能になり、メモリー上のデータが操作されます。アプリケーションの実行の大部分は、この対話に費やされます。

  4. 変更を加えられたデータセットがディスクに保存されます。


注 -

通常は、上記の処理が進むにつれて、アプリケーションバイナリのより多くの部分が読み込まれます (ページイン) 。