NFS バージョン 3 でサポートされる機能によって、Prestoserve 機能の必要性が少なくなっています。Perstoserve NFS アクセラレータは、NFS バージョン 2 と合わせて使用した場合に大きな効果が得られますが、NFS バージョン 3 と合わせて使用した場合にはわずかな効果しか得られません。
NFS の性能を向上させる別の手段として、Prestoserve NFS アクセラレータを追加する方法があります。NFS バージョン 2 プロトコルには、あらゆる書き込みを安定した記憶領域に書き込んでから、応答をするという規定があります。この条件は、Prestoserve NFS アクセラレータを使用して、低速のディスクではなく高速の NVRAM に書き込むという形で満たすことができます。
Prestoserve NFS アクセラレータが使用する NVRAM には、以下の 2 種類があります。
NVRAM-NVSIMM
SBus
Prestoserve NFS アクセラレータの SBus と NVRAM-NVSIMM のどちらの場合も、以下の処理を行って NFS サーバーの処理を高速化します。
ファイルシステムを高速に選択する
同期入出力時の書き込みデータのキャッシュを行う
同期書き込みをディスクに対して行わずに、不揮発性メモリーにデータを格納する
SBus、NVRAM-NVSIMM のどちらの NVRAM ハードウェアも使用できる場合は、Prestoserve キャッシュとして NVRAM-NVSIMM を使用してください。NVRAM-NVSIMM と SBus ハードウェアは機能的には同じですが、効率性の面で NVRAM-NVSIMM の方が若干優れており、SBus スロットを使用しません。NVRAM-NVSIMM はメモリーに置かれ、キャッシュも SBus ハードウェアにくらべて大きくなります。
NVRAM-NVSIMM Prestoserve NFS アクセラレータは、負荷の大きい NFS クライアントや、入出力バウンドのサーバーの応答時間を大幅に改善することができます。 NVRAM-NVSIMM Prestoserve NFS アクセラレータは、以下のシステムにインストールすることができます。
SPARCserver 20 システム
SPARCserver 1000/1000E システム
SPARCcenter 2000/2000E システム
Sun Enterprise 3000/4000/5000/6000、3500/4500/5500/6500 システムの場合は、NFS 性能向上のもう 1 つの手段として、サーバーに接続された SPARCstorage Array の NVRAM をアップグレードします。
Sun Enterprise 3000/4000/5000/6000、3500/4500/5500/6500 システムでは、SPARCstorage Array NVRAM 高速書き込みを行うことができます。ssaadm コマンドを使用して、高速書き込みを有効にしてください。
SBus Prestoserve NFS アクセラレータには、1 MB のキャッシュのみを搭載し、SBus に接続します。SPARCserver 1000(E)、SPARCcenter 2000(E)、Sun Enterprise 3000/4000/5000/6000、3500/4500/5500/6500 システム以外の SBus を備えているサーバにインストールすることができます。
SBus Prestoserve NFS アクセラレータは、以下のシステムにインストールすることができます。
SPARCserver 5 システム
SPARCserver 20 システム
Sun Enterprise 1 システム
Sun Enterprise 2 システム
SPARCserver 600 シリーズ