rsctest は、Sun Enterprise 250 の RSC (Remote System Control) 機能を検査します。
RSC は、システムの監視、ファームウェアの更新、障害の回復において、安全な遠隔アクセス機能を提供します。RSC ハードウェアは、コントローラ、フラッシュ、SEEPROM、10 Mbps Ethernet ポート、外部コンソール用シリアルポートによって構成されます。RSC は、内部シリアル回線 (2 つ) と I2C バス、リセット回線を使用してホストと通信します。
rsctest は、Ethernet、フラッシュの検査合計、SEEPROM の検査合計、内部および外部シリアルポートをテストし、結果を報告する 4 つのサブテストによって構成されています。これらのサブテストは、RSC ファームウェアに含まれる固有のリアルタイムオペレーティングシステム (RTOS) で作成されたテスト modlet を呼び出します。rsctest のサブテストは、テスト modlet を実行し、パラメタを渡し、ホスト上のテストプロトコルを使用して結果を RSC から RSC 内部シリアル回線に取り出します。rsctest は、スケーラブルテストではありません。
ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.0 ユーザーマニュアル』を参照してください。
表 32-1 rsctest のオプション|
オプション |
説明 |
|---|---|
|
Enet test |
RSC Ethernet テストを有効または無効にします。 |
|
Data Pattern Type |
テストに使用するデータパターンとして Sequential、Random、その両方のいずれかを選択します。 |
|
Packet Size |
すべてのテストで送信するデータパケットのサイズを指定します。 |
|
Num Packets |
1 つのテストループで送信するデータパケット数を指定します。 |
|
Target Host |
ping テストで使用するホストの IP アドレスを指定します。 |
|
Enet Test Type |
Enet テストタイプとして、Internal、External、ping テストを選択します。すべてのテストを選択することもできます。 |
|
Flash test |
フラッシュの検査合計テストを有効または無効にします。 |
|
SEEPROM test |
SEEPROM の検査合計テストを有効または無効にします。 |
|
Serial test |
RSC シリアルテストを有効または無効にします。 |
|
Data Size |
送信するデータサイズを指定します。 |
|
Loopback Type |
Internal、External、またはその両方を選択します。External には、ループバックコネクタが必要になります。 |
|
Data Pattern Type |
テストに使用するデータパターンとして Sequential、Random、またはその両方を選択します。 |
|
Serial Test Type |
テストするシリアルポートして u to u、c to c、d to d のいずれかを選択します。 |
| TTYU_Baud | RSC のコンソールのボーレートを選択します。 |
下記の表に示すように、rsctest は、接続テスト (Connection Test) および 機能テスト(Functional Test) モードの両方に対応しています。
表 32-2 rsctest のテストモード|
テストモード |
サポート |
説明 |
|---|---|---|
|
接続テストモード |
○ |
RSC の状態を報告します。 |
|
機能テストモード(オフライン) |
○ |
RSC の Ethernet、フラッシュ、SEEPROM、シリアルデバイスをテストします。 デフォルトでは、これらのすべてのテストで内部モードが使用されます。コンソールの出力先が RSC に変更されている場合、rsctest は ttyc に対してシリアルテストを行いません。ttyu に開いているログインがある場合、ttyu テストは実行されません。 |
|
機能テストモード(オンライン) |
× |
サポートされていません。 |
/opt/SUNWvts/bin/rsctest 標準引数-o enet=E/D,epattype=seq+rand,esize=パケットサイズ, epkts=パケット数,target=IP_アドレス,etest=I+E+P,flash=E/D, seeprom=E/D,serial=E/D,sdatsize=データサイズ,slb=I+E,spattype=seq+rand, stest=u_u+c_c+d_d,ttyubaud=ALL|指定ボーレート
表 32-3 rsctest のコマンド行構文|
引数 |
説明 |
|---|---|
|
enet=enable|disable |
RSC Ethernet テストを有効または無効にします。 |
|
epattype=seq+rand |
Enet テストに使用する既定のパターンオプション |
|
esize=パケットサイズ |
Enet テストで使用するパケットのサイズ |
|
epkts=パケット数 |
Enet テストで送信するパケット数 |
|
target=IP アドレス |
Enet の ping テストの宛先システムの IP アドレス |
|
etest=Internal+External+Ping |
RSC Enet テストのテストモード |
| flash=enable|disable |
RSC フラッシュの検査合計テストを有効または無効にします。 |
|
seeprom=enable|disable |
RSC SEEPROM の検査合計テストを有効または無効にします。 |
|
serial=enable|disable |
RSC シリアルテストを有効または無効にします。 |
|
sdatsize=data_size |
RSC シリアルテストで使用するデータサイズ |
|
slb=Internal+External |
ループバックタイプ。c と d ポートに対しては、External を選択することはできません。 |
|
spattype=seq+rand |
RSC シリアルテストに使用する既定のパターンオプション |
|
stest=u_u+c_c+d_d |
RSC シリアルテストに使用するポート構成を指定します。 |
|
ttyu_baud=ALL|指定ボーレート |
RSC のコンソールポートのテストに使用するボーレートを指定します。 |
64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。
|
|
エラーメッセージ |
考えられる原因 |
対処方法 |
|---|---|---|---|
| 8000 |
Unable to open driver ドライバ名: システムエラーメッセージ |
デバイス名が不正か、ドライバが読み込まれていません。 |
原因に従って、デバイス名に誤りがないか調べるか、ドライバを読み込んでください。 |
|
デバイスがビジー |
ドライバを使用している他のすべてのプロセスを終了してください。 |
||
| 8001 |
Unable to allocate memory using malloc: システムエラーメッセージ |
システムソフトウェアのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
| 8002 |
Illegal options passed to rsctest オプション |
ユーザーエラー |
rsctest -u と入力して、使用法を確認してください。 |
| 8003 |
Error encountered during call to 関数名 |
|
|
| 8004 |
Error encountered during call to rsc_send(). Error Code: システムエラーメッセージ |
RSC ハードウェアからの応答がありません。 |
RSC をリセットしてください。 |
| 8005 |
Error encountered during call to rsc_recv(). Error Code: システムエラーメッセージ |
RSC RTOS テストが時間切れになりました。 |
RSC をリセットしてください。 |
| 8006 |
Failing status received. Status:状態 |
RSC の RTOS テストから障害状態が返されました。 |
rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。 |
| 8007 |
Invalid message type received from rsc_recv(). Msg_type: メッセージタイプ |
RSC から予期しないメッセージタイプが返されました。 |
rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSCをリセットしてください。 |
| 8008 |
Error encountered during call to rsc_start(). Error Code: システムエラーメッセージ |
RSC テストプロトコルを初期化することができません。 |
rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。 |
| 8009 |
RSC's Internal|External enettest failed for pattern type= パターンタイプ |
Internal: ハードウェアの不良。RSC enet の設定が不正です。 |
RSC の構成を調べてください。 10 Mbps ハブとケーブルを調べてください。マザーボードを交換してください。 |
|
External: ハードウェアの不良。RSC enet の設定が不正です。 10 Mbps ハブまたはケーブルが見つかりません。 |
|||
| 8010 |
RSC's PING test failed. Pattern type = パターンタイプ Target host= ターゲット_IP. |
RSC enet の設定が不正です。 |
RSC の enet の設定を調べてください。 |
|
ケーブルが接続されていないか、壊れています。ターゲット IP が不正です。 ハードウェア障害 |
ケーブルの接続を調べてください。 ターゲットの IP アドレスオプションを調べてください。 マザーボードを交換してください。 |
||
| 8011 |
RSC's flash checksum test failed. Status: 状態 |
フラッシュファームウェアが壊れています。 I2C バス上のエラー フラッシュハードウェアの不良 |
ファームウェアを更新してください。 env2test を使用して I2C バスを調べてください。 ハードウェアを交換してください。 |
| 8013 |
端末設定 failed for TERMIO.:システムエラーメッセージ |
RSC プロトコルエラー |
|
|
システムソフトウェアのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
||
| 8014 |
Read failed.: システムエラーメッセージ |
システムソフトウェアのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
| 8015 | Data read does not match data sent. |
ハードウェア不良またはシステムソフトウェアのエラー |
ハードウェアを調べて、必要に応じて交換してください。 |
| 8016 | Data read exceeds data sent. |
ハードウェア不良またはシステムソフトウェアのエラー |
ハードウェアを調べて、必要に応じて交換してください。 |
| 8017 |
Select timedout for read.:システムエラーメッセージ |
システムソフトウェアのエラー。RSC/システムの負荷が大きすぎるため、データが失われました。 |
RSC とシステムの負荷を減らしてください。 詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
| 8018 |
Write failed for num bytes bytes of data.:システムエラーメッセージ |
システムソフトウェアのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
| 8019 |
Select timedout for write.: システムエラーメッセージ |
システムソフトウェアのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
| 8020 |
RSC Serial test failed.Test Name= テスト名 Loopback= ループバックタイプ Pattern_Type= パターンタイプ Baud= ボーレート. |
ハードウェア不良またはシステムソフトウェアのエラー |
ハードウェアを調べて、必要に応じて交換してください。 |
| 8021 |
OPEN of port failed.:システムエラーメッセージ. |
システムソフトウェアのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
| 8022 | RSC Status shows that the last run of POST failed. |
ハードウェア不良またはシステムファームウェアのエラー |
RSC のマニュアルで POST 状態語の意味を調べてください。
|
| 8023 |
Unable to access lib rsc lib.: システムエラーメッセージ. |
システムソフトウェアのエラー。 RSCソフトウェアが正しくインストールされていません。 |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 テスト中のユニットにRSCパッケージをインストールし直してください。 |
| 8024 |
Unable to close lib.: システムエラーメッセージ. |
システムソフトウェアのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
| 8025 |
Call to rsc_init() failed. Error Code: RSC のエラーメッセージ |
システムソフトウェアのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSCをリセットしてください。 |
| 8026 |
Unable to access function 関数名 in lib.: システムエラーメッセージ |
システムソフトウェアのエラー 期限切れまたはサポートされていない librsc.so.1 がインストールされています。 |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 テスト中のユニットに RSC パッケージをインストールし直してください。 |
| 8027 |
RSC's SEEPROM checksum test failed. Status: 状態. |
ファームウェアが壊れているか、I2C バスに問題があるか、システムソフトウェアのエラーです。 |
rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSCをリセットしてください。 |
| 8028 |
Select failed for [Write/Read]. |
RSC のハングアップ RSC データプロトコルのエラー |
詳細は、/var/adm/messages ファイルを参照してください。 |
| 8029 |
Sending OFF to Serial test failed. Test Name= テスト名 Loopback= ループバックタイプ pattern_type= パターンタイプ Baud= ボーレート |
RSC のハングアップ RSC データプロトコルのエラー |
rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSC をリセットしてください。 |
| 8031 |
Communication to RSC failed. |
RSC のハング |
rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。必要に応じて RSC をリセットしてください。 |
| 8032 | Unable to get RSC's console port from library. |
RSC lib がインストールされていません。 システムソフトウェアのエラー |
ホストに RSC lib がインストールされているかどうか調べてください。 |
| 8033 | Unable to get RSC's control port from library. |
RSC lib がインストールされていません。 システムソフトウェアのエラー |
ホストに RSC lib がインストールされているかどうか調べてください。 |
| 8034 |
Unable to negotiate loopback mode on RSC for serial loopback. |
RSC の負荷が大きすぎます。 RSC データプロトコルのエラー |
RSC およびシステムの負荷を減らしてください。 RSC をリセットしてください。 |
|
8035 |
Unable to open host PROM. |
PROM イメージが壊れています。 ハードウェアに不良があります。 |
prtconf を使用して PROM に問題がないか調べてください。PROM を更新してください。 マザーボードを交換してください。 |
|
8036 |
Unable to access PROM property using ioct. |
システムソフトウェアのエラーPROM が壊れている |
prtconf を使用して PROM に問題がないか調べてください。PROM を更新してください。 マザーボードを交換してください。 |
|
8037 |
Unable to access the next PROM property using ioctl. |
システムソフトウェアのエラーPROM が壊れている |
prtconf を使用して PROM に問題がないか調べてください。PROM を更新してください。マザーボードを交換してください。 |
|
8040 |
Internal Serial tests are not allowed while RSC is being used as console. |
入力デバイスまたは出力デバイスが rsc に設定されている。 |
rsctest のテストオプションメニューから内部シリアルポートテストを選択解除してください。入力デバイスと出力デバイスをリダイレクトして、SunVTS を再起動してください。 |
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8041 |
Unable to determine RSC uptime. |
RSC のリセット中です。 RSC から応答がありません。 |
rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。 |
|
8042 |
RSC reset detected; start time stop time. |
RSC ハードウェアエラー |
RSC に telnet 接続して、リセットループに陥っていないか調べてください。 rscadm を使用して RSC に問題がないか調べてください。 |
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8043 |
Unable to determine the systems platform. |
システムソフトウェアエラー |
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8044 |
Unable to fill signal mask. |
システムソフトウェアエラー |
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|
8045 |
Unable to change signal mask. |
システムソフトウェアエラー |
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