自動ネゴシエーション

100BASE-TX 規格で定義されている自動ネゴシエーションプロトコルでは、起動時または接続の状態が変化する (切断するか接続する) ときに、自動的に動作モード (半二重または全二重) が選択されます。また、自動ネゴシエーションプロトコルは、速度 (100 Mbps または 10 Mbps) の選択も行います。

自動ネゴシエーションプロトコルは以下を行います。

• 接続相手が対応しているすべての動作モードをすべて識別する。

• 接続相手に自分の機能を通知する。

• 以下の優先順位に従って、最適な共通動作モードを選択する。

  • 100 BASE-T4

  • 100 Mbps、全二重

  • 100 Mbps、半二重

  • 10 Mbps、全二重

  • 10 Mbps、半二重

接続相手とは、接続またはケーブルの反対側に存在するネットワークデバイス (システム、Ethernet ハブ、Ethernet スイッチ) のことです。SUNW,hme デバイスが自動ネゴシエーション機能を持たない遠隔システムまたはインタフェースに接続した場合は、自動的に速度と半二重モードが選択されます。

アダプタまたはシステムと、接続相手との間で、自動ネゴシエーションプロトコルの処理が失敗した場合は、このプロトコルを使用しないようにデバイスを設定することができます。この設定を行うと、ドライバは自動ネゴシエーションプロトコルを使用せずに、ユーザーが選択したモードと速度で接続を確立します。

内部トランシーバ

hme ドライバは、内部トランシーバに対応しています。内部トランシーバは、「動作速度と動作モード」で示されているすべての速度とモード (100 BASE-T4 モードを除く) での動作が可能です。内部トランシーバを使用した場合は、デフォルトの設定では hme ドライバによる自動ネゴシエーションが選択され、自動的に接続の速度とモードが選択されます。内部トランシーバは、接続の遠隔地側 (接続相手) と自動ネゴシエーションを行い、共通の動作モードを選択します。

また、内部トランシーバは強制動作モードにも対応しています。強制動作モードでは、ndd ユーティリティーを使用するか、/etc/system ファイルを編集するか、または hme.conf ファイルを作成することによって速度とモードを選択します。ndd ユーティリティーは hme ドライバを呼び出し、速度とモードを選択します。

外部トランシーバ

外部トランシーバが MII インタフェースに接続されている場合は、ドライバは外部トランシーバを選択してネットワーク操作を行います。SunSwift SBus アダブタには外部トランシーバはありません。

• 外部トランシーバが自動ネゴシエーションに対応している場合は、ドライバは、自動ネゴシエーション手順によって接続の速度とモードを選択します。

• 外部トランシーバが自動ネゴシエーションに対応していない場合は、ドライバは、そのトランシーバが対応しているモードの中で、最も優先順位が高いモードを選択します。

また、ユーザーが接続の速度とモードを選択することもできます。たとえば、2 つのトランシーバが対応しているモードと速度が共通でない場合は、ndd ユーティリティーを使用して、両方のトランシーバが対応しているモードと速度のうち、最適なものを選択する必要があります。詳細については、「動作速度と動作モード」で示されている速度とモードの一覧を参照してください。