GSS-API のプログラミング

プロセス間トークン

GSS-API では、マルチプロセスアプリケーションにおいて、あるプロセスから別のプロセスにセキュリティコンテキストを送信できます。一般的に、マルチプロセスアプリケーションはクライアントのコンテキストを受け入れ、プロセス間で共有します。マルチプロセスアプリケーションについては、コンテキストのエクスポートとインポートを参照してください。

gss_export_context() 関数が作成するプロセス間トークンには、2 番目のプロセスがコンテキストを再構築できるような情報が含まれています。このプロセス間トークンをあるプロセスから別のプロセスに渡すのはアプリケーションの責任であり、また、トークンを別のアプリケーションに渡すのもアプリケーションの責任です。

このプロセス間トークンには鍵となる、つまり他の重要な情報が格納されることもあります。ところが、必ずしもすべての GSS-API 実装がプロセス間トークンを暗号化で保護するとは保証できません。したがって、アプリケーションはプロセス間トークンを送受信する前に保護する必要があります。たとえば、暗号化を使用できる場合は、gss_wrap() でプロセス間トークンを暗号化するなどです。


注 –

異なる GSS-API 実装間では、プロセス間トークンを転送できるとは限りません。