プロセスのスケジューリングを制御する管理用ユーティリティとして、dispadmin() と priocntl(1) があります。どちらのユーティリティも、互換性のあるオプションとロード可能なモジュールを伴う priocntl(2) のシステムコールをサポートします。これらのユーティリティは、実行中に実時間プロセスのスケジューリングを制御するシステム管理機能を提供します。
priocntl(1) コマンドは、プロセスのスケジューリングパラメタの設定と取り出しを行います。
dispadmin(1M) ユーティリティに -l コマンド行オプションを付けると、実行中に現プロセスのすべてのスケジューリングクラスが表示されます。実時間クラスを表す引数として RT を -c オプションの後ろに指定すると、プロセスのスケジューリングを変更することもできます。
表 8-2 に示しているオプションも使用できます。
表 8-2 dispadmin(1M) ユーティリティのクラスオプション
オプション |
意味 |
---|---|
-l |
現在設定されているスケージュリングクラスを表示する。 |
-c |
パラメタを表示または変更するクラスを指定する。 |
-g |
指定したクラスのディスパッチパラメタを取得する。 |
-r |
-g オプションと共に使用した場合、タイムカンタム (time quantum) の解像度を指定する。 |
-s |
値が保存されているファイルを指定する。 |
ディスパッチパラメタが保存されているクラス固有のファイルを実行中にロードすることもできます。このファイルを使用して、起動時に確立されたデフォルトの値を新しい優先順位のセットで置き換えることができます。このクラス固有のファイルでは、-g オプションで使用される書式の引数を挿入しなければなりません。RT クラスのパラメタは rt_dptbl(4) にあり、この節の終わりに例を示します。
システムに RT クラスのファイルを追加するには、次のモジュールが存在しなければなりません。
rt_dptbl(4) をロードするクラスモジュール内の rt_init() ルーチン
ディスパッチパラメタと、config_rt_dptbl へのポインタを戻すルーチンを提供する rt_dptbl(4)
dispadmin(1M) 実行可能ファイル