Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) の実行時に発生するバグの情報および注意事項について説明します。
Solaris 8 オペレーティング環境で Motif プログラムをコンパイルする時に、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 のいずれかのオペレーティング環境でコンパイルした Motif API を使用している共有ライブラリにリンクすると、コアダンプが発生します。
上記の旧バージョンの Solaris オペレーティング環境でコンパイルされた共有ライブラリは Motif 1.2 を使用しており、Solaris 8 オペレーティング環境でコンパイルされたプログラムは Motif 2.1 を使用しているためです。これはバイナリ互換の問題ではないので、Solaris 2.4、2.5、2.5.1、2.6 オペレーティング環境でコンパイルしたアプリケーションは、Solaris 8 オペレーティング環境において問題なく動作します。
回避方法: Motif ライブラリに直接リンクされている古いバージョンの共有ライブラリがある場合に、Motif ライブラリとその古いバージョンの共有ライブラリの両方にリンクされているプログラムを、Solaris 8 オペレーティング環境でコンパイルするには、次のようなコンパイル行を使用してください。
cc foo.c -o foo -DMOTIF12_HEADERS -I/usr/openwin/include -I/usr/dt/include -lXm12 -lXt -lX11 |
dtmail の「オプション」メニューから項目を選択し、そのメールオプションのウィンドウを開いたまま、再度 dtmail の「オプション」メニューから同じ項目または他の項目を選択すると、CDE のワークスペース・マネージャが終了します。
回避方法: dtmail の「オプション」メニューが正しく動作するようにするために、Solaris 8 6/00 オペレーティング環境をインストールした直後に、パッチ 109613-01 を適用してください。
CDE のファイル・マネージャが、リムーバブルメディア・マネージャのキャッシュされたファイル表示を再利用しようとした時に、問題が起きることがあります。
リムーバブルメディア・マネージャを閉じた時またはファイル・マネージャの「表示」メニューから「新しいウィンドウに表示」を選択した時に、CDE のファイル・マネージャはリムーバブルメディア・マネージャのキャッシュされたファイル表示を再利用しようとします。
リムーバブルメディア・マネージャを開いて閉じた後に、CDE のフロントパネルからファイル・マネージャのウィンドウを開くと、ファイル・マネージャが終了し、ダイアログボックスに次のエラーメッセージが表示されます。
The request to service this action has failed for the following reason: TT_ERR_PROCID The process id passwd is not valid. |
リムーバブルメディア・マネージャを開いて閉じた後に、「表示」メニューから「新しいウィンドウに表示」を選択してファイル・マネージャのウィンドウを新規に開くと、ファイル・マネージャが終了します。
回避方法: 次のいずれかの方法を実行してください。
上記のエラーメッセージが表示された場合
次の手順を実行してください。
エラーダイアログボックスを閉じます。
CDE フロントパネルでファイル・マネージャのアイコンをクリックします。
ファイル・マネージャが開きます。
エラーダイアログボックスが表示されずにファイル・マネージャが終了した場合
次のようにして、スタンドアロンモードでファイル・マネージャを起動してください。
% dtfile -standalone |
デスクトップから最後のエントリ (たとえば、カレンダの最後のアポイントメント、アドレス帳の最後のアドレスなど) を削除した後に、PDA デバイスに対して同期処理を実行すると、最後のエントリが PDA デバイスからデスクトップに復元されてしまいます。
回避方法: PDA デバイスから最後のエントリを削除してください。
国際化 (複数バイト文字) 対応の PDA デバイスと Solaris CDE とで、日本語などの複数バイト文字のデータを交換すると、両方の環境において、交換した複数バイト文字データが壊れる場合があります。
回避方法: PDA Sync を実行する前に必ず、PDA デバイスに付属しているバックアップ機能やバックアップユーティリティを使用して、PC などにデータの完全なバックアップをとってください。間違ってデータ交換をしてしまった場合には、バックアップデータからデータを復旧させてください。
PDA Sync のメインウィンドウ以外のウィンドウから、ヘルプボタンを使用してヘルプを起動した場合、表示されたヘルプに対する操作ができないことがあります。
回避方法: PDA Sync のオンラインヘルプは、メインウィンドウから起動したものを使用してください。
ボリュームマネージャのメッセージを表示するためのダイアログウィンドウは XView アプリケーションであるので、ja_JP.PCK ロケールおよび ja_JP.UTF-8 ロケールでは英語表示で起動されます。
ja ロケールで登録したカレンダは、ja_JP.PCK ロケール および ja_JP.UTF-8 ロケールで起動されたカレンダ・マネージャで見ることができません (ja_JP.PCK ロケールまたは ja_JP.UTF-8 ロケールで作成した場合も同様です)。
ja_JP.PCK ロケール または ja_JP.UTF-8 ロケールでメールファイルを印刷する場合、$HOME/.dt/types に次のような内容のファイルを dtmail.dt というファイル名で作成してください。
次の例は、Sun が一般的にサポートしている EUC 対応のプリンタを想定して設定しています。
iconv(1) を利用する場合:
iconv でプリンタがサポートする符号化方式に合わせて変更してください。指定方法については、iconv(1)、iconv(3) のマニュアルページを参照してください。
例 1:ja_JP.PCK ロケールで印刷する場合
ACTION Print { LABEL Print ARG_TYPE DTMAIL_FILE TYPE COMMAND WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING sh -c ' ¥ dtmailpr -p -f %(File)Arg_1% | ¥ iconv -f PCK -t eucJP | ¥ dtlp -u %(File)Arg_1%;' } |
例 2:ja_JP.UTF-8 ロケールで印刷する場合
ACTION Print { LABEL Print ARG_TYPE DTMAIL_FILE TYPE COMMAND WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING sh -c ' ¥ dtmailpr -p -f %(File)Arg_1% | iconv -f ¥ UTF-8-Java -t eucJP | dtlp -u %(File)Arg_1%;' } |
mp(1) を使用する場合:
ja、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 ロケール用の dtmail.dt を作成する必要はありませんが、ja_JP.UTF-8 の場合にフォントが Bitmap から作成され印刷の質が劣るという問題と、バナー情報の日本語が正しく表示されないという問題があります。
ACTION Print { LABEL Print ARG_TYPE DTMAIL_FILE TYPE COMMAND WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING sh -c ' ¥ dtmailpr -p -f %(File)Arg_1% | mp ¥ | dtlp -u %(File)Arg_1%;' } |
ja_JP.UTF-8 ロケールでは、カレンダ (dtcm) からの印刷はできません。
メールプログラムで検索を行う際、検索フィールドに日本語が含まれていると、検索が正しく行われません。
メールファイルに該当する文字列が存在する場合でも、「一致するものがありません」と表示されます。
Solaris CDE 1.2 より前のメールプログラムで、オプションメニューの「移動メニューの設定」で登録したメールボックス名に日本語文字列が含まれている場合、Solaris CDE 1.2 以降のメールプログラムではそれらのメールボックス名が文字化けすることがあります。
回避方法: Solaris CDE 1.2 あるいは Solaris CDE 1.3 のメールプログラムで、再度登録してください。
メールプログラムのツールバーボタンをテキスト表示に設定している場合、ニーモニックが表示されていますが、キーボード上でこれらのツールバーを操作することはできません。
日本語ファイル名を持つファイルが添付されたメールを受け取った場合、このメールを転送しようとすると、添付ファイルのファイル名が復号化されないで表示されることがあります。転送する前に復号化されずに表示されていても、転送先では復号化された状態で表示されるので、そのままそのメールを転送しても問題はありません。
「不在返信」を設定した場合、日本語サブジェクトのついたメールなど、MIME エンコーディングされたメールに対して、不在返信メッセージのサブジェクトの部分が文字化けします。
回避方法: 不在返信メッセージ内に「$SUBJECT」を使わないでください。
日本語ロケールで Smart Card Management Console を起動した場合に、Smart Card Management Console が以下のファイルに例外を出力して終了することがあります。
/tmp/sdtscgui.err (スーパーユーザーで起動した場合)
$HOME/sdtscgui.err (スーパーユーザー以外で起動した場合)
回避方法:次のようにして、Smart Card Management Console を C ロケールで起動してください。
# pkill ocfserv # env LANG=C /usr/dt/bin/sdtsmartcardadmin |