この『SolarisTM のインストール (上級編)』では、SPARCTM および IA (Intel Architechture) ベースの、ネットワークに接続されたシステムとネットワークに接続されていないシステムの両方に、Solaris 8 オペレーティング環境をインストールする方法を説明します。
このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon の各プロセッサ、および AMD、Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。
このマニュアルでは、Solaris 8 の対話式インストールプログラムである Solaris JumpStartTM と Solaris カスタム JumpStart を使用して、大規模な企業ネットワーク環境内の複数のシステムで Solaris のインストールを設定、自動化、カスタマイズ、および実行する方法を説明します。
ここでは Solaris Web Start を使用して、ローカルの CD-ROM ドライブから単一のシステムに Solaris 8 をインストールする方法については説明しません。このインストール方法については、『Solaris 8 インストールの手引き』と『Solaris 8 インストールガイド (SPARC 版)』または『Solaris 8 インストールガイド (Intel 版)』で説明します。
このマニュアルには、システムハードウェアや周辺装置を設定する方法は記載されていません。
Solaris オペレーティング環境は、SPARC と IA の 2 種類のハードウェア (プラットフォーム) で動作します。また、Solaris オペレーティング環境は、64 ビットと 32 ビットの 2 種類のアドレス空間で動作します。特別な章、節、注、リスト、図、表、例、またはコード例でない限り、このマニュアルの情報は両方のプラットフォームおよびアドレス空間に適用されます。
このマニュアルは、Solaris オペレーティング環境のインストールを担当するシステム管理者を対象としています。ここで説明する概念と手順を理解するには、1〜2 年以上の UNIX のシステム管理経験と、できればコンピュータサイエンスでの学位またはそれに相当する知識が必要です。
このマニュアルは、次の章から構成されています。
第 1 章「Solaris 8 のインストールについて」では、Solaris 8 をインストールする各種の方法の概要を示します。
第 2 章「ディスク容量の計画」では、ディスク容量を計画する方法を説明します。
第 3 章「Solaris 8 CD の構成」では、Solaris 8 CD の構成を示します。
第 4 章「システム構成情報の事前設定」では、インストールの構成情報の事前設定方法を説明します。
第 5 章「Solaris 8 対話式インストールプログラムの使用方法」では、Solaris 8 の対話式インストールプログラムを使用して、SPARC および IA ベースのシステムに Solaris をインストールしてアップグレードする方法を説明します。
第 6 章「カスタム JumpStart インストールの準備」では、カスタム JumpStart インストールを設定して準備する方法を説明します。
第 7 章「カスタム JumpStart オプション機能の使用」では、begin および finish スクリプトを作成する方法と、他の任意のカスタム JumpStart 機能を利用する方法を説明します。
第 8 章「カスタムルールおよびプローブキーワードの作成方法」では、独自のカスタムルールと検証キーワードを作成するための情報と手順を示します。
第 9 章「ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールする準備」では、ネットワーク上で Solaris ソフトウェアのインストールを準備する方法を説明します。
第 10 章「カスタム JumpStart インストールの実行」では、カスタム JumpStart インストールを実行する方法を説明します。
第 11 章「カスタム JumpStart による Solaris ソフトウェアの設定とインストール例」では、カスタム JumpStart を設定して使用して、SPARC および IA ベースのシステムに Solaris ソフトウェアをインストールする方法の例を示します。
第 12 章「問題発生時の解決方法」では、インストール時に検出される問題を解決する方法を示します。
付録 A 「プラットフォーム名とグループ」 には、Solaris ソフトウェアのインストール先システムを準備するときに必要な、各種のハードウェアプラットフォームのプラットフォーム名とグループを示します。
付録 B 「言語とロケールの値」 には、プロファイルに locale キーワードを設定するために必要な値を示します。この値により、システムへの Solaris のインストール方法を定義します。
用語集では、このマニュアルで使用する用語について説明します。
表 P-1 に、Solaris ソフトウェアをインストールする際に参考となる関連情報の一覧を示します。
表 P-1 関連情報
プラットフォーム |
関連マニュアル |
説明 |
---|---|---|
SPARC/IA |
システムファイルのバックアップ方法が解説されています。 |
|
SPARC |
Solaris をデスクトップシステムにインストールする手順を説明します。 |
|
|
『Solaris 8 ご使用にあたって (SPARC 版)』 |
Solaris リリースに関する、バグ、既知の問題、サポートが中止されたソフトウェア、パッチなどが解説されています。 |
『Solaris 8 Sun ハードウェアマニュアル』 |
サポートされるハードウェア情報を記載します。 |
|
Solaris をインストールする前に Solaris 1.x (SunOSTM 4.x) ファイルをバックアップする方法や、Solaris をインストールした後にファイルを復元する方法などを含む移行作業について説明します。 |
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IA |
デバイスの構成情報を記載します。 |
|
サポートされるハードウェア情報を記載します。 |
||
Solaris をデスクトップシステムにインストールする手順を説明します。 |
||
|
『Solaris 8 ご使用にあたって (Intel 版)』 |
Solaris リリースに関する、バグ、既知の問題、サポートが中止されたソフトウェア、パッチなどが解説されています。 |
専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。
http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-2 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルで画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。