SunVTS 4.1 ユーザーマニュアル

第 1 章 SunVTS の概要

この章は、以下の節から構成されています。

SunVTS について

SunVTSTM は、サンのプラットフォーム上で動作する大部分のハードウェアコントローラおよびデバイスの接続状態と動作に問題がないかどうかを検査します。


注 -

SunVTS は、SPARC プラットフォーム上でのみ動作します。


変更可能なテストインスタンス数と Processor Affinity 機能により、デスクトップからサーバーまでのいろいろなマシン上で動作させることができます。

SunVTS は、32 ビットまたは 64 ビットのいずれの SolarisTM オペレーティング環境でもデバイスのテストを行うことができます。SunVTS は、オペレーティング環境 (32 ビットまたは 64 ビット) を自動的に判断し、その環境に合わせて適切なテストを行います。

開発、製造、受け入れ検査、障害追跡、定期的な保守、システムやサブシステムの負荷テストといった検査に SunVTS を使用することができます。

SunVTS には、テストの設定や状態の監視を行うことができる、グラフィカルなユーザーインタフェース (UI) があります。このユーザーインタフェースには、ネットワーク上の別システム上の SunVTS テスト状況を表示することができます。また、グラフィカル UI を使用することができない環境用に TTY モードのインタフェースも用意されています。

SunVTS の機能

SunVTS テストの分類

SunVTS は、広範囲なサン製品や周辺機器を評価する多数のテストから構成されています。

SunVTS のテストは、大きく分けて以下のように分類されます。

SunVTS が最大限の効果を発揮できるように、正しいテストモードとオプションを選択する必要があります。このマニュアルでは、SunVTS のすべてのテストモードとオプションを説明しています。個々のテストの設定について詳細は、『SunVTS 4.1 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。

SunVTS ユーザーインタフェース

SunVTS は、以下のユーザーインタフェースから実行することができます。

図 1-1 CDE SunVTS Diagnostic ウィンドウ

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SunVTS のテストモード

SunVTS のテストセッションは、SunVTS の構成に応じて以下のいずれかのテストモードで動作します。

セキュリティー

SunVTS には、以下の 2 つのセキュリティー機構があり、SunVTS をインスールする際に選択することができます。

SunVTS をインストールするときには、使用するセキュリティー機構を指定するよう求められます。上記のセキュリティーのうちいずれかを選択してください。インストールの際に表示されるすべての質問に対してリターンキーのみで答えた場合は、デフォルトの SEAM セキュリティーに設定されます。

SunVTS のアーキテクチャー

SunVTS のアーキテクチャーは、SunVTS カーネル、ユーザーインタフェース、ハードウェアテストの 3 つの部分に分かれています。図 1-2 は、SunVTS のアーキテクチャーを表しています。

図 1-2 SunVTS アーキテクチャー

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SunVTS カーネル

SunVTS カーネルの主な機能は以下のとおりです。

SunVTS カーネルには、以下の 2 つのバージョンがあります。

SunVTS ユーザーインタフェース

SunVTS ユーザーインタフェースは、SunVTS カーネルとは異なるプロセスです。アプリケーションプログラミングインタフェース (API) を介して SunVTS カーネルと通信します。これにより、SunVTS は、システムの環境に基づいて適切なインタフェース (CDE、OPEN LOOK、TTY) を実行することができ、ユーザーインタフェースは、テスト中のシステム以外のシステムで動作することができます。

SunVTS のハードウェアテスト

SunVTS アプリケーションには、多くのテストがまとめられています。各テストは、SunVTS カーネルからは独立したプロセスとして動作します。

SunVTS を起動すると、SunVTS カーネルが自動的にシステムカーネルを調査し、接続されているハードウェアデバイスを特定し、テスト可能なデバイスが SunVTS ユーザーインタフェースに表示されます。これにより、ハードウェア構成をすばやく確認することができます。対象とするシステムで可能なテストだけが表示されます。

テスト中、すべての SunVTS ハードウェアテストは、プロセス間通信 (IPC) プロトコルを使用してテスト状態とメッセージを SunVTS カーネルに送信します。カーネルは、その状態をユーザーインタフェースに渡し、メッセージを記録します。

SunVTS 3.0 以降では、SunVTS カーネルと大部分のテストは、32 ビットおよび 64 ビットオペレーティング環境の両方をサポートしています。