Solaris 8 ソフトウェアのインストールを始める前に知っておく必要がある注意事項について説明します。
Solaris 8 では、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、一部のロケールは、選択するソフトウェアグループ (ソフトウェアクラスタ) によって、インストールするロケールを決定していました。Solaris 8 では、新しいインストールインタフェースが導入され、地域を選択することによって必要なロケールを決定します。このため Solaris 8 では、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 よりも柔軟にオペレーティングシステムのインストール時にシステム構成をカスタマイズすることができます。
初期インストールの場合、インストールするロケールは「地域の選択」画面で選択してください。ただし、C ロケール (POSIX ロケール) と en_US.UTF-8 ロケール (Unicode ロケール) は、自動的にインストールされます。
従来のリリースからのアップグレードインストールの場合、「地域の選択」画面でいくつかのロケール (アップグレードするシステムによって使用できるロケールは異なる) が自動的に選択されています。これは、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、スウェーデン語の一部のロケールがシステム上に暗黙のうちにインストールされていたためです。
Unicode ロケール (UTF-8) では、複数言語の文字を入力することができます。Unicode ロケールは、アジア言語の各ロケールで提供される入力方式を利用しているので、アジア言語の文字を入力するには、その言語に対応するロケールをインストールする必要があります。たとえば、韓国語の文字入力を可能にするには、ko.UTF-8 ロケールをインストールしてください。
AMD Athlon プロセッサ搭載機種を Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクからブートすると、次のようなエラーメッセージが出力され、ブートに失敗します。
prom_panic: Could not mount filesystem. Entering boot debugger: [12ff05]: |
回避方法: Solaris 8 10/00 INSTALLATION (Multilingual) CD (Intel 版)、あるいは Solaris 8 10/00 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel 版) からブートしてください。
以下に示すコントローラのいずれかを使用するディスク上に 8G バイトを超えるパーティションを作成すると、インストールされたシステムが正常に動作しません。
Solaris オペレーティング環境のインストールプログラムは、ドライバが 8G バイトを超えるパーティションをサポートしないことを検知できません。したがって、エラーを表示せずにインストールを続けますが、システムをリブートしようとするとリブートは失敗します。
システムをリブートできたとしても、ブートデバイスや追加されたパッケージに関連する他の変更が原因となって、後で異常終了します。これらのドライバに関連するディスクコントローラは、次のとおりです。
Symbios 53C896 ベースのコントローラ (symhisl)
AMI MegaRAID コントローラ (mega)
Compaq 53C8xx ベースの SCSI コントローラ (cpqncr)
回避方法 : symhisl、mega、cpqncr などのドライバによって稼動するディスクコントローラを持つシステムに、ディスクの最初の 8G バイトを超える大きなパーティションをインストールしないでください。
Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズの大きいパーティションをインストールするための新しい機能が追加されています。DPT PM2144UW コントローラの BIOS は、LBA (論理ブロックアドレス指定, Logical Block Addressing) をサポートしていなければなりません。最新の BIOS は、LBA アクセスを完全にサポートしています。問題が発生した場合は、ほかの DPT コントローラモデルにも影響します。
回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、 DPT PM2144UW コントローラの BIOS が最新のバージョンであることを確認してください。
システムに DPT コントローラがインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。
次のコマンドを実行します。
prtconf -D
名前 dpt が表示されたら、カードの構成ユーティリティを起動して、機種や BIOS のバージョンに関する情報を取得します。
BIOS をフラッシュするか、最新の BIOS EPROM をインストールして、DPT PM2144UW コントローラをアップグレードします。すべての DPT コントローラの最新の BIOS イメージについては、http://www.dpt.com を参照してください。
これで、システムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードできます。
Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。この問題は他の HP Vectra システムにも影響します。
このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。
回避方法 : HP Vectra XU シリーズシステムを最新の BIOS バージョン GG.06.13 で、Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードしないでください。Solaris 8 オペレーティング環境では、これらのシステムはサポートされていません。
ブートパスはハードディスクコードを使用しないため、ブートフロッピーディスクまたはブート CD でシステムをブートすることができます。、ブート可能デバイスとしてネットワークまたは CD-ROM ドライブの代わりに、ハードディスクを選択してください。
デフォルトでは、Solaris ata デバイスドライバは、ATA/ATAPI デバイスに対して DMA (Direct Memory Access) 機能を無効にします。Solaris 8 オペレーティング環境は、DMA 機能が無効になっている状態で正しく動作します。
パフォーマンスを向上させるために DMA 機能を有効にする方法については、「PCI-IDE システム上で DMA が無効になる」を参照してください。