SunVTS 4.2 テストリファレンスマニュアル

第 21 章 環境テスト (env4test)

env4test では、Sun Ct800 システム上の I2C バスをテストして、妥当性検査を行います。

env4test は 19 のサブテストで構成され、それぞれが以下に示す状態のテストと通知を行います。

env4test はスケーラブルテストではありません。

env4test のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、用意されたグループを展開する必要があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.2 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 21-1 env4test のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 21-1 env4test のオプション

オプション 

説明 

LEDS ON Continuity test 

PDU (Protocol Data Unit) LED を除く、システム表示パネル内のすべての LED をアサートします。このテストは、自動的に内部のアドレスポインタを進めながら、システム制御ボード (SCB) がシーケンシャル書き込みを実行する機能を検査します。 

Slot LEDS test 

すべての入出力スロット LED を繰返し点滅させます。 

Disk LEDS test 

すべてのディスク LED を繰返し点滅させます。 

Power Supply LEDS test 

すべての電源 LED を繰返し点滅させます。 

Fan LEDS test 

すべてのファン LED を繰返し点滅させます。 

SCB LEDS test 

すべてのシステム制御ボード LED を繰返し点滅させます。 

FTM LEDS test 

すべての前面切り替えモジュール LED を繰返し点滅させます。 

Green LED Blink test 

緑 LED を点滅させるハードウェア機能をテストします。 

Register R/W test 

割込みレジスタおよび LED レジスタ (読み取り・ 書き込み) を stuck-at-1、stuck-at-0、クロストーク障害の各カテゴリに切り分けるため、パターンによる書き込みテストを実行します。テスト実行時間は、短いものから順に 3N マーチ、5N マーチ、クロストークとなります。 

FRU Presence test 

FRU 存在信号を読み取り、表示します。 

Health test 

入出力スロット健全性信号を読み取り、表示します。 

Reset test 

入出力スロットを順次リセットします。 

Power Supply test 

冗長電源付きシステムの遠隔電源オン・オフ信号をテストします。このテストは 2 台の電源装置が単一ドロアに装着されている場合のみ有効です。 

Fan test 

ファン速度の切替機能をテストします。 

Poll interval 

poll_interval 秒ごとに、すべてのシステム環境統計を表示します。 

Temperature Status test 

現在の CPU 温度とシステムの環境温度を識別し、それらの温度が正常な動作パラメタ値の範囲内であることを検証します。このテストは、すべてのモードで有効です。 

Power Supply Status test 

SCBの存在信号 (Presence signal) のアサートを検出し、I2C バスを介して電源状態レジスタを読み取ります。コンソールに符号化されたビット状態が表示されます。 

Fan Status test 

SCB の存在信号のアサートを検出し、I2C バスを介してファン状態レジスタを読み取ります。コンソールに符号化されたビット状態が表示されます。 

All Tests 

すべてのテストを順次実行します。 

env4test のテストモード

env4test は、接続テスト (Connection test) と機能テスト (Function test) の両方のモードをサポートしています。

表 21-2 env4test のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

○ 

システム内部の電源、温度センサーの状態を通知し、通常の動作パラメタ値を検証します。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

ディスクの背面パネル、正面パネル LED、ファン制御回路をテストします。また、オンラインおよび接続テストモードと同じテストも実行します。 

機能テスト 

(オンライン) 

○ 

接続テストモードと同じ内容のテストを実行します (上記の説明を参照してください)。 

env4test のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/env4test [標準引数] -o dev=デバイス名, ContinuityTest=E(nable)|D(isable),SlotLedsTest=E|D,DiskLedsTest=E|D, PsupplyLedsTest=E|D,FanLedsTest=E|D,ScbLedsTest=E|D, FtmLedsTest=E|D,GreenLedsBlinkTest=E|D,RegTest=3N|5N|Cross_Talk, FRUPresenceTest=E|D,HealthTest=E|D,ResetTest=E|D, PowerSupplyTest=E|D,FanTest=E|D,env_mon=ポーリング間隔, TempStatus=E|D, PsupplyStatus=E|D,FanStatus=E|D, AllTests=E|D

表 21-3 env4test のコマンド行構文

引数 

説明 

dev=raw_デバイス名

テストする raw デバイス名を指定します。 

ContinuityTest=Enable|Disable

PDU 以外のすべての LED をオンに設定します。 

SlotLedsTest=Enable|Disable

スロット LED のフラッシュテストを有効または無効にします。 

DiskLedsTest=Enable|Disable

ディスク LED のフラッシュテストを有効または無効にします。 

PsupplyLedsTest= Enable|Disable

電源 LED のフラッシュテストを有効または無効にします。 

FanLedsTest=Enable|Disable

ファン LED のフラッシュテストを有効または無効にします。 

ScbLedsTest=Enable|Disable

scb LED のフラッシュテストを有効または無効にします。 

FtmLedsTest=Enable|Disable

ftm LED のフラッシュテストを有効または無効にします。 

GreenLedsBlinkTest= Enable|Disable

緑 LED のハードウェア点滅テストを有効または無効にします。 

RegTest=3N|5N|Cross_Talk

3N、5N、またはクロストークレジスタテストを有効または無効にします。 

FRUPresenceTest= Enable|Disable

FRU 存在テストを有効または無効にします。 

HealthTest= Enable|Disable

健全性テストを有効または無効にします。 

ResetTest= Enable|Disable

リセットテストを有効または無効にします。 

PowerSupplyTest= Enable|Disable

電源装置遠隔オン / オフテストを有効または無効にします。 

FanTest=Enable|Disable

ファン速度切替テストを有効または無効にします。 

env_mon=ポーリング間隔

poll_interval 秒ごとに、すべてのシステム環境統計を表示します (表示のみ。テストは行わない)。

TempStatus=Enable|Disable

CPU 温度の表示を有効または無効にします。 

PsupplyStatus=Enable|Disable

電源状態の表示を有効または無効にします。 

FanStatus=Enable|Disable

ファン状態の表示を有効または無効にします。 

AllTests=Enable|Disable

すべてのテストを順次実行します。 


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/ テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。