tapetest の同期入出力テストは、指定された数のブロック (SCSI テープドライブの場合はテープの最後) にパターンを書き込んでからテープを巻き戻し、書き込んだデータを読み取って照合します。tapetest の非同期入出力テストは、最高 5 つの一連の非同期読み取り・書き込み要求をテープドライブに発行してテープに書き込みを行い、データを読み取って照合します。tapetest のファイルテストは、テープに 4 つのファイルを書き込んで同じファイルを読み取り、データを照合します。テープライブラリのテストでは、ライブラリ内のすべてのテープをテストし終えた後にのみ、パスカウントが増分されます。
システムにテープドライブがある場合は、SunVTS エクササイザを起動する前に、未使用の書き込み可能なテープ (スクラッチテープ) を読み込みます。読み込まれていない場合は、tapetest のオプションメニューに drive type:unknown と表示されます。
ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.2 ユーザーマニュアル』を参照してください。
tapetest は、4 mm、8 mm、DLT、1/4 インチカートリッジ、フロントロード 1/2 インチテープドライブのテストをサポートしています。選択できるテストオプションは、テープデバイスごとに異なります。一部のデバイスのオプションダイアログボックスの例を図 57-1 に示します。
非同期入出力サブテストは、Solaris テープドライバの非同期読み取り・書き込み機能を使用して、テープドライブをテストします。読み取り専用モードでは、それぞれにランダムなサイズとオフセットを持つ非同期読み取りパケットを、最高 4 つテープドライブに送信し、それに関連する入出力処理がすべて完了するのを待ってから、次回分のパケットの送信に進みます。このプロセスは、テストする領域全体のテストが終えるまで繰り返されます。読み取り・書き込みモードでは、読み取りパケットを 4 つ発行するたびに書き込みパケットを 1 つ発行し、書き込みのスポット検査が行われるようにします。このときテストが正しく行われるよう、テープのテスト対象部分にまず書き込みが行われます。このテストは、Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8 オペレーティング環境、およびそれらの互換リリースでのみ実行することができます。
このテストは、無効にしてから停止するまでに時間がかかることがあります。
デフォルト以外のオプションを選択すると、実行時間が増加します。
図 57-1 は、4 mm テープドライブのオプションメニューを示しています。
1/4 インチ 、1/2 インチ、DLT、8 mm テープドライブ用のオプションダイアログボックスは、図 57-1 とは異なります。
tapetest は、3 つのテストモードをすべてサポートしています。テープデバイスに対しては、選択されたモードに従って、異なるテスト方法が使用されます。
表 57-2 tapetest のテストモード
テストモード |
サポート |
説明 |
---|---|---|
接続テスト |
○ |
ドライブを開くことができるかどうか、また、ドライブの種類を判定することができるかどうかを調べます。両方の検査に成功するか、ドライブがビジーの場合は、テストは成功です。ビジー以外の何らかの理由でドライブを開くことができない場合は、テストは失敗になります。 |
機能テスト (オフライン) |
○ |
デバイスの状態を調べてテープを巻き戻し、データを消去してテープの巻き具合いを均等にします。デバイスがカートリッジテープの場合は、nblk または eot (デフォルト) にパターンを書き込んでテープを巻き戻し、読み取りを行ってパターンの比較を行います。 |
機能テスト (オンライン) |
○ |
デバイスを開いて、そのデバイスから数ブロックを読み取ります。読み取りに成功すれば、テストは成功です。デバイスがビジー、またはドライブにテープカートリッジが存在しなかった場合は、テストは実行できず失敗となります。 |
/opt/SUNWvts/bin/tapetest 標準引数 -o dev=デバイス名,s=ブロック数, d=密度,m=モード,l=長さ,method=method,ft=enables|disables,ret=enables|disables, dat=DATの種類,8mm=8mm の種類,num=マガジンサイズ,blocksize=ブロックサイズ
表 57-3 tapetest のコマンド行構文
引数 |
説明 |
---|---|
dev=デバイス名 |
テストするテープドライブのデバイス名を指定します (必須)。 |
s=ブロック数 |
テストするブロック数を指定します。 |
d=密度 |
使用するテープの記録密度を指定します。 |
m=モード |
write_read または read_only のテストを有効にします。 |
l=長さ |
テストする長さを指定します。EOT、Specified、Long、Short のうちの 1 つを指定します。 |
method=方法 |
操作のテスト方法として、SyncI/O または AsyncI/O を指定します。 |
ft=enables/disables |
ファイルテストを有効または無効にします。 |
ret=enables/disables |
テープの巻き具合いの均等化を、有効または無効にします。 |
dat=DAT 種類 |
DAT (デジタルオーディオテープ) ドライブをテストする場合は、DAT (通常の DAT ドライブ) または DAT_Stacker (DAT スタッカ) を指定します。 |
8mm=8mm 種類 |
8 mm テープドライブをテストする場合は、8 mm (通常の 8 mm テープ)、または 8mm_Library (8 mm テープライブラリ) を指定します。 |
num=マガジンサイズ |
テープライブラリをテストする場合は、マガジンサイズを指定します。 |
blocksize=ブロックサイズ |
このオプションは Tandberg QIC テープドライブでのみ使用できます。使用する転送サイズ (512 バイトまたは 64 K バイト)を指定します。ドライブで旧式のテープ媒体を使用する場合は、512 バイトを選択します。 |
64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。