Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

特別な構造

Solaris のチューニング変数にはいろいろな形式があります。tune_t_gpgslotune_t_fsflushrtune_t_minarmemtune_t_minasmemtune_t_flckrec の実行時の状態は、/usr/include/sys/tuneable.h に定義された tune 構造体で表わされます。カーネルが初期設定された後は、これらの変数の値は、この tune 構造体の対応フィールドに入ります。

以前のバージョンの『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』を始め、さまざまなマニュアルには、tune 構造体の変数に値を設定する適切な方法として tune:field-name (field-name には前述の実際の変数名を指定する) という構文が指定されていました。しかし、この設定は何のメッセージもなく失敗します。ブート時にこの構造体に変数を設定するには、必要なフィールド名に対応する特別な変数を初期設定する必要があります。そうすれば、これらの値がシステム初期設定プロセスで tune 構造体にロードされます。

複数のチューニングパラメータが置かれるもう 1 つの構造体に、v という名前の var 構造体があります。var 構造体の定義は /usr/include/sys/var.h にあります。autoupbufhwm などの変数の実行時の状態はここに格納されます。

システムが動作中に tune 構造体や v 構造体を変更しないでください。システムの動作中にこれらの構造体のフィールドを変更すると、システムがパニックになることがあります。