仮想端末 (pty) は、Solaris において主に 2 つの目的で使用されます。
telnet、rlogin、または rsh コマンドを使用したリモートログインをサポートする。
X ウィンドウシステムがコマンドインタープリタウィンドウを作成するときに使用するインタフェースを提供する。
デスクトップワークステーション用の仮想端末の数はデフォルトで十分なため、チューニングの対象はリモートログイン用の pty の数になります。
Solaris の以前のバージョンでは、pty の数を明示的にシステムに構成する手順を行う必要がありました。しかし、Solaris 8 リリースからは、新しい機構により、ほとんどの場合、このチューニングを行う必要はありません。pty 数のデフォルト値はシステムのメモリー量に基づいて計算されるようになったので、デフォルト値を増やしたり、減らしたりする必要があるのは、このデフォルト値を変更する場合だけです。
構成処理では、次の 3 つの関連する変数が使用されます。
pt_cnt - pty 数のデフォルトの最大値
pt_pctofmem - pty サポート構造体専用に使用できるカーネルメモリーの割合 (%)
pt_max_pty - pty 数の「強い」制限の最大値
pt_cnt のデフォルト値はゼロで、pt_max_pty が設定されていない限り、システムは pct_pctofmem に指定されたメモリー量に基づいてログインを制限します。pt_cnt がゼロでない場合は、この制限内で pty が割り当てられます。この制限に達すると、システムは pt_max_pty を参照します。pt_max_pty がゼロでなければ、pt_cnt と比較され、pt_cnt が pt_max_pty より小さければ、pty 割り当てが認められます。pt_max_pty がゼロの場合は、pt_cnt が、pt_pctofmem に基づいてサポートされる pty の数と比較されます。pt_cnt がこの数より小さければ、pty 割り当てが認められます。pt_pctofmem に基づいた制限値が有効となるのは、pt_cnt と ptms_ptymax のデフォルト値が両方ともゼロの場合だけであることに留意してください。
pty の「強い」制限値を、pt_pctofmem から計算される最大値と異なるものにするには、/etc/system の pt_cnt と ptms_ptymax に希望する pty 数を設定します。この場合、ptms_pctofmem の設定は関連しません。
システムメモリーの特定の割合を pty サポートのためだけに割り当て、明示的な限度の管理をオペレーティングシステムに任せる場合は、次のようにします。
/etc/system の pt_cnt と ptms_ptymax を設定しない。
/etc/system の pt_pctofmem に希望する割合 (%) を設定する。たとえば、10% を割り当てる場合、pt_pctofmem=10。
このメモリーは、pty のサポートに使用されるまで実際に割り当てられません。しかし、メモリーがいったん割り当てられると、解放されません。
利用できる /dev/pts エントリの数は、システムで使用可能な物理メモリー量によって決まる上限までの間で動的に決められます。pt_cnt は、システムがサポートできるログイン数の最小値を決める 3 つの変数のうちの 1 つです。システムがサポートできる /dev/pts デバイスのデフォルトの最大数は、ブート時に、指定されたシステムメモリーの割合 (次の pt_pctofmem を参照) に適合する pty 構造体の数を計算することによって決められます。pt_cnt がゼロの場合、システムはこの最大数まで割り当てます。pt_cnt がゼロでない場合は、システムは pt_cnt かデフォルトの最大数のうち大きい方まで割り当てます。
符号なし整数
0
0 から maxpid
ログイン / ウィンドウ
いいえ
なし
システムにリモートからログインできるユーザーの数を明示的にコントロールしたい場合
変更の可能性あり
詳細は、「pt_cnt (Solaris 7 リリースおよびそれより前のリリース)」を参照してください。
/dev/pts エントリをサポートするためにデータ構造体が消費できる物理メモリーの最大の割合 (%)。64 ビットカーネルのシステムでは /dev/pts エントリ当たり 176 バイト、32 ビットカーネルのシステムでは /dev/pts エントリ当たり 112 バイトを消費します。
符号なし整数
5
0 から 100
%
いいえ
なし
システムにログインできるユーザーの数を制限するか増やしたい場合。ゼロを指定すると、リモートユーザーがシステムにログインすることはできません。
変更の可能性あり