Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

nfssrv:rfs_write_async

説明

NFS バージョン 2 サーバーが WRITE 要求をどのように処理するかを制御します。NFS バージョン 2 プロトコルでは、WRITE 要求に関連するすべての変更済みデータとメタデータが安定したストレージに格納されていないと、サーバーはクライアントに応答できません。NFS バージョン 2 の WRITE 要求は、データは 8192 バイトに制限されます。したがって、各 WRITE 要求によって、複数の小さい書き込みがストレージサブシステムに対して行われることがあります。これは、パフォーマンス低下の原因になります。

NFS バージョン 2 の WRITE を高速化する 1 つの方法は、クライアントの動作を利用することです。クライアントは、複数の WRITE 要求をバッチで (一括して) 送信する傾向があります。サーバーでは、この動作を利用して複数の WRITE 要求を 1 つの要求にクラスタ化し、ファイルシステムに出すことができます。こうして、要求の数を少なくし、要求のサイズを大きくして、データをストレージサブシステムに書き込むことができます。これにより、WRITE 要求のスループットが大幅に向上することがあります。

データ型

整数 (32 ビット)

デフォルト

1 (クラスタ化を有効にする)

範囲

0 (クラスタ化を有効にする)、1 (クラスタ化を無効にする)

単位

ブール値

動的か

はい

検査

なし

どのような場合に変更するか

特に PC クライアントなど、非常に小さい NFS クライアントのなかには、複数の WRITE 要求をバッチ化しないものがあります。この場合には、クライアント側から要求される動作が存在しないため、NFS バージョン 2 サーバーで要求をクラスタ化しても、オーバーヘッドが増えるだけで、パフォーマンスがかえって低下することがあります。

安定性レベル

発展中