Solaris 8 のインストール (追補)

第 2 章 Solaris 8 Update リリースのインストール

この章では、Solaris 8 Update リリースのインストールに関する追加情報を記載します。完全なインストール手順の詳細は、『Solaris 8 インストールガイド (SPARC 版)』、『Solaris 8 インストールガイド (Intel 版)』、または『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。

IA: Solaris Web Start 3.0 を使用してインストールする場合は LBA が必要

Solaris 8 のリリースの INSTALLATION CD に含まれている Solaris 8 Web Start 3.0 を使用してインストールまたはアップグレードを行う場合は、デフォルトブートディスクの BIOS および SCSI ドライバが LBA (Logical Block Addressing) をサポートしている必要があります。LBA により、1024 シリンダの制限を越えるマシンのブートが可能になります。

デフォルトブートディスクの BIOS および SCSI ドライバが LBA をサポートしていない場合は、Solaris 8 のリリースの SOFTWARE 1 of 2 CD を使用して Solaris 8 オペレーティング環境をインストールまたはアップグレードしてください。

システム識別中の LDAP 構成

Solaris 8 1/01 ソフトウェアリリースでシステム識別ユーティリティが更新されました。

Solaris 8 1/01 より前のソフトウェアリリースでは、システム識別ユーティリティはシステムを NIS (Network Information Service) クライアント、NIS+ クライアント、または DNS (Domain Name Service) クライアントとしてのみ構成可能でした。Solaris 8 1/01 リリースからは、システムを LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) クライアントとしても構成できるようになりました。システムを LDAP クライアントとして構成するには、インタラクティブに指定するかあるいは sysidcfg ファイルを使用します。現在のところ、add_install_client コマンドで LDAP を指定することはできません。

システム識別ユーティリティは、さまざまなソースからのデータを使用して自動的に構成情報を決定しようと試みます。まず最初に sysidcfg ファイルをチェックします。sysidcfg ファイルで必要な情報が見つからなかった場合、システム識別ユーティリティは自動的にネットワークを使用してデータを検出しようとします。ネームサービス構成では、sysidcfg ファイルにネームサービスのタイプと構成情報が指定されていない場合、システム識別ユーティリティは自動的にネームサービスの検知を試みます。まず最初に NIS+ サーバーを自動的に検知しようとします。NIS+ サーバーが見つからなかった場合は、NIS をチェックします。NIS サーバーが見つからなかった場合は、構成情報をインタラクティブ形式で質問します。現在のところ、システム識別ユーティリティは LDAP や DNS サーバーを自動的に検知することはできません。

sysidcfg ファイルによる事前設定

この節は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「sysidcfg ファイルによる事前設定」の情報を補足するものです。

sysidcfg ファイルには、ユーザーが事前設定したい情報を示す一連のキーワードを指定することによって、システム識別情報を設定します。name_service キーワードが拡張され、LDAP を利用可能なネームサービスとして指定することが可能になりました。この拡張されたキーワードについては、表 2-1 に記述されています。

表 2-1 name_service キーワード

構成情報 

プラットフォーム 

キーワード 

設定値または使用例の書かれている場所 

ネームサービス、ドメイン名、ネームサーバー 

SPARC / IA 

name_service=NIS, NIS+, DNS, LDAP, NONE

 
  

NIS と NIS+ 用オプション: {domain_name=domain_name name_server=hostname(ip_address)}

name_service=NIS {domain_name=west.arp.com name_server=timber(129.221.2.1)}

name_service=NIS+ {domain_name=west.arp.com name_server=timber(129.221.2.1)}

  

DNS 用オプション: {domain_name=domain_name name_server=ip_address,ip_address, ip_address (最大 3 個) search=domain_name,domain_name,domain_name,domain_name,domain_name, domain_name (最大 6 個、合計の長さが 250 文字以下)}

name_service=DNS {domain_name=west.arp.com name_server=10.0.1.10,10.0.1.20 search=arp.com,east.arp.com}


注 -

name_service は 1 つの値だけを選択します。必要に応じて、domain_namename_server キーワードのどちらか 1 つまたは両方を設定するか、あるいはどちらも設定しません。どちらのキーワードも使用しない場合、括弧 { } は省略します。


  

LDAP 用オプション: {domain_name=domain_name profile=profile_name profile_server=ip_address}

name_service=LDAP {domain_name=west.arp.com profile=default profile_server=129.221.2.1}

Solaris Web Start 3.0 インストールでのパッケージ選択

この節は、『Solaris 8 インストールガイド (SPARC 版)』および 『Solaris 8 インストールガイド (Intel 版)』の情報を補足するものです。

Solaris 8 1/01 リリースで Solaris Web Start 3.0 のインストール方法が更新され、インストール中またはアップグレード中に「カスタムパッケージの選択」を使用してパッケージを追加または削除できるようになりました。

Solaris 8 オペレーティング環境の以前のリリースでは、Solaris Web Start 3.0 を使用してインストールまたはアップグレードを行う場合、選択した Solaris ソフトウェアグループをカスタマイズすることはできませんでした。Solaris 8 1/01 リリースの Solaris Web Start 3.0 では、ソフトウェアパッケージを追加または削除することによって、選択した Solaris ソフトウェアグループを変更することができます。追加または削除するパッケージを選択するには、ソフトウェアの依存関係および Solaris ソフトウェアのパッケージ構成を理解している必要があります。


注 -

通常は、「カスタムパッケージの選択」を使用してインストールするパッケージをカスタマイズする必要はありません。Solaris ソフトウェアグループのデフォルトパッケージをインストールしてください。