Solaris 8 のソフトウェア開発 (追補)

リンカーとライブラリ』の更新

このマニュアルは、Solaris 8 1/01 リリースおよび Solaris 8 10/00 リリースで更新されました。

表 6-1 『リンカーとライブラリ』の更新事項

リンカーとライブラリ』の Solaris 8 1/01 リリースでの更新事項

  • dladdr(3DL) から入手できるシンボリック情報が、dladdr1() の導入により拡張されました。

  • 動的オブジェクトの $ORIGINdlinfo(3DL) から入手できます。

  • crle(1) で作成された実行時構成ファイルの管理が、構成ファイルの作成に使用されたコマンドラインオプションの表示によって簡単になりました。また、拡張機能も利用できます (-u オプションを参照)。

  • 実行時リンカーおよびデバッガインタフェースが拡張され、プロシージャリンクテーブルエントリの解決を検出できるようになりました。この拡張は、新しいバージョンナンバーで識別することができます。「エージェント操作」の rd_init() を参照してください。この更新により rd_plt_info_t 構造体が機能拡張されます。「プロシージャのリンクテーブルのスキップ」の rd_plt_resolution() を参照してください。

  • 新しい mapfile セグメント記述子 STACK を使用してアプリケーションスタックを非実行可能ファイルに定義することができます。「セグメントの宣言」を参照してください。

リンカーとライブラリ』の Solaris 8 10/00 リリースでの更新事項

  • 実行時リンカーが環境変数 LD_BREADTH を無視します。「初期設定および終了ルーチン」の節を参照してください。

  • 実行時リンカーおよびそのデバッガインタフェースが拡張され、実行時分析とコアファイル分析の性能が向上しました。この更新は、新しいバージョン番号で識別されます。「エージェント操作」の節の rd_init() 関数を参照してください。この更新により、rd_loadobj_t 構造体の rl_flagsrl_bend、および rl_dynamic フィールドが拡張されました。「読み込み可能オブジェクトの走査」の節を参照してください。

  • ディスプレイスメント再配置されたデータがコピー再配置で使用されるか、使用される可能性があることを検査する機能が提供されるようになりました。「ディスプレイスメント再配置」の節を参照してください。

  • 64 ビットフィルタが、リンカーの -64 オプションを使用してマップファイルから単独で構築できるようになりました。「標準フィルタの生成」の節を参照してください。

  • $ORIGIN 動的文字列トークンの拡張がなぜセキュアアプリケーション内に限定されるのかの説明が追加されました。「セキュリティ」の節を参照してください。

  • 動的オブジェクトの依存関係の検索に使用される検索パスを、dlinfo(3DL) を使用して調べることができるようになりました。

  • dlsym(3DL)dlinfo(3DL) 検索の方法が新しいハンドル RTLD_SELF によって拡張されました。

  • 動的オブジェクトの再配置に使用される実行時シンボル検索メカニズムは、各動的オブジェクト内に直接結合情報を確立することによって、大幅に削減されるようになりました。「外部結合」と「直接結合」の節を参照してください。