この章では、Solaris WBEM Services の CIM Object Manager が生成する例外メッセージについて説明します。内容は次のとおりです。
CIM Object Manager が、すべてのクライアントで使用される例外メッセージを生成します。MOF コンパイラにより、.mof ファイルのどこでそのエラーが発生したかを示す行がそのあとに追加されます。クライアントアプリケーションは、これらの例外メッセージから、エンドユーザーにとって理解しやすいエラーメッセージを生成できます。
CIM クライアントは、XML クライアントか RMI クライアントとして使用されます。現在、XML はこれらの例外のサブセットだけをサポートします。XML クライアントを使用する場合は、例外メッセージに含まれるすべての情報を受信できるとは限らないことや、パラメータ情報が含まれていないことがあるので注意してください。
固有の識別子 - そのエラーメッセージをほかのエラーメッセージと区別するための文字列
1 つまたは複数のパラメータ - 例外メッセージに示される特定のクラス、メソッド、および修飾子の可変部分
MOF コンパイラは、たとえば次のような例外メッセージを返します。
REF_REQUIRED CIM_Docked |
REF_REQUIRED は固有の識別子
CIM_Docked はパラメータ。パラメータは、該当するクラス、プロパティ、メソッド、または修飾子の名前に置換される
この例外メッセージは、ユーザーにとって理解しやすい次のようなメッセージに変換できます。
REF_REQUIRED = 関連クラス CIM-Docked には 2 つ以上の参照が必要です。 Error in line 12. |
次の節では、CIM 例外について詳しく説明しています。これらの例外メッセージは、固有の識別子でアルファベット順に記述されています。各例外メッセージごとに、次の中から該当する情報を示します。
固有の識別子: ヘッダーとして表示される
説明: 例外メッセージ内に使用されているパラメータの説明
例: ユーザーに表示される例外やメッセージの例。通常は、MOF コンパイラや CIM Object Manager の出力
原因: その例外メッセージが生成された理由と、エラーメッセージの理解に役立つ背景 (参照) 情報を示す
解決方法: そのエラーを解決する方法が分かっている場合、その手順などが示される
この節では、MOF コンパイラ、CIM Object Manager、および WBEM クライアントアプリケーションが生成する CIM 例外について説明します。
ABSTRACT_INSTANCE |
ABSTRACT_INSTANCE の例外は 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータは abstract クラスの名前です。
ABSTRACT_INSTANCE = 抽象クラス ExampleClass はインスタンスを持つことはできません。
指定されたクラスにインスタンスを作成しようとしましたが、このクラスは abstract クラスです。abstract クラスは、インスタンスを持てません。
クライアントアプリケーションがそのようなインスタンスを作成することはできないので、プログラムで指定しているインスタンスを削除します。
CHECKSUM_ERROR |
CHECKSUM_ERROR 例外メッセージは、パラメータを使用しません。
CHECKSUM_ERROR = チェックサムが無効です。
メッセージは、壊れているため送信できませんでした。この損傷は、送信中に偶然に生じたか、あるいは第三者によって故意に壊された可能性があります。
メッセージを再送信します。
このエラーメッセージは、CIM Object Manager が無効なチェックサムを受け取る場合に表示されます。チェックサムは、ネットワーク上で転送されるデータパケットのビット数です。この数は、伝送が安全であり、かつ送信中にデータの破損や意図的な変更がなかったことを情報の送信側と受信側が確認するために使用されます。
送信前に、データに対してアルゴリズムが実行されます。この実行により生成されたチェックサムがデータに含まれ、データパケットのサイズを示します。メッセージを受信すると、受信側はチェックサムを再計算し、送信側のチェックサムと比較できます。チェックサムが一致すれば、送信は安全に行われ、データの破損や変更が起きなかったと言えます。
CIM_ERR_ACCESS_DENIED |
CIM_ERR_ACCESS_DENIED 例外メッセージは、パラメータを使用しません。
CIM_ERR_ACCESS_DENIED = 特権が不十分です。
この例外メッセージは、アクションを実行するための適切な特権がユーザーに無い場合に表示されます。
WBEM の管理者に、処理を行うための特権を要求します。
CIM_ERR_FAILED |
CIM_ERR_FAILED 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータは文字列 (エラー状態と推測される原因を説明したメッセージ) に置換されています。
CIM_ERR_FAILED= 未知の例外
CIM_ERR_FAILED 例外メッセージは、さまざまなエラー状況に対して表示される汎用のメッセージです。
CIM_ERR_FAILED は汎用のエラーメッセージであるため、このメッセージの原因となり得る状況は多数考えられます。解決方法は、エラー状況によって異なります。
CIM_ERR_INVALID_PARAMETER |
CIM_ERR_INVALID_PARAMETER 例外は、エラーを引き起こしたパラメータの詳しい情報を示す 1 つのパラメータを使用します。
CIM_ERR_INVALID_PARAMETER = Class System has no schema prefix.
操作が行われましたが、パラメータが無効でした。たとえばクラス名の前にスキーマ接頭辞のないクラスが作成された、などです。Common Information Model では、すべてのクラス名にスキーマ接頭辞を付ける必要があります。たとえば、CIM スキーマの一部として作成されるクラスには、接頭辞 CIM を付けます (例: CIM_Container)。Solaris スキーマの一部として作成されたクラスには、接頭辞 Solaris を付けます (例: Solaris_System) 。
正しいパラメータを指定してください。上の例の場合、正しいパラメータは、たとえば、CIM_Container です。接頭辞の無いクラスのインスタンスをすべて見つけ、接頭辞の付いた同じ名前に置き換えます。
CIM_ERR_INVALID_SUPERCLASS |
CIM_ERR_INVALID_SUPERCLASS は、次の 2 つのパラメータを使用します。
指定されたスーパークラスの名前
エラーを引き起こしたサブクラスの名前
例
CIM_ERR_INVALID_SUPERCLASS = クラス CIM_Container のスーパークラス CIM_Chassis が存在しません。
原因
特定のスーパークラスに属するクラスが指定されましたが、そのスーパークラスは存在しません。指定されたスーパークラスにスペルミスがあるか、あるいは意図したスーパークラス名の代わりに誤って存在しないスーパークラス名が指定されたことが考えられます。また、そのスーパークラスとサブクラスに変更があった可能性もあります。たとえば、指定されたスーパークラスは、実際は指定されたクラスのサブクラスであるかもしれません。前の例では、CIM_Container のスーパークラスとして CIM_Chassis が指定されていますが、これは逆で、CIM_Chassis は CIM_Container のサブクラスです。
解決方法
スーパークラスのスペルと名前が正しいか確認し、ネームスペース内にそのスーパークラスが存在することを確認します。
CLASS_REFERENCE |
CLASS_REFERENCE 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
参照関係を定義されたクラスの名前
参照プロパティの名前
例
CLASS_REFERENCE = クラス SolarisExample1 は参照 SolarisExample2 を持つ関連として宣言する必要があります。
原因
クラスの定義に参照プロパティが使用されています。しかし、そのクラスは関連ではありません。クラスが参照をプロパティとして持つことを定義できるのは、別のクラスとの関連がある場合だけです。
解決方法
-association 修飾子を使ってクラスを関連として宣言します。
INVALID_CREDENTIAL |
INVALID_CREDENTIAL 例外メッセージは、パラメータを使用しません。
INVALID_CREDENTIAL = 資格が無効です。
この例外メッセージは、無効なパスワードが入力された場合に表示されます。
コマンドを再入力し、正しいパスワードを入力してください。
INVALID_QUALIFIER_NAME |
INVALID_QUALIFIER_NAME 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータは空の修飾子名を表す MOF (Managed Object Format) の表記に置換されています。
INVALID_QUALIFIER_NAME = 修飾子名 " " が無効です。
プロパティの修飾子が作成されましたが、修飾子の名前が指定されませんでした。
修飾子の定義文に修飾子の名前を含めます。
KEY_OVERRIDE |
KEY_OVERRIDE 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
オーバーライドするプロパティ
オーバーライドされるプロパティ
例
KEY_OVERRIDE = 非キー SolarisCard がキー SolarisLock をオーバーライドすることはできません。
原因
クライアントは、非キープロパティがキープロパティをオーバーライドするクラスを定義しています。CIM では、すべての非 abstract クラスは 1 つ以上のキープロパティを必要とし、非キーのクラスはキーを持つクラスをオーバーライドできません。
解決方法
CIM 仕様に指定されているように、この操作はできません。
KEY_REQUIRED |
KEY_REQUIRED 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータはキーを必要とするクラスの名前です。
KEY_REQUIRED = 非抽象クラス ClassName には少なくとも 1 つのキーが必要です。
非 abstract であるクラスにキー修飾子が指定されませんでした。CIM では、非 abstract (= concrete) クラスはすべて、1 つ以上の修飾子を必要とします。
クラスにキー修飾子を作成します。
METHOD_OVERRIDDEN |
METHOD_OVERRIDDEN コマンドは、次の 3 つのパラメータを使用します。
オーバーライドするメソッドの名前
オーバーライドされるメソッドの名前
2 つめのパラメータをすでにオーバーライドしているメソッドの名前
例
METHOD_OVERRIDDEN = Start() によってすでにオーバーライドされている Stop() をメソッド Resume() がオーバーライドすることはできません。
原因
別のメソッドによってすでにオーバーライドされているメソッドのオーバーライドを試みるメソッドが指定されました。オーバーライド済みのメソッドを再度オーバーライドすることはできません。
解決方法
この操作は正しくありません。
NEW_KEY |
NEW KEY 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
キーの名前
新しいキーの定義を試みているクラスの名前
例
NEW_KEY = クラス CIM_PhysicalPackage が新しいキー [Key] を定義することはできません。
原因
あるクラスが新しいキーの定義を試みていますが、スーパークラス内にキーがすでに定義されています。スーパークラスにいったんキーが定義されると、サブクラスに新しいキーを設定することはできません。
解決方法
そのようなクラスの作成をやめます。
NO_CIMOM |
NO_CIMOM 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータは CIM Object Manager の実行ホストに指定されたホストの名前です。
NO_CIMOM = CIMOM molly は検出されませんでした。
CIM Object Manager が指定されたホストで動作していません。
/etc/init.d/init.wbem start コマンドを使って CIM Object Manager を起動するか、CIM Object Manager が動作しているホストに接続します。
NO_INSTANCE_PROVIDER |
NO_INSTANCE_PROVIDER 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
インスタンスプロバイダが見つからないクラスの名前
指定されたインスタンスプロバイダクラスの名前
例
NO_INSTANCE_PROVIDER = クラス RPC_Agent のインスタンスプロバイダ RPC_prop が見つかりません。
原因
指定されたインスタンスプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIM Object Manager のクラスパスに以下のうちの 1 つ以上が含まれていないことを示します。
プロバイダクラスの名前
プロバイダクラスのパラメータ
プロバイダが定義される CIM クラス
解決方法
インスタンスプロバイダが CIM Object Manager のクラスパスにあるか確認します。
NO_METHOD_PROVIDER |
NO_METHOD_PROVIDER 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
メソッドプロバイダが見つからないクラスの名前
指定されたメソッドプロバイダクラスの名前
例
NO_METHOD_PROVIDER = Method provider Start_prop for class RPC_Agent not found.
原因
指定されたメソッドプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIM Object Manager のクラスパスに以下のうちの 1 つ以上が含まれていないことを示します。
プロバイダクラスの名前
プロバイダクラスのパラメータ
プロバイダが定義される CIM クラス
解決方法
メソッドプロバイダが CIM Object Manager のクラスパスにあるか確認します。
NO_OVERRIDDEN_METHOD |
NO_OVERRIDDEN_METHOD 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
オーバーライドするメソッドの名前
オーバーライドされるメソッドの名前
例
NO_OVERRIDDEN_METHOD = Read でオーバーライドされたメソッド Write はクラス階層中に存在しません。
原因
サブクラスのメソッドがスーパークラスのメソッドのオーバーライドを試みていますが、そのスーパークラスのメソッドはクラス階層内に存在しません。
解決方法
上位のクラス階層内にそのメソッドが存在することを確認します。
NO_OVERRIDDEN_PROPERTY |
NO_OVERRIDDEN_PROPERTY 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
オーバーライドするプロパティの名前
オーバーライドされるプロパティの名前
例
NO_OVERRIDDEN_PROPERTY = B でオーバーライドされたプロパティ A はクラス階層中に存在しません。
原因
サブクラスのプロパティがスーパークラスのプロパティのオーバーライドを試みていますが、そのスーパークラスのプロパティはクラス階層内に存在しません。
解決方法
上位の階層内にそのプロパティが存在することを確認します。
NO_PROPERTY_PROVIDER |
NO_PROPERTY_PROVIDER 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
プロパティプロバイダが見つからないクラスの名前
指定されたプロパティプロバイダクラスの名前
例
NO_PROPERTY_PROVIDER = Property provider Write_prop for class RPC_Agent not found.
原因
指定されたプロパティプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIM Object Manager のパスに指定されたクラスが、2 番目のパラメータに指定されたクラスを含んでいないことを示します。
解決方法
CIM Object Manager のクラスパスを設定します。
NO_QUALIFIER_VALUE |
NO_QUALIFIER_VALUE 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
エラーを引き起こした修飾子の名前
修飾子が参照する要素。修飾子により、2 つめのパラメータはクラス、プロパティ、メソッド、参照のどれかになります。
例
NO_QUALIFIER_VALUE = Solaris_ComputerSystem の修飾子 [SOURCE] に値がありません。
原因
プロパティまたはメソッドに修飾子が指定されましたが、修飾子に値が含まれていません。たとえば、修飾子 VALUES には文字列配列を指定する必要があります。必要な文字列配列無しで VALUES 修飾子が指定されると、NO_QUALIFIER_VALUE エラーメッセージが表示されます。
解決方法
修飾子に必要なパラメータを指定します。各修飾子に必要な属性については、Distributed Management Task Force 作成の CIM Specification (http://dmtf.org/spec/cims.html) を参照してください。
NO_SUCH_METHOD |
NO_SUCH_METHOD 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
指定されたメソッドの名前
指定されたクラスの名前
例
NO_SUCH_METHOD = メソッド Configure() はクラス Solaris_ComputerSystem にありません。
原因
一般には、指定されたクラスにメソッドが定義されなかったことが考えられます。指定されたクラスにメソッドが定義されている場合には、定義の際にスペルミスにより別のメソッドが指定されたか、入力ミスの可能性があります。
解決方法
指定されたクラスにメソッドを定義するか、あるいはメソッド名とクラス名が正しく入力されていることを確認します。
NO_SUCH_PRINCIPAL |
NO_SUCH_PRINCIPAL 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータはプリンシパル (ユーザーアカウント) の名前です。
NO_SUCH_PRINCIPAL = Principal molly not found.
指定されたユーザーアカウントが見つかりません。ログイン時にユーザー名の入力が正しく行われなかったか、あるいはそのユーザーにユーザーアカウントが設定されていません。
ログイン時にユーザー名を正しく入力します。そのユーザーにユーザーアカウントが設定されていることを確認します。
NO_SUCH_QUALIFIER1 |
NO_SUCH_QUALIFIER1 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータは未定義の修飾子の名前です。
NO_SUCH_QUALIFIER1 = 修飾子 [LOCAL] が見つかりません。
その修飾子はネームスペースに存在しません。
この修飾子を定義します。標準の CIM 修飾子と CIM スキーマの修飾子の使用法については、Distributed Management Task Force 作成の CIM Specification (http://www.dmtf.org/spec/cims.html) を参照してください。
NO_SUCH_QUALIFIER2 |
NO_SUCH_QUALIFIER2 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
定義されていない修飾子の名前
修飾子が変更するクラス、プロパティ、またはメソッドの名前
例
NO_SUCH_QUALIFIER2 = CIM_LogicalElement の修飾子 [LOCAL] が見つかりません。
原因
特定のクラスのプロパティまたはメソッドを変更するために修飾子が指定されましたが、その修飾子はスキーマの一部として定義されていません。有効な修飾子として認識されるように、この修飾子を CIM スキーマまたは拡張スキーマの一部として定義する必要があります。
解決方法
この修飾子を拡張スキーマの一部として定義するか、あるいは標準の CIM 修飾子を使用します。標準の CIM 修飾子と CIM スキーマの修飾子の使用法については、Distributed Management Task Force 作成の CIM Specification (http://www.dmtf.org/spec/cims.html) を参照してください。
NO_SUCH_SESSION |
NO_SUCH_SESSION 例外は 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータはセッション識別子です。
NO_SUCH_SESSION = そのようなセッション 4002 はありません。
クライアントセッションが見つからないと、この例外が表示されます。CIM Object Manager は、セキュリティ上の理由でそのセッションを削除します。第 3 章「セキュリティの管理」を参照してください。
CIM 環境がセキュリティ保護されていることを確認します。
NOT_HELLO |
NOT_HELLO 例外メッセージは、パラメータを使用しません。
NOT_HELLO = hello メッセージではありません。
このエラーメッセージは、hello メッセージ (CIM Object Manager に送信される最初のメッセージ) 内のデータが破損している場合に表示されます。
セキュリティが侵害されていないことを確認し、再び接続してみてください。
NOT_INSTANCE_PROVIDER |
NOT_INSTANCE_PROVIDER 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
問題のある Java クラスの名前
インスタンスプロバイダを定義しているクラスの名前
NOT_INSTANCE_PROVIDER = クラス Solaris_Provider のプロバイダ device_prop_provider は、InstanceProvider を実装していません。
プロバイダで指定されている Java クラスへのパスに、InstanceProvider インタフェースが実装されていません。
1 つめのパラメータの Java クラスに InstanceProvider インタフェースが実装されているか確認します。
NOT_METHOD_PROVIDER |
NOT_METHOD_PROVIDER 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
問題のある Java クラスの名前
メソッドプロバイダを定義しているメソッドの名前
例
NOT_METHOD_PROVIDER = クラス Solaris_Provider のプロバイダ device_method_provider は、MethodProvider を実装していません。
原因
1 つめのパラメータに指定された Java クラスに MethodProvider インタフェースが実装されていません。
解決方法
1 つめのパラメータの Java クラスに MethodProvider インタフェースが実装されているか確認します。
NOT_PROPERTY_PROVIDER |
NOT_PROPERTY_PROVIDER 例外メッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。
問題のある Java クラスの名前
プロパティプロバイダを定義しているクラスの名前
例
NOT_PROPERTY_PROVIDER = クラス Solaris_Provider のプロバイダ device_property_provider は PropertyProvider を実装していません。
原因
1 つめのパラメータの Java クラスへのパスに PropertyProvider インタフェースが実装されていません。
解決方法
1 つめのパラメータの Java クラスに PropertyProvider インタフェースが実装されているか確認します。
NOT_RESPONSE |
NOT_RESPONSE 例外メッセージは、パラメータを使用しません。
NOT_RESPONSE = 応答メッセージではありません。
この例外メッセージは、CIM Object Manager からの最初の応答メッセージが壊れている場合に表示されます。
再び接続してみてください。
PROPERTY_OVERRIDDEN |
PROPERTY_OVERRIDDEN 例外メッセージは、次の 3 つのパラメータを使用します。
オーバーライドするプロパティの名前
オーバーライドされるプロパティの名前
2 つめのパラメータをすでにオーバーライドしたプロパティの名前
例
PROPERTY_OVERRIDDEN = RawCapacity によってすでにオーバーライドされている MaxCapacity をプロパティ Volume がオーバーライドすることはできません。
原因
別のプロパティによってすでにオーバーライドされているプロパティのオーバーライドを試みるプロパティが指定されました。オーバーライド済みのプロパティを再度オーバーライドすることはできません。
解決方法
オーバーライドする別のプロパティを指定します。
PS_UNAVAILABLE |
PS_UNAVAILABLE 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータは固定記憶域 (CIM Repository) が使用できなくなった理由を説明するメッセージです。
PS_UNAVAILABLE = The persistent store is unavailable.
Repository が使用できなくなった場合は、原因についてこれより詳しい情報が最初のパラメータに示されます。
この例外メッセージは汎用のエラー状態のものなので、記述の内容からエラーの原因を判断してください。
REF_REQUIRED |
REF_REQUIRED 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータは関連の名前です。
REF_REQUIRED = 関連クラス CIM_Chassis には 2 つ以上の参照が必要です。
関連が定義されたが、必要な参照が指定されていません。Common Information Model では、関連は 2 つ以上の参照を含む必要があります。
最初のパラメータの関連に、必要な参照を追加します。
SCOPE_ERROR |
SCOPE_ERROR 例外は、次の 3 つのパラメータを使用します。
指定された修飾子が変更する要素の名前
指定された修飾子の名前
最初のパラメータの Meta 要素型
例
SCOPE_ERROR = CIM_Container の修飾子 [UNITS] に Property スコープはありません。
原因
修飾子の指定方法がスコープ定義の要件と矛盾しています。たとえば、CIM Specification では、[READ] 修飾子の定義にはプロパティのスコープが使用されます。したがって、[READ] を使ってクラスを修飾すると、スコープ例外になります。
CIM Specification は、CIM 修飾子が変更できる CIM 要素の種類を定義しています。修飾子の使用方法についてのこの定義は、修飾子のスコープと呼ばれます。ほとんどの修飾子は、定義によると、プロパティまたはメソッド、あるいはこの両方の変更を指示するスコープを持ちます。ほとんどの修飾子は、パラメータ、クラス、関連、インジケーション、またはスキーマの変更を指示するスコープを持ちます。
解決方法
指定された修飾子のスコープを確認します。CIM 修飾子の標準の定義については、Distributed Management Task Force により提供されている CIM Specification の「1. Qualifiers」の節 (http://www.dmtf.org/spec/cim_spec_v20) を参照してください。別の修飾子を使用するか、あるいは CIM 定義に従って修飾子を使用するようにプログラムを変更します。
SIGNATURE_ERROR |
SIGNATURE_ERROR 例外メッセージは、パラメータを使用しません。
SIGNATURE_ERROR = 署名は検証されませんでした。
この例外メッセージは、メッセージが偶然に、または故意に壊された場合に表示されます。このメッセージは、メッセージが有効なチェックサムを持つチェックサムエラーとは異なりますが、署名はクライアントの公開鍵では検証できません。この保護により、セッションキーが解読され、第 3 者が使用しようとしても、セッションを作成した最初のクライアントだけが認証されます。
セッションが不正侵入者によって侵害される場合に表示されるこのメッセージに対しての解決方法は提示されません。Solaris WBEM Services のセキュリティ機能の詳細は、第 3 章「セキュリティの管理」を参照してください。
TYPE_ERROR |
TYPE_ERROR 例外メッセージは、次の 5 つのパラメータを使用します。
指定された要素 (プロパティ、メソッド、修飾子など) の名前
指定された要素が属するクラスの名前
要素に定義されたデータ型
割り当てられた値のデータ型
割り当てられた実際の値
例
TYPE_ERROR = クラス Solaris_DiskPartition の VolumeLabel に対し、sint16 4 を string に変換できません。
原因
プロパティまたはメソッドのパラメータ値と、定義されたそのデータ型が一致しません。
解決方法
プロパティまたはメソッドの値を、定義されたそのデータ型に一致させます。
UNKNOWNHOST |
UNKNOWNHOST 例外メッセージは 1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータはホストの名前です。
UNKNOWNHOST = 未知のホスト molly です。
クライアントが接続しようとしたホストはありません。
ホスト名のスペルを確認し、正しい場合は、管理者に連絡します。
VER_ERROR |
VER_ERROR 例外は、1 つのパラメータを使用しますが、このパラメータはクライアントが接続しようとした CIM Object Manager のバージョン番号を示します。
VER_ERROR = バージョン 0 はサポートされていません。
接続しようとした CIM Object Manager は、このクライアントバージョンをサポートしていません。
クライアント API か CIM Object Manager をアップグレードします。