WBEM では、クラスは最も基本的な管理ユニットを表現するオブジェクトの集まりを意味します。たとえば、Solaris WBEM Services の主要な機能クラスとして、CIMClass、CIMProperty、CIMInstance が挙げられます。
クラスは、管理対象オブジェクトを作成するために使用される抽象的な概念です。クラスの特性は、そのクラスから作成される子オブジェクト (インスタンス) によって継承されます。たとえば、CIMClass を使用してインスタンス CIMClass (Solaris_Computer_System) を作成できます。
この CIMClass インスタンスは、「そのコンピュータシステムは何か」という質問に答えます。インスタンスの値は、Solaris_Computer_System です。同じクラスタイプのインスタンスはすべて、同じクラステンプレートから作成されます。この例では、CIMClass が、タイプ Computer_System の管理対象オブジェクトを作成するテンプレートを提供します。
クラスには、静的クラスと動的クラスがあります。静的クラスのインスタンスは、CIM Object Manager によって格納され、要求がある場合に CIM Repository から取り出すことができます。動的クラス (システム使用量のような常に変化するデータを含むクラス) のインスタンスは、データの変化に伴いプロバイダアプリケーションによって作成されます。
管理環境に固有の管理対象オブジェクトをサポートするために、CIM の拡張機能としてカスタムクラスを開発できます。CIM Object Manager API は、Solaris オペレーティング環境向けに CIM を拡張する新しいクラスを提供します。