Sun WBEM SDK 開発ガイド

修飾子のデータ型と修飾子の処理

CIM 修飾子は、CIM クラス、インスタンス、プロパティ、メソッド、またはパラメータの特性を示す要素です。修飾子の属性は、次のとおりです。

MOF (Managed Object Format) 構文では、各 CIM 修飾子は同じ MOF ファイルでそのデータ型を宣言する必要があります。修飾子には、スコープ属性はありません。スコープは、どの CIM 要素がその修飾子を使用できるかを示します。スコープを定義できるのは、修飾子のデータ型宣言内だけです。スコープは、修飾子では変更できません。

次に、CIM 修飾子のデータ型を宣言する MOF 構文を示します。この文は、ブール型 (デフォルト値は false) を使用して修飾子のデータ型 key を定義します。このデータ型が記述できるのは、プロパティと、オブジェクトに対する参照だけです。DisableOverride フレーバは、このキー修飾子がそれらの値を変更できないことを意味します。

Qualifier Key : boolean = false, Scope(property, reference), 
								Flavor(DisableOverride);

次のコード例は、CIM 修飾子の MOF 構文を示します。このサンプル MOF ファイルでは、keyDescription はプロパティ test の修飾子です。プロパティのデータ型は、値 a を持つ整数です。

{
[key, Description("test")]
int a
}

例 — CIM 修飾子の取得

例 4–24 のコードセグメントは、CIMQualifier クラスを使用して CIM 要素のベクトル内の CIM 修飾子を識別します。この例は、各 CIM 修飾子ごとにプロパティ名、値、およびデータ型を返します。

修飾子フレーバは、修飾子の使用を制御するフラグです。フレーバは、派生クラスとインスタンスに修飾子を継承できるかどうか、および派生クラスまたはインスタンスが修飾子の本来の値をオーバーライドできるかどうかを指定する規則を記述します。


例 4–24 CIM 修飾子の取得 (CIMQualifier)

	
...
 
    } else if (tableType == QUALIFIER_TABLE) {
		CIMQualifier prop = (CIMQualifier)cimElements.elementAt(row);
		if (prop != null) {
		    if (col == nameColumn) {
			return prop.getName();
		    } else if (col == typeColumn) {
			CIMValue cv = prop.getValue();
			if (cv != null) {
			    return cv.getType().toString();
			} else {
			    return "NULL";			      }
		  } 
 
...
 
 


例 — CIM 修飾子の設定

例 4–25 のコードセグメントは、新しいクラスの CIM 修飾子のリストをそのスーパークラス内の修飾子に設定します。


例 4–25 修飾子の設定 (setQualifiers)

   ...
	try 	{
	    	cimSuperClass = cimClient.getClass(new CIMObjectPath(scName));
	    	Vector v = new Vector();
	    	for (Enumeration e = cimSuperClass.getQualifiers().elements();
					e.hasMoreElements();) { 
					CIMQualifier qual = (CIMQualifier)((CIMQualifier)e.nextElement()).clone();
					v.addElement(qual);
	    	}
	    	cimClass.setQualifiers(v);
		} catch (CIMException exc) {
	    	return;
		}
}