名前 | 形式 | 使用条件 | 機能説明 | オプション | 使用例 | 関連項目 | 注意事項
SUNWcdrw
cdrw コマンドを用いてデータ CD および音楽 CD を作成することができます。また音楽 CD から音楽トラックを取り出すことができます。MMC 準拠の CD-R/CD-RW ドライブであれば、どれでも cdrw で使用することができます。
-d オプションによりデバイスを指定しない場合は、 cdrw はシステムに接続された CD ライターを探します。システム上に 1 つのライターデバイスを発見したときは、それをデフォルト CD ライターとして扱います。
2 つ以上の CD ライターがシステムに接続されている場合は、-d オプションによりデバイスを指定してください。CD ライターのデバイス名は以下のように指定されます。/dev/rdsk/cNtNdNsN, cNtNdNsN, cNtNdN, また、ボリュームマネージャで使用する cdrom, cdrom1 などのシンボル名でも指定できます。-l オプションによって CD ライターのリストを表示します。
データ CD を作成する場合 cdrw はトラック書き込みモード (track-at-once) を使用します。-i オプションを用いて CD メディアに書き込むデータのファイルを指定します。ファイルが指定されない場合は cdrw は標準入力からデータを読み込みます。
どちらの場合でも、データはあらかじめ mkisofs(1M) コマンドを使用してファイルおよびファイル情報を CD で使用される High Sierra フォーマットに変換しておきます。コマンドの使用方法は「使用例」を参照してください。
音楽 CD を作成する場合、-a オプションを用いて 1 つもしくは複数の音楽ファイルを指定します。すべての音楽ファイルはサポートされた音楽形式である必要があります。現在対応している形式は以下のものです。
レッドブック CD-DA 形式の Sun .au ファイル
レッドブック CD-DA 形式の RIFF (.wav) ファイル
生の CD 音楽データを含む .cda ファイル (リトルエンディアン 16 bit PCM ステレオ 44.1 KHz サンプリング)
生の CD データを含む .aur ファイル (ビッグエンディアン)
音楽形式が指定されない場合は cdrw はファイルの拡張子により音楽形式を認識しようとします。拡張子の大文字小文字は無視されます。-T により音楽形式を指定した場合は指定されたすべてのファイルの音楽形式として扱われます。また cdrw は音楽トラックを書き込んだ後セッションをクローズします。したがって、書き込まれるトラックは 1 つのコマンド行で指定する必要があります。
cdrw は -x オプションを用いて音楽 CD から音楽データを取り出すことにも使用できます。CD にはレッドブック CD-DA 形式のトラックが存在する必要があります。デフォルトの出力形式はファイルの拡張子に依存します。ユーザーは -T オプションにより出力形式を sun, wav, cda, au, aur に指定することができます。
cdrw はシングルセッションのデータ CD-ROM やレッドブックの音楽 CD のコピーに使用することができます。CD をコピーする場合 cdrw は指定されたソースデバイスを探します。-c オプションを使用時にソースデバイスが指定されない場合は、現在の書き込み用 CD デバイスがソースデバイスとみなされます。cdrw は一時ファイルに音楽トラックを取り出し、現在の書き込み用 CD デバイスにブランクの書き込み可能 CD-R/CD-RW メディアが入っているか調べます。メディアが見つからない場合は、現在の書き込み用 CD デバイスにブランクの書き込み可能 CD メディアを入れるようユーザーに要求します。デフォルトの一時ディレクトリに十分な領域がない場合は -m オプションを用いて代わりのディレクトリを指定します。
ユーザーは再書き込みする前に CD-RW メディアを消去する必要があります。-b オプションは以下の消去方法をサポートしています。
最後のセッションを消去する
メディア全体を消去する。
session 消去では cdrw は最後のセッションを消去します。セッションが 1 つしか書き込まれていない CD-RW (cdrw によって作成されたデータ/音楽 CD-RW) の場合は、記録された部分を消去するだけでブランクディスクにすることができます。これはメディア全体を消去するよりも速くできます。
all 消去は、マルチセッションの CD、最後のセッションがクローズされていない場合、CD の状態が不明な場合、ユーザーが CD 全体を消去したい場合に使用してください。この場合 cdrw はディスク全体を消去します。
-l オプションによって現在システムに接続されている CD ライターの一覧が表示されます。また、メディアによっては -M オプションによって、消去の状態や内容リスト (TOC) が表示されます。また -M オプションは、最後のセッションの開始アドレスや次の書き込み可能アドレスも表示します。この情報は -O オプションを指定してマルチセッション CD を作成するときに一緒に用いられます。詳細は mkisofs(1M) を参照してください。
音楽 CD を作成します。少なくとも 1 つの音楽ファイルを指定する必要があります。最大 99 までの音楽トラックを指定することができます。また最長の音楽データは -C オプションを指定しない場合デフォルトで 74 分となります。
CD-RW メディアを消去します。消去する方法は all もしくは session のどちらかを指定します。
CD をコピーします。他に引き数の指定がない場合は、デフォルトの CD 書き込みデバイスをソースデバイスとみなします。その場合、コピー処理はソースメディアから一時ディレクトリに読み出し、ユーザーにブランクメディアをドライブに入れるよう要求します。
メディアの容量を指定します。このオプションがない場合 cdrw で書き込み可能な CD メディアの容量のデフォルト値は、音楽 CD では 74 分、データ CD では 681984000 (約 650M) バイトとなります。
CD 書き込みを行うデバイスを指定します。
ヘルプ。使用法を表示します。
データ CD を作成するイメージファイルを指定します。書き込めるファイルサイズは CD-R/CD-RW メディアのいずれの場合でもデフォルトの 681984000 バイト、もしくは -C オプションによって指定された容量以下となります。CD 書き込み処理は、途切れない連続したデータの供給を必要とするため、イメージファイルは NFS マウントされたファイルシステムよりもローカルなファイルシステムに置くようにしてください。
システム上のすべての CD ライターを表示します。
システムのデフォルトの一時ディレクトリに代わって CD をコピーする際にトラックデータを置く一時ディレクトリを指定します。代わりの一時ディレクトリには十分な領域が必要です。(80 分の音楽 CD の場合で約 800MB) システムのデフォルト一時ディレクトリは十分な容量を持たないことがあります。
メディアの状態を表示します。cdrw はメディアがブランクかどうか、内容リスト (TOC)、最後のセッションの開始アドレス、ディスクがオープンな場合は次の書き込み可能アドレス、を表示します。
ディスクをオープンのままにします。cdrw は通常セッションをクローズしますが、マルチセッション CD を作成する場合は次のセッションを追加するために、オープンのままにしておきます。
CD ライターの書き込み速度を設定します。たとえば -p 4 は 4 倍速で書き込みます。オプションの指定がない場合は cdrw は CD ライターのデフォルトの書き込み速度を使用します。オプションが指定された場合は cdrw はドライブに指定された速度での書き込みを設定しようとしますが実際にドライブがその速度で書き込めるか保証はありません。
CD をコピーするソースデバイスを指定します。
疑似書き込みモードです。このモードでは cdrw は CD ライターのレーザーをオフにして書き込みを行います。したがってメディアにはデータは書き込まれません。システムが CD ライターに指定された書き込み速度で、十分にデータを提供できるかどうか調べる場合に使用します。
音楽 CD を作成するために読み出す音楽ファイルもしくは取り出す音楽ファイルの形式を指定します。音楽形式は sun, wav, cda, au, aur が可能です。
冗長モードです。
音楽トラックから音楽データを取り出します。
cdrw -i /local/iso_image |
$ mkisofs -r /home/foo 2>/dev/null | cdrw -i -p 1 |
$ cdrw -x -T wav 1 /home/foo/song1.wav |
$ cdrw -a song1.wav song2.wav song3.wav song4.wav |
$ cdrw -b all |
$ cdrw -d c1t6d0s2 -i /home/foo/iso-image |
$ cdrw -S -i /home/foo/iso-image |
# priocntl -e -p 60 cdrw -i /home/foo/iso-image |
mkisofs(1M), audioconvert(1)
CD 書き込み中、システムは一定の転送速度でドライブにデータを供給し続ける必要があります。CD 作成中は I/O 処理を最小限にし、不要なアプリケーションは終了しておくことを推奨します。
コピーの作成や音楽トラックの取り出しには MMC 準拠のソース CD-ROM ライブの使用をお勧めします。CD ライターはこの目的のために使用されます。
CD に書き込む前に、メディアがブランクかどうか -M オプションで確認し、システムが要求された書き込み速度でデータを供給できるかどうか -S オプションで調べてください。システムが指定された書き込み速度でデータを供給できない場合は -p オプションにより、書き込み速度を遅くしてください。また priocntl(1) を用いて優先度を高くして cdrw を実行することもできます。
-p オプションは CD-R/RW ドライブに詳しく、書き込み速度を変更して使用できるユーザーのために提供されています。一般に普及しているドライブでは、ドライブによって書き込み速度の設定コマンドの扱いが異なるため、注意してこのオプションを使用してください。
一般に普及しているドライブでは 74 分を越えて (80 分メディア等) メディアの容量の上限まで書き込むことができます。しかし、使用しているドライブでは 74 分以上の書き込みをサポートしていないかもしれません。使用しているドライブが 74 分以上書き込める場合は、-C オプションを使用してメディアの容量を指定するようにしてください。
市販の音楽 CD 等を著作者の許諾なく複製することは、個人的に楽しむなどの他は、著作権法上禁じられています。