特記事項: luxadm ソフトウェア

第 2 章 luxadm のサブコマンド

この章では、luxadm のサブコマンドについて、次の項目に分けて説明します。

使用できるサブコマンド

以下の表に、Sun StorEdge A5000、SPARCstorage Array、SPARCstorage RSM トレーおよび Sun Fire 880 内部記憶装置アレイに使用できる luxadm の基本サブコマンドを一覧表示します。エキスパートモードのサブコマンドとコマンドをサポートするプラットフォームについては、付録 A 「エキスパートモードのサブコマンド」 を参照してください。

表 2-1 使用できるサブコマンド

サブコマンド 

Sun StorEdge A5000 Array 

SPARCstorage Array 

SPARCstorage RSM 

Sun Fire 880 内部記憶装置 サブシステム 

alarm_off

 

○ 

○ 

 

alarm_on

 

○ 

○ 

 

alarm_set

 

○ 

○ 

 

display

○ 

○ 

 

○ 

download

○ 

○ 

 

○ 

enclosure_name

○ 

 

 

○ 

env_display

 

 

○ 

 

fast_write

 

○ 

 

 

fc_s_download

 

○ 

 

 

fcal_s_download

○ 

 

 

 

fcode_download

○ 

 

 

 

inquiry

○ 

○ 

○ 

○ 

insert_device

○ 

 

○ 

○ 

led

○ 

○ 

○ 

○ 

led_blink

○ 

 

 

○ 

led_off

○ 

○ 

 

○ 

led_on

 

○ 

○ 

 

nvram_data

 

○ 

 

 

perf_statistics

 

○ 

 

 

power_off

○ 

○ 

 

 

power_on

○ 

 

 

 

probe

○ 

 

 

○ 

purge

 

○ 

 

 

qlgc_s_download

 

 

 

○ 

release

○ 

○ 

○ 

 

remove_device

○ 

 

○ 

○ 

replace_device

 

 

○ 

 

reserve

○ 

○ 

 

 

set_boot_dev

n/a 

n/a 

n/a 

 

start

 

○ 

 

 

stop

 

○ 

 

 

sync_cache

 

○ 

 

 

サブコマンドのオプション

以下のオプションは、すべてのサブコマンドで使用することができます。

-e

エキスパートモードで実行します。管理しているシステムに精通した、認定された管理者だけが使用します。 

-v

冗長モードで実行します。 

ディスク LED の確認と設定

ディスク LED の現在の状態の確認 (led)

led サブコマンドを使用して、特定のディスクに対応する黄色の LED の現在の状態を確認します。Sun Fire 880 内蔵ディスクでは、取り外し可 LED が対応します。

以下のサブシステムで使用することができます。

以下に例を示します。


# luxadm led /devices/pci@8,600000/SUNW,qlc@2/fp@0,0/ssd@w210000203717802c,0:c,raw
LED state is OFF for device in location: front,slot 3
#

ディスク LED の点滅モードへの設定 (led_blink)

led_blink サブコマンドを使用して、特定のディスクに対する LED を点滅させます。Sun Fire 880 内蔵ディスクでは、取り外し可 LED が対応します。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-3 led_blink のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

格納装置名

luxadm enclosure_name サブコマンドで割り当てる Sun StorEdge A5000 インタフェースボードまたは Sun Fire 880 SES のボックス名です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

デバイス名

格納装置内の特定ディスクのスロット番号です。Sun StorEdge A5000 デバイスでは、[,f] または [,r]、およびスロット番号です。Sun Fire 880 デバイスでは、[,s] およびスロット番号です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

パス名

Sun StorEdge A5000、単一のディスク、SPARCStorageArray、RSM コントローラ (cN name)、Sun Fire 880 の個々のディスクまたは格納装置の、物理パス名または論理パス名です。あるいは Sun Fire 880 ディスク、SES、Sun StorEdge A5000 インタフェースボードまたはディスクの WWN です。

以下に例を示します。


# luxadm led_blink /devices/pci@8,600000/SUNW,qlc@2/fp@0,0/ssd@w210000203717802c,0:c,raw
LED state is BLINKING for device in location: front,slot 3
#

ディスク LED の消灯 (led_off)

led_off サブコマンドを使用して、特定のディスクに対応する黄色の LED を消灯します。Sun Fire 880 内蔵ディスクでは、取り外し可 LED が対応します。

次のサブシステムで使用することができます。

表 2-4 led_off のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

格納装置名

luxadm enclosure_name サブコマンドで割り当てる Sun StorEdge A5000 インタフェースボードまたは Sun Fire 880 SES のボックス名です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

デバイス名

格納装置内の特定ディスクのスロット番号です。Sun StorEdge A5000 デバイスでは、[,f] または [,r]、およびスロット番号です。Sun Fire 880 デバイスでは、[,s] およびスロット番号です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

パス名

Sun StorEdge A5000、単一のディスク、SPARCStorage Array、RSM コントローラ (cN name)、Sun Fire 880 の個々のディスクまたは格納装置の、物理パス名または論理パス名です。あるいは Sun Fire 880 ディスク、SES、Sun StorEdge A5000 インタフェースボードまたはディスクの WWN です。


注 -

Sun StorEdge A5000 の状態によっては、黄色の取り外し可 LED が消灯しない場合や点滅が止まらない場合があります。詳細は、『Sun StorEdge A5000設置・サービスマニュアル』を参照してください。


以下に例を示します。


# luxadm led_off /devices/pci@8,600000/SUNW,qlc@2/fp@0,0/ssd@w210000203717802c,0:c,raw
LED state is OFF for device in location: front,slot 0
#

ディスク LED の点灯 (led_on)

led_on サブコマンドを使用して、特定のディスクに対応する取り外し可 LED を点灯します。

次のサブシステムで使用することができます。

表 2-5 led_on のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

パス名

SPARCStorage Array または RSM コントローラ (cN name) の、物理パス名または論理パス名です。

格納装置とディスク情報の表示

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイと Sun Fire 880 内部記憶装置アレイの確認 (probe)

接続されているすべての Sun StorEdge A5000、Sun Fire 880 内部記憶装置アレイ、および単一の FC-AL デバイス に関する情報を表示するには、probe サブコマンドを使用します。表示される情報には、論理パス名、World Wide 名 (WWN)、格納装置名が含まれます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-6 probe のオプションと引数

オプション 

説明 

-p

物理パス名を表示します。 

以下の例は、Sun StorEdge A5000 ディスクアレイ (DRIVEBAY) が接続された Sun Fire 880 システム (DAKTEST) に、probe サブコマンドを発行して表示させた格納装置情報です。

以下に例を示します。


# luxadm probe
Found Enclosure(s):
SUNWGS INT FCBPL   Name: DAKTEST   Node WWN:50000800208618f7
 Logical Path:/dev/es/ses0
 Logical Path:/dev/es/ses1

SENA           Name: DRIVEBAY   Node WWN:500008002000000eda0 
  Logical Path:/dev/es/ses4
  Logical Path:/dev/es/ses5
#

格納装置やデバイスに固有のデータの表示 (display)

格納装置やデバイスに固有のデータを表示するには、display サブコマンドを使用します。

格納装置データには、格納装置の環境センス情報と、ディスクを含むすべてのサブシステムの状態が含まれています。デバイスデータには、照会、容量、および構成情報が含まれます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-7 display のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

格納装置名

luxadm enclosure_name サブコマンドで割り当てる Sun StorEdge A5000 インタフェースボードまたは Sun Fire 880 SES のボックス名 です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

デバイス名

格納装置内の特定のディスクのスロット番号です。Sun StorEdge A5000 デバイスでは、[,f] または [,r] およびスロット番号です。Sun Fire 880 デバイスでは、[,s] およびスロット番号です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

パス名

Sun StorEdge A5000、個々のディスク、SPARCStorage Array、RSM コントローラ(cN name)、Sun Fire 880 の単一のディスクまたは格納装置の、物理パス名または論理パス名です。あるいは Sun Fire 880 ディスク、SES、Sun StorEdge A5000 インタフェースボード、またはディスクの WWN です

-p

指定したデバイスまたはサブシステムの性能情報を表示します。 

-r

指定したデバイスまたはサブシステムのエラー情報を表示します。 

-v

モードセンスデータを含む、冗長モードを表示します。 

以下に Sun Fire 880 内部記憶装置アレイの格納装置情報の例を示します。


# luxadm display DAKTEST
											 										
SUNWGS INT FCBPL
DISK STATUS 
SLOT   DISKS             (Node WWN) 
0      On (O.K.)         20000020371b1edd    
1      On (O.K.)         20000020371b153f    
2      On (O.K.)         200000203708c412    
3      Not Installed                         
4      Not Installed                         
5      On (O.K.)         20000020371b1f06    
6      On (O.K.)         20000020371b1fa8    
7      On (O.K.)         200000203708c525    
8      On (O.K.)         20000020371b1fe3    
9      Not Installed                         
10     Not Installed                         
11     On (O.K.)         200000203708c468 
SUBSYSTEM STATUS
FW Revision:9203   Box ID:0
Node WWN:50000800208618f7    Enclosure Name:DAKTEST
SSC100's - 0=Base Bkpln, 1=Base LoopB, 2=Exp Bkpln, 3=Exp LoopB 
      SSC100 #0:    O.K.(11.A)
      SSC100 #1:    Not Installed
      SSC100 #2:    O.K.(11.A)
      SSC100 #3:    Not Installed
           Temperature Sensors - 0 Base, 1 Expansion                       
           0:27?C 1:24?C  (All temperatures are NORMAL.)   

                 GBIC Transceivers - 0 LoopA, 1 LoopB                            
                 0 O.K.(MOD3)
                 1 O.K.(MOD3)
 Default Language is USA English, ASCII 
#

以下に Sun StorEdge A5000 の格納装置情報の例を示します。


# luxadm display /dev/es/ses5

                                  DISK STATUS 
 SLOT   FRONT DISKS       (Node WWN)          REAR DISKS        (Node WWN)
 0      On (O.K.)         20000020370bd55a    On (O.K.)         20000020370bc45b
 1      On (O.K.)         20000020370bd634    On (O.K.)         20000020370bd23a
 2      On (O.K.)         20000020370b8b7b    On (O.K.)         20000020370bcaba
 3      On (O.K.)         20000020370bd633    On (O.K.)         20000020370bbcb0
 4      On (O.K.)         20000020370bafbe    On (O.K.)         20000020370bab00
 5      On (O.K.)         20000020370bd574    On (O.K.)         20000020370bd55e
 6      On (O.K.)         20000020370bb713    On (O.K.)         20000020370bc835
                                 SUBSYSTEM STATUS
FW Revision:1.09   Box ID:0   Node WWN: 508002000000eda0  Enclosure Name:DRIVEBAY
 Power Supplies (0,2 in front, 1 in rear)
         0 O.K.(rev.-02) 1 O.K.(rev.-02) 2 O.K.(rev.-02)
 Fans (0 in front, 1 in rear)
         0 O.K.(rev.-05) 1 O.K.(rev.-00)
 ESI Interface board(IB) (A top, B bottom)
         A: O.K.(rev.-04)
                 GBIC module (1 on left, 0 on right in IB)
                 0 O.K.(mod.-01)
                 1 Not Installed
         B: O.K.(rev.-04)
                 GBIC module (1 on left, 0 on right in IB)
                 0 Not Installed
                 1 Not Installed
 Disk backplane (0 in front, 1 in rear)
         Front Backplane: O.K.(rev.-04)
           Temperature sensors (on front backplane)
           0:34?C 1:36?C 2:37?C 3:36?C 4:36?C 5:36?C 
           6:36?C  (All temperatures are NORMAL.)
         Rear Backplane:  O.K.(rev.-04)
           Temperature sensors (on rear backplane)
           0:37?C 1:36?C 2:34?C 3:37?C 4:36?C 5:37?C 
           6:36?C  (All temperatures are NORMAL.)
 Interconnect assembly
         O.K.(rev.-02)
 Loop  configuration
         Loop A is configured as a single loop.
         Loop B is configured as a single loop.
 Language        USA English   
 
#

ディスク情報の表示 (inquiry)

inquiry サブコマンドを使用して、特定のディスクの照会情報を表示します。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-8 inquiry のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

格納装置名

luxadm enclosure_name サブコマンドで割り当てる Sun StorEdge A5000 インタフェースボードまたは Sun Fire 880 SES のボックス名です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

デバイス名

格納装置内の特定のディスクのスロット番号です。Sun StorEdge A5000 デバイスでは、[,f] または [,r] およびスロット番号です。Sun Fire 880 デバイスでは、[,s] およびスロット番号です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

パス名

Sun StorEdge A5000、単一のディスク、SPARCStorage Array、RSM コントローラ (cN name)、Sun Fire 880 の個々のディスクまたは格納装置の、物理パス名または論理パス名です。あるいは Sun Fire 880 ディスク、SES、Sun StorEdge A5000 インタフェースボード、またはディスクのWWN です。

以下に例を示します。


# luxadm inquiry macs1
INQUIRY:
  Physical path:
  /devices/pci@8,700000/pci@2/SUNW,qlc@4/fp@0,0/ses@w5080020000061899,0:0
Vendor:                     SUN     
Product:                    SENA            
Revision:                   1.05
Device type:                0xd (SES device)
Removable media:            no
Medium Changer Element:     no
ISO version:                0
ECMA version:               0
ANSI version:               3 (Device complies to SCSI-3)
Terminate task:             no
Response data format:       2
Additional length:          0x7b
Command queueing:           no
              VENDOR-SPECIFIC PARAMETERS
Byte#                  Hex Value                             ASCII
51    00 00 00 00                                         ....
95    6d 61 63 73 31 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00     macs1...........
      00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00     ................
#

ファームウェアと fcode のダウンロード

ファームウェアのダウンロード (download)

download サブコマンドを使用して、Sun StorEdge A5000 ディスクアレイのインタフェースボードまたは SPARCstorage Array のコントローラボードの FEPROM に PROM のイメージをダウンロードします。

download サブコマンドを使用して、Sun Fire 880 システム上の両バックプレーンのフラッシュ PROM に、オリジナルのフラッシュイメージを復元します。

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイまたは Sun Fire 880 内部記憶装置アレイでは、ダウンロードが完了すると、ディスクアレイをリセットして、ダウンロードされたコードが実行されます。

SPARCstorage Array では、ダウンロードが完了したときに、SPARCstorage Array をリセットして、ダウンロードされたコードを実行する必要があります。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-9 download のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

-s

ダウンロードされたファームウェアが Sun StorEdge A5000 ディスクアレイ 内の FEPROM に保存されます。-s を指定しなかった場合は、ダウンロードされたファームウェアは、電源が投入されている間のみ保存されます。

-f ファイル名

ファイルパス名に PROM イメージをダウンロードします。ファイル名を指定しなかった場合は、デフォルトの PROM イメージが使用されます。

 

Sun StorEdge A5000 のデフォルトの PROM イメージは、ibfirmware というファイル名で /usr/lib/locale/C/LC_MESSAGES ディレクトリに格納されています。

 

Sun Fire 880 システムのデフォルトの PROM のイメージは、/usr/platform/SUNW,Sun-Fire-880/lib/images/int_fcbpl_fw ディレクトリに格納されています。

 

SPARCstorage Array のデフォルトの PROM のイメージは、ssafirmware というファイル名で /usr/lib/firmware/ssa ディレクトリに格納されています。

-w WWN

SPARCstorage Array 専用のオプションです。詳細は、「SPARCstorage Array の WWN の変更 (download)」を参照してください。

SPARCstorage Array の WWN の変更 (download)

SPARCstorage Array のコントローラボードの WWN (World Wide Name) を変更するには、download サブコマンドを使用します。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-10 download のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

パス名

SPARCstorage Array のコントローラのパス名です。 

-w WWN

SPARCstorage Array の WWN を変更します。WWN には 12 桁の 16 進数を指定 (先行ゼロが必要) します。SPARCstorage Array のコントローラの新しいイメージでは、8 バイトの WWN のうち、最下位の 6 バイトが WWN に変更されます。

FC25/S ホストアダプタへの fcode のダウンロード (fc_s_download)

fc_s_download サブコマンドを使用して、新しい fcode をすべての FC25/S SBus カードにダウンロードします。このカードは、SPARCstorage Array に接続する25 MHz ホストアダプタカードです。

fc_s_download サブコマンドは、対話形式で実行されます。fcode がダウンロードされる前にユーザーによる確認を待ちます。

このオペレーティングシステムのバージョンと同時にリリースされた FC25/S SBus カードの fcode のバージョンは、fc_s_fcode という名前で /usr/lib/firmware/fc_s ディレクトリにあります。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-11 fc_s_download のオプションと引数

オプション 

説明 

-F

fcode を強制的にダウンロードします。ただし、ダウンロード前にユーザーの確認が必要です。 

-f fcode-ファイル

新しい fcode があるファイルの名前です。[-f fcode-ファイル] オプションを指定しないで fc_s_download サブコマンドを起動した場合は、各 FC25/S SBus カードの fcode の現在のバージョンが出力されます。

FC100 ホストアダプタへの fcode のダウンロード (fcal_s_download)

fcal_s_download サブコマンドを使用して、すべての FC100/S SBus または FC100/P PCI ホストアダプタに新しい fcode をダウンロードするか、各ホストアダプタの fcode の現在のバージョンを表示します。このホストアダプタは、Sun StorEdge A5000 ディスクアレイに接続する 100 MHz ホストアダプタカードです。

fc_s_download サブコマンドは、対話形式で実行されます。fcode がダウンロードされる前にユーザーによる確認を待ちます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-12 fcal_s_download のオプションと引数

オプション 

説明 

-f fcode-ファイル

新しい fcode があるファイルの名前です。[-f fcode-ファイル] オプションを指定しないで fcal_s_download サブコマンドを起動した場合は、各 FC100/S SBus カードの fcode の現在のバージョンが表示されます。このオペレーティングシステムと同時にリリースされた FC100/S SBus カードの fcode のバージョンは、fcal_s_fcode という名前で /usr/lib/firmware/fc_s ディレクトリにあります。

FC/S、FC100/S、FC100/P、および FC100/2P ホストアダプタへの fcode のダウンロード (fcode_download)

fcode_download サブコマンドを使用して、FC/S、FC100/S、FC100/P、および FC100/2P ホストアダプタカードを配置し、適切なカードにディレクトリ名にある fcode をダウンロードし、各ホストアダプタの fcode の現在のバージョンを表示します。

fcode_download サブコマンドは、対話形式で実行されます。fcode がダウンロードされる前にユーザーによる確認を待ちます。

次のサブシステムで使用することができます。

表 2-13 fcode_download オプション

オプション 

説明 

-p

各ホストアダプタカードの現在のバージョンを表示します。-p オプションを使用すると、ダウンロードは実行されません。

-d ディレクトリ名

新しい fcode のあるディレクトリの名前です。[-d ディレクトリ名] オプションを指定しないでfcode_download サブコマンドを起動した場合は、デフォルトディレクトリの /usr/lib/firmware/fc_s が使用されます。

FC100/P と FC100/2P ホストアダプタへの fcode のダウンロード (qlgc_s_download)

qlgc_s_download サブコマンドを使用して、すべての FC100/P と FC100/2P PCI ホストアダプタカードに、ファイル fcode-ファイルにある fcode をダウンロードするか、各ホストアダプタの fcode の現在のバージョンを表示します。

qlgc_s_download サブコマンドは、対話形式で実行されます。fcode がダウンロードされる前にユーザーによる確認を待ちます。

次のサブシステムで使用することができます。

表 2-14 qlgc_s_download オプション

オプション 

説明 

-f fcode-ファイル

新しい fcode のあるファイルの名前です。[-f fcode-ファイル] オプションを指定しないで qlgc_s_download サブコマンドを起動した場合は、各 FC100/2P ホストアダプタカードの fcode の現在のバージョンが出力されます。

格納装置サービスカードのアクセス

env_display サブコマンドとさまざまな alarm サブコマンドは、SPARCstorage Array の RSM トレーの格納サービスカード (SES) にのみ適用されます。RSM トレーのアドレスを指定するには、SES デバイスの論理パスまたは物理パスを使用するか、コントローラとトレー番号を指定します。コントローラのアドレスを指定するには、cN または SPARCstorage Array のコントローラの物理パスを使用します。

環境情報の表示 (env_display)

env_display サブコマンドを使用して、SPARCstorage Array または SPARCstorage RSM の環境情報を表示します。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-15 env_display のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

パス名

SES デバイスのパス名です。 

コントローラ名

SPARCstorage Array コントローラのパス名です。 

トレー番号

RSM トレーのトレー番号です。トレー番号は、SPARCstorage Array の RSM トレーにのみ有効です。

警告音の無効化 (alarm_off)

alarm_off サブコマンドを使用して、格納装置の警告音を無効にします。オプションを指定しないで起動した場合は、警告音の現在の状態が出力されます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-16 alarm_off のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

パス名

SES デバイスのパス名です。 

コントローラ名

SPARCstorage Array コントローラのパス名です。 

トレー番号

RSM トレーのトレー番号です。トレー番号は、SPARCstorage Array の RSM トレーにのみ有効です。

警告音の有効化 (alarm_on)

alarm_on サブコマンドを使用して、格納装置の警告音を有効にします。オプションを指定しないで起動した場合は、警告音の現在の状態が出力されます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-17 alarm_on のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

パス名

SES デバイスのパス名です。 

コントローラ名

SPARCstorage Array コントローラのパス名です。 

トレー番号

RSM トレーのトレー番号です。トレー番号は、SPARCstorage Array の RSM トレーにのみ有効です。

警告音の設定 (alarm_set)

alarm_set サブコマンドを使用して、警告音の長さ (秒単位) を指定します。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-18 alarm_set のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

パス名

SES デバイスのパス名です。 

コントローラ名

SPARCstorage Array コントローラのパス名です。 

トレー番号

RSM トレーのトレー番号です。トレー番号は、SPARCstorage Array の RSM トレーにのみ有効です。

警告音の長さ (秒単位) です。 

格納装置とディスクの操作

Sun StorEdge A5000ディスクアレイまたは Sun Fire 880 内部記憶装置アレイの名前の変更 (enclosure_name)

enclosure_name サブコマンドを使用して、Sun StorEdge A5000 アレイまたは Sun Fire 880 格納装置の名前を変更します。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-19 enclosure_name のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

新しい名前

新しい格納装置の名前です。新しい名前は 16 桁以下の 

英数文字です。新しい名前には、格納装置またはインタフェースボードのボックス名を指定します。

格納装置名

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイまたは Sun Fire 880 内部記憶装置アレイの格納装置の名前です。格納装置の名前を一覧表示するには、probe サブコマンドを使用します。

パス名

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイ または Sun Fire 880 内部記憶装置アレイの物理パス名または論理パス名です。格納装置の名前が不明な場合は、enclosure の代わりにパス名を使用します。パス名と World Wide 名を一覧表示するには、probe コマンドまたは probe -p コマンドを使用します。

性能統計情報の収集 (perf_statistics)

perf_statistics サブコマンドを使用して、特定の SPARCstorage Array のコントローラの性能統計情報の蓄積を有効または無効にします。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-20 perf_statistics のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

パス名

SPARCstorage Array のコントローラです。 

-e

統計情報の蓄積を有効にします。 

格納装置またはディスクドライブの電源切断 (power_off)

power_off サブコマンドを使用して、格納装置を省電力モードにします。


注 -

省電力モードのときは、Sun StorEdge A5000 のディスクドライブを使用することはできません。


SPARCstorage Array 内の格納装置サービスカードのアドレスを指定した場合は、RSM トレーの電源が切断されます。

Sun StorEdge A5000 内のディスクドライブのアドレスが指定された場合は、ドライブは drive off/unmated 状態に設定されます。drive off/unmated 状態に設定されると、ドライブは停止し、バイパスモードになります。

以下のサブシステムで使用することできます。

表 2-21 power_off のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

格納装置名

Sun StorEdge A5000 の格納装置の名前です。 

デバイス名

格納装置内の特定のディスクの名前です。 

パス名

Sun StorEdge A5000、SPARCstorage Array、またはアレイ内の特定ディスクの物理パス名または論理パス名です。 

格納装置またはディスクドライブの電源投入 (power_on)

power_on サブコマンドを使用して、ドライブを通常の省電力モードに設定します。Sun StorEdge A5000 のディスクドライブを指定した場合は、power_on サブコマンドによって、指定したディスクが通常の起動状態に設定されます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-22 power_on のオプションと引数

オプション 

説明 

格納装置名

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイの格納装置の名前です。 

デバイス名

ディスクアレイ内の特定のディスクの名前です 

パス名

Sun StorEdge A5000、ディスクアレイ内の特定ディスクの物理パス名または論理パス名です。 

ディスクの予約解除 (release)

release サブコマンドを使用して、1 つまたは複数のディスクの予約を解除します。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-23 release のオプション

オプション 

説明 

パス名

Sun StorEdge A5000、SPARCstorage Array、またはディスクアレイ内の特定ディスクの物理パス名または論理パス名です。 

ディスクの予約 (reserve)

reserve サブコマンドを使用して、サブコマンドを発行したホストが指定したディスクを独占的に使用するように予約します。

次のサブシステムで使用することができます。

表 2-24 reserve のオプション

オプション 

説明 

パス名

Sun StorEdge A5000、SPARCstorage Array、またはディスクアレイ内の特定ディスクの物理パス名または論理パス名です。 

起動装置変数の設定 (set_boot_dev)

set_boot_dev サブコマンドを使用して、システムの PROM 内の boot device 変数に物理デバイス名を設定します。set_boot_device サブコマンドは、通常は対話形式で実行されます。PROM にデフォルトの起動装置が設定される場合は、確認が要求されます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-25 set_boot_dev のオプション

オプション 

説明 

-y

非対話形式で実行されます。確認は要求されません。 

パス名

ブロック型特殊デバイスまたはマウント先です。 

ディスクの起動 (start)

start サブコマンドを使用して、1 つまたは複数のディスクを起動します。パス名に SPARCstorage Array コントローラを指定すると、このアクションは SPARCstorage Array 内のすべてのディスクに適用されます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-26 start のオプション

オプション 

説明 

-t

トレー番号で指定されたトレー内のディスクをすべて起動します。

パス名

SPARCstorage Array コントローラの物理パス名または論理パス名です。 

ディスクの停止 (stop)

stop サブコマンドを使用して、1 つまたは複数のディスクを停止します。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-27 stop のオプション

オプション 

説明 

-t

トレー番号で指定されたトレー内のディスクをすべて停止します。

パス名

SPARCstorage Array コントローラの物理パス名または論理パス名です。 

NVRAM の表示と設定

高速書き込みの有効化と無効化 (fast_write)

fast_write サブコマンドを使用して、NVRAM を使用した SPARCstorage Array の書き込み性能の向上を有効または無効にします。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-28 fast_write のオプションと引数

オプション 

説明 

パス名

SPARCstorage Array コントローラまたは単一のディスクです。 

-s

SPARCstorage Array に変更内容が保存され、電源を切断しても保持されます。 

-c

同期書き込みのみの高速書き込みを有効にします。 

-e

高速書き込みを有効にします。 

-d

高速書き込みを無効にします。 

高速書き込みデータの表示 (nvram_data)

nvram_data サブコマンドを使用して、特定のディスクの NVRAM の高速書き込みデータの量を表示します。このコマンドは、単一のディスクに対してのみ使用することができます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-29 nvram_data のオプションと引数

オプション 

説明 

パス名

SPARCstorage Array コントローラまたは単一のディスクです。 

NVRAM の高速書き込みデータのパージ (purge)

purge サブコマンドを使用して、1 つまたは複数のディスクの NVRAM から、任意の高速書き込みデータをパージします。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-30 purge のオプション

オプション 

説明 

パス名

SPARCstorage Array コントローラまたは単一のディスクです。SPARCstorage Array コントローラを指定した場合は、指定したコントローラに対応するすべてのディスクの高速書き込みデータがパージされます。 

NVRAM のフラッシュ (sync_cache)

sync_cache サブコマンドを使用して、1 つまたは複数のディスクの未処理データを NVRAM からメディアにフラッシュします。パス名にコントローラを指定すると、このアクションは SPARCstorage Array サブシステム内のすべてのディスクに適用されます。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-31 sync_cache のオプション

オプション 

説明 

パス名

SPARCstorage Array コントローラまたは単一のディスクです。SPARCstorage Array コントローラを指定した場合は、指定したコントローラに対応するすべてのディスクの未処理データがフラッシュされます。 

格納装置やディスクの削除、追加、交換

この節では、ディスクドライブや格納装置の削除、追加、交換を行う方法について説明します。Sun StorEdge A5000 ディスクアレイまたは Sun Fire 880 内部記憶装置アレイでの操作についての詳細は、第 3 章「FC-AL ディスクとディスクアレイのホットプラグ手順」および格納装置のサービスマニュアルを参照してください。

デバイスの削除 (remove_device)

remove_device サブコマンドを使用して、ディスクドライブ、格納装置、または一連の格納装置をホットプラグします。このサブコマンドは、対話形式で、1 つまたは複数のデバイスのホットプラグ手順を処理します。

以下のサブシステムで使用することができます。

Sun StorEdge A5000 ディスクアレイ と Sun Fire 880 内部記憶装置アレイの、remove_device サブコマンドの場合

SPARCstorage RSM の remove_device サブコマンドの場合

表 2-32 remove_device のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

-F

デバイスがホストに使用されている場合やビジーの場合でも、それらのデバイスに強制的にホットプラグ操作を行います。注意 - 使用されているデバイスを削除すると、予測できない結果を生じることがあります。通常は、-F オプションを使用せずにホットプラグ操作を行ってください。このオプションを使用するのは、通常のホットプラグ検査が確実に無効な場合だけです。

格納装置名

luxadm enclosure_name サブコマンドで割り当てる、Sun StorEdge A5000 インタフェースボードまたは Sun Fire 880 SES のボックス名です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

デバイス名

格納装置内の特定のディスクのスロット番号です。Sun StorEdge A5000 デバイスでは、[,f] または [,r] およびスロット番号です。Sun Fire 880 デバイスでは、[,s] およびスロット番号です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

パス名

Sun StorEdge A5000、単一のディスク、SPARCStorage Array、RSM コントローラ (cN name)、Sun Fire 880 の単一のディスクまたは格納装置の、物理パス名または論理パス名です。あるいは Sun Fire 880 ディスク、SES、Sun StorEdge A5000 インタフェースボード、またはディスクのWWN です。

以下に Sun StorEdge A5000 での remove_device の出力例を示します。


# luxadm remove_device macs1,f1


  WARNING!!! Please ensure that no filesystems are mounted on these device(s).
  All data on these devices should have been backed up.



The list of devices which will be removed is:

  1: Box Name "macs1" frontslot 1

Please enter 'q' to Quit OR <Return> to Continue: 

stopping: Drive in "macs1" front slot 1....Done
offlining: Drive in "macs1" front slot 1....Done

Hit <Return> after removing the device(s).

この時点で、ディスクドライブを物理的に取り外します。任意のキーを押すと以下のデータが表示されます。


 Drive in Box Name "macs1" front slot 1
    Removing Logical Nodes: 
    Removing c2t1d0s0
    Removing c2t1d0s1
    Removing c2t1d0s2
    Removing c2t1d0s3
    Removing c2t1d0s4
    Removing c2t1d0s5
    Removing c2t1d0s6
    Removing c2t1d0s7
#

デバイスの追加 (insert_device)

insert_device サブコマンドを使用して、新規ディスクドライブ、格納装置、または一連の格納装置をホットプラグします。複数の格納装置を指定した場合は、複数のバスで並行して現行のホットプラグ操作ができます。

以下のサブシステムで使用することができます。

insert_device サブコマンドは、対話形式で、1 つまたは複数のデバイスのホットプラグ手順を処理します。Sun StorEdge A5000 とSun Fire 880 内部記憶装置アレイの insert_device サブコマンドは、以下の処理を行います。

SPARCstorage RSM の insert_device サブコマンド

表 2-33 insert_device のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

格納装置名

luxadm enclosure_name サブコマンドで割り当てる、Sun StorEdge A5000 インタフェースボードまたは Sun Fire 880 SES のボックス名です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

デバイス名

格納装置内の特定のディスクのスロット番号です。Sun StorEdge A5000 デバイスでは、[,f] または [,r] およびスロット番号です。Sun Fire 880 デバイスでは、[,s] およびスロット番号です。「ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定」を参照してください。

以下に Sun StorEdge A5000 での insert_device の出力例を示します。


# luxadm insert_device, macs1,f1

The list of devices which will be inserted is:
  1: Box Name "macs1" front slot 1

Please enter 'q' to Quit or <Return> to Continue: 


Hit <Return> after inserting the device(s).

この時点で、ディスクドライブを物理的に取り付けます。任意のキーを押すと以下のデータが表示されます。


 Drive in Box Name "macs1" front slot 1
  Logical Nodes under /dev/dsk and /dev/rdsk :
    c2t1d0s0
    c2t1d0s1
    c2t1d0s2
    c2t1d0s3
    c2t1d0s4
    c2t1d0s5
    c2t1d0s6
    c2t1d0s7
#

デバイスの交換 (replace_device)

replace_device サブコマンドを使用して、デバイスをホットプラグします。

rce_epladevice サブコマンドは、対話形式で、1 つまたは複数のデバイスのホットプラグ手順を処理します。replace_device サブコマンドは、以下の処理を行います。

以下のサブシステムで使用することができます。

表 2-34 replace_device のオプションと引数

オプション / 引数 

説明 

-F

デバイスがホストに使用されている場合やビジーの場合でも、それらのデバイスに強制的にホットプラグ操作を行います。注意 - 使用されているデバイスを交換すると、予測できない結果を生じることがあります。通常は、-F オプションを使用せずにホットプラグ操作を行ってください。このオプションを使用するのは、通常のホットプラグ検査が確実に無効な場合だけです。

パス名

SPARCstorage Array コントローラまたは単一のディスクのパス名です。