Solaris 8 ソフトウェアのインストールを始める前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報について説明します。
Solaris Management ConsoleTM 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 8 7/01 オペレーティング環境およびその互換バージョンにアップグレードする場合は、アップグレードの前に Solaris Management Console ソフトウェア をアンインストールする必要があります。Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェア と互換性がありません。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris Management Console ソフトウェア が終了することがあります。
アップグレードする前に /usr/bin/prodreg を実行して、Solaris Management Console ソフトウェア のフルアンインストールを行います。
アップグレード前に Solaris Management Console ソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 をアンインストールしていなかった場合は、Solaris Management Console ソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 のすべてのパケージを削除する必要があります。パッケージの削除には prodreg ではなく、必ず pkgrm を使用してください。また、パッケージを削除する順序にも注意する必要があります。以下に手順を示します。
スーパーユーザーになります。
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# pkginfo |grep "Solaris Management Console" # pkginfo |grep "Solaris Management Applications" # pkginfo |grep "Solaris Diskless Client Management Application" |
上記の出力結果で、 パッケージ名の説明文の先頭に「Solaris Management Console 2.0」という文字列がない場合、そのパッケージは Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアのパッケージです。
pkgrm を使用して、Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
説明文に「Solaris Management Console 2.0」という文字列が含まれているパッケージは削除しないでください。たとえば、SUNWmc.2 は Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアのパッケージです。
pkginfo の出力に、複数のバージョンの Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアパッケージが含まれている場合は、pkgrm を使用して、パッケージ名の末尾に番号が付いていないものを先に、付いているものをその後に削除してください。たとえば、pkginfo の出力に SUNWmcman と SUNWmcman.2 が含まれている場合、最初に SUNWmcman を削除して、次に SUNWmcman.2 を削除します。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWmcman # pkgrm SUNWmcapp # pkgrm SUNWmcsvr # pkgrm SUNWmcsvu # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmcsws # pkgrm SUNWjsmc |
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# rm -rf /var/sadm/pkg/SUNWmcapp |
これで Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアが正しく機能するようになります。将来 Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアの保守を行う際は、または、Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアが正しく機能しない場合は、Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアをいったん削除して次の手順で再インストールすることをお勧めします。
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# pkginfo |grep "Solaris Management Console" # pkginfo |grep "Solaris Management Applications" # pkginfo |grep "Solaris Diskless Client Management Application" |
現在システムにインストールされている Solaris Management Console ソフトウェアパッケージの名前が出力されます。
pkgrm を使用して、Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
SUNWmc と SUNWmc.2 のように、ある Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアパッケージに対して複数のインスタンスが存在する場合は、最初に SUNWmc を削除して、次に SUNWmc.2 を削除してください。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWdclnt # pkgrm SUNWmga # pkgrm SUNWmgapp # pkgrm SUNWmcdev # pkgrm SUNWmcex # pkgrm SUNWwbmc # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmccom # pkgrm SUNWjsmc # pkgrm SUNWjmga # pkgrm SUNWjadcl |
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel 版) を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_8_u5_ia/s0/Solaris_8/Product # pkgadd -d . SUNWmgapp |
CD を取り出して、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD (Intel 版) を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_8_u5_ia_2/s0/Solaris_8/Product # pkgadd -d . SUNWmccom SUNWmcc SUNWmc SUNWwbmc SUNWmcex SUNWmcdev SUNWmga SUNWdclnt |
CD を取り出して、Solaris 8 LANGUAGES CD (Intel 版) を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_8_u5_lang_ia/s0/components/Japanese/i386/Packages # pkgadd -d . SUNWjsmc SUNWjmga SUMWjadcl |
これによって、すべての旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェア が削除され、Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアが正しく機能するようになります。
Solaris 8 では、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、選択するソフトウェアグループ (ソフトウェアクラスタ) によって、インストールするロケールが決定されていました。Solaris 8 では、新しいインストールインタフェースが導入されたため、地域を選択することによって必要なロケールをインストールできます。このため Solaris 8 では、オペレーティングシステムのインストール時に、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 よりも柔軟にシステム構成をカスタマイズできるようになりました。
初期インストールの場合、インストールするロケールは「地域の選択」画面で選択してください。ただし、C ロケール (POSIX ロケール) と en_US.UTF-8 ロケール (Unicode ロケール) は、自動的にインストールされます。
従来のリリースからのアップグレードインストールの場合、「地域の選択」画面でいくつかのロケール (アップグレードするシステムによって使用できるロケールは異なる) が自動的に選択されています。これは、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、スウェーデン語の一部のロケールがシステム上に暗黙のうちにインストールされていたためです。
Unicode ロケール (UTF-8) では、複数言語の文字を入力することができます。Unicode ロケールは、アジア言語の各ロケールで提供される入力方式を利用しているので、アジア言語の文字を入力するには、その言語に対応するロケールをインストールする必要があります。たとえば、韓国語の文字入力を可能にするには、ko.UTF-8 ロケールをインストールしてください。
以下に示すコントローラのいずれかを使用するディスク上に 8G バイトを超えるパーティションを作成すると、インストールされたシステムが正常に動作しません。
Solaris オペレーティング環境のインストールプログラムは、ドライバが 8G バイトを超えるパーティションをサポートしないことを検知できません。したがって、エラーを表示せずにインストールを続けますが、システムをリブートしようとするとリブートは失敗します。
システムをリブートできたとしても、ブートデバイスや追加されたパッケージに関連する他の変更が原因となって、後で異常終了します。これらのドライバに関連するディスクコントローラは、次のとおりです。
Symbios 53C896 ベースのコントローラ (symhisl)
AMI MegaRAID コントローラ (mega)
Compaq 53C8xx ベースの SCSI コントローラ (cpqncr)
回避方法 : symhisl、mega、cpqncr などのドライバによって稼動するディスクコントローラを持つシステムに、ディスクの最初の 8G バイトを超える大きなパーティションをインストールしないでください。
Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズの大きいパーティションをインストールするための新しい機能が追加されています。DPT PM2144UW コントローラの BIOS は、LBA (論理ブロックアドレス指定, Logical Block Addressing) をサポートしていなければなりません。最新の BIOS は、LBA アクセスを完全にサポートしています。問題が発生した場合は、ほかの DPT コントローラモデルにも影響します。
回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、 DPT PM2144UW コントローラの BIOS が最新のバージョンであることを確認してください。
システムに DPT コントローラがインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。
次のコマンドを実行します。
prtconf -D
名前 dpt が表示されたら、カードの構成ユーティリティを起動して、機種や BIOS のバージョンに関する情報を取得します。
BIOS をフラッシュするか、最新の BIOS EPROM をインストールして、DPT PM2144UW コントローラをアップグレードします。すべての DPT コントローラの最新の BIOS イメージについては、http://www.dpt.com を参照してください。
これで、システムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードできます。
Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。この問題は他の HP Vectra システムにも影響します。
このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。
回避方法 : 最新の BIOS バージョン GG.06.13 の HP Vectra XU シリーズシステムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードしないでください。Solaris 8 オペレーティング環境では、これらのシステムはサポートされていません。
ブートフロッピーディスクまたはブート CD を使用すれば、ブートにハードディスクコードを使用しないので、システムをブートすることができます。ブート可能デバイスとして、ネットワークまたは CD-ROM ドライブではなくハードディスクを選択してください。
デフォルトでは、Solaris ata デバイスドライバは、ATA/ATAPI デバイスに対して DMA (Direct Memory Access) 機能を無効にします。Solaris 8 オペレーティング環境のインストールは、DMA 機能が無効になっている状態で正しく行えます。
パフォーマンスを向上させるために DMA 機能を有効にする方法については、Solairs 8 7/01 DOCUMENTATION CD に含まれている『Solaris 8 7/01 ご使用にあたって (Intel 版)』の「PCI-IDE システム上で DMA が無効になる」を参照してください。
Pointing Device として USB Mouse を使用しているシステムで kdmconfig を実行すると、USB Mouse が PS/2 Mouse として認識されてしまいます。
Pointing Device を変更せずに PS/2 Mouse のまま次の画面に進むと、システムが停止します。
回避方法 : Pointing Device を USB Mouse に変更してください。