Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

nfs:nacache

説明

NFS クライアント上のファイルアクセスキャッシュにアクセスするハッシュキューの数をチューニングします。ファイルアクセスキャッシュは、ユーザーがアクセスしようとするファイルに関する、ユーザーの持つファイルアクセス権を格納します。キャッシュ自体は動的に割り当てられますが、それへのインデックスに使用されるハッシュキューは静的に割り当てられます。このアルゴリズムでは、アクティブファイルごとに 1 つのアクセスキャッシュエントリが、ハッシュバケットごとにこれらの 4 つのアクセスキャッシュエントリがあるものとみなします。したがって、このパラメータの値には、デフォルトで nrnode パラメータの値が設定されます。

データ型

整数 (32 ビット)

デフォルト

このパラメータのデフォルトの設定は 0 です。これは、nacache の値に nrnode パラメータの値が設定されるべきであることを示しています。

範囲

1 から 231 - 1

単位

アクセスキャッシュエントリ

動的か

いいえ。この値は、/etc/system ファイルにパラメータを追加するか、パラメータを変更し、その後システムをリブートすることによってのみ変更できます。

検査

なし。ただし、このパラメータに負の値を設定すると、システムは、おそらく、非常に多くのハッシュキューをシステムに割り当て、その間にハングします。

どのような場合に変更するか

1 つのファイルごとに 1 つのアクセスキャッシュエントリがあるという基本的な前提が損われるおそれがある場合は、このパラメータの値を検討します。複数のユーザーが同じファイルにほぼ同時にアクセスするタイムシェアリングモードのシステムでは、このような状況になることがあります。このような場合には、予想されるアクセスキャッシュのサイズを増やすことが、キャッシュへのハッシュアクセスの効率性を保つ上で役立つことがあります。

安定性レベル

発展中