通常のシステム動作時には、Solaris DHCP クライアントの管理は必要ありません。 Solaris DHCP クライアントはシステムブート時に自動的に起動し、リースについてサーバーとネゴシエートし、システムの終了時に停止します。dhcpagent デーモンを手動で起動または停止することはできません。ただし、必要な場合は、クライアントシステムのスーパーユーザーとして ifconfig コマンドを使用、クライアントにおけるネットワークインタフェースの管理に関与することができます。
ifconfig コマンドでは、次の処理を行うことができます。
DHCP クライアントの起動 – ifconfig interface dhcp start コマンドでは、DHCP クライアントと DHCP サーバー間の対話を開始して、IP アドレスと新しい構成オプション群を取得します。 このコマンドは、IP アドレスを追加したり、サブネットマスクを変更する場合など、情報を変更してそれをクライアントですぐに使用したいときに便利です。
ネットワーク構成情報だけの要求 – ifconfig interface dhcp inform コマンドは、dhcpagent が IP アドレスを除くネットワーク構成パラメータを要求するようにします。このコマンドは、ネットワークインタフェースが有効な IP アドレスを持っているが、クライアントシステムが更新されたネットワークオプションを必要としているような場合に便利です。たとえば、DHCP を IP アドレスの管理には使用しないが、ネットワーク上のホストの構成には使用したいような場合です。
リースの延長要求 – ifconfig interface dhcp extend コマンドは、dhcpagent がリース期間の延長を要求するようにします。この処理は自動的に実行されますが、リース期間を変更し、新しいリース期間を次のリース更新を待たずにクライアントでただちに使用したい場合は、手動でこのコマンドを実行できます。
IP アドレスの解放 – ifconfig interface dhcp release コマンドは、dhcpagent がネットワークインタフェースで使用されている IP アドレスを解放するようにします。この処理はリース満了時に自動的に実行されます。長いリース期間が設定されている場合でネットワークインタフェースを長期間停止したり、ネットワークからシステムを切り離す場合には、このコマンドを使用します。
IP アドレスの – ifconfig interface dhcp drop コマンドは、dhcpagent が DCHP サーバーへ通知せずに、ネットワークインタフェースを放棄するようにします。この処理により、クライアントは次回リブート時に同じ IP アドレスを使用することができます。
ネットワークインタフェースの上での ping の実行 – ifconfig interface dhcp ping コマンドは、インタフェースが DHCP の制御下にあるかどうかをテストします。
ネットワークインタフェースの DHCP 構成状態の表示 – ifconfig interface dhcp status コマンドは、DHCP クライアントの現在の状態を表示します。この表示には、次の情報が含まれています。
クライアントに IP アドレスがバインドされているかどうか
送信、受信、および拒否された要求の数
一次インタフェースかどうか
リースが取得された時刻、リースが期限切れになった時刻、リースの更新予定時刻と実際に更新された時刻
# ifconfig hme0 dhcp status Interface State Sent Recv Declined Flags hme0 BOUND 1 1 0 [PRIMARY] (Began, Expires, Renew) = (08/16/2000 15:27, 08/18/2000 13:31, 08/17/2000 15:24) |
クライアントシステム上の /etc/default/dhcpagent ファイルには、dhcpagent デーモンに対する調整可能なパラメータが含まれています。テキストエディタを使用して、クライアントの動作に影響を与えるパラメータを変更することができます。このファイルには詳しい説明が記載されてい るので、 dhcpagent のマニュアルページと併せて、このファイルも参照してください。