オブジェクトに対する新しいインタフェース定義の照会を必要としない内部変更は、ウィークバージョン定義を作成することによって定義できます。このような変更の例としては、バグ修正や性能の改善があります。
こういったバージョン定義は、大域インタフェースシンボルが関連付けられていないという点で空です。
たとえば、以前の例で使用したデータファイル data.c が、次のようにより詳しい文字列定義を提供するように更新されたとします。
$ cat data.c const char * _foo1 = "string used by function foo1()¥n"; const char * _foo2 = "string used by function foo2()¥n"; |
この場合、ウィークバージョン定義を照会すると、この変更を次のように識別できます。
$ cat mapfile SUNW_1.1 { # Release X global: foo1; local: *; }; SUNW_1.2 { # Release X+1 global: foo2; } SUNW_1.1; SUNW_1.2.1 { } SUNW_1.2; # Release X+2 $ cc -o libfoo.so.1 -M mapfile -G foo.o data.o $ pvs -dv libfoo.so.1 libfoo.so.1; SUNW_1.1; SUNW_1.2: {SUNW_1.1}; SUNW_1.2.1 [WEAK]: {SUNW_1.2}; |
ここで、空のバージョン定義は、ウィークラベルによって示されます。これらのウィークバージョン定義を使用すると、アプリケーションは、その機能に関連するバージョン定義に結合することによって、特定の実装状態の存在を検査できます。「バージョン定義への結合」では、これらの定義を使用する方法について詳しく説明します。