Solaris 8 Maintenance Update 5 ご使用にあたって

第 3 章 Solaris 8 MU5 のバックアウト

Solaris 8 MU5 のパッチは、セットとしてインストール時にパッチの検査を行なっているため、安定性を最大限にするためバックアウト時もセットで使用してください。パッチのどれかを削除する必要がある場合は、Solaris 8 MU5 のインストール時に install_mu-d オプションを使用しないでください。

個々のパッチをバックアウトする手順は、それぞれのパッチのディレクトリにあります。パッチのディレクトリは /var/sadm/patch/ にあります。


注 -

install_mu-d オプションを使用した場合、MU 全体をバックアウトすることはできません。


Solaris 8 MU5 のバックアウト

MU5 をバックアウトする前にシステムをシングルユーザーモードでリブートするのが最善の方法です。MU5 はシステムライブラリにパッチを適用します。マルチユーザーの状態で MU5 をインストールすると、すでにマップされているライブラリのセクションとマップされていないそのライブラリのセクション間に不一致が起こり、そのライブラリは不安定な状態になります。

シングルユーザーモードでは、ネットワークサービスは使用できません。MU5 イメージが CD 上ではなくネットワーク上にある場合、シングルユーザーモードでシステムをブートする前に MU5 イメージをネットワークからローカルシステムにコピーしなければなりません。

十分なローカルディスク容量がないため MU5 イメージをローカルにコピーできない場合や MU5 CD がないまたはつながっていない場合、あるいはシステムをシングルユーザーモードにできない場合には、マルチユーザーモードで NFS を使用して MU5 をインストールすることになります。この場合、システムをできるだけ静かな状態 (つまり、ユーザーがすべてログアウトし、実行されているジョブがない状態) にしておく必要があります。

MU5 が提供する backout_mu スクリプトを使用すると、MU 全体をバックアウトできます。

Solaris 8 MU5 をバックアウトするには、次の手順に従います。

  1. 重要なユーザープロセスまたはシステムプロセスが実行されていないことを確認します。

  2. 現在のセッションを終了します。

    CDE ログイン画面が表示されます。

  3. 「オプション」ボタンをクリックして、「コマンド行ログイン」を選択します。

    ログインプロンプトが表示されます。

  4. ログイン名として root と入力し、root のパスワードを入力します。


    login: root
    password: root password
    
  5. シングルユーザーモードでリブートします。root のシェルプロンプトで次のように実行します。


    # reboot -- -s
    

    注 -

    shutdown または init コマンドで実行レベルをマルチユーザーモードからシングルユーザーモードへ変更すると、vold プロセスが実行されたままになることがあります。この状態で MU5 CD をマウントしようとすると、問題が発生することがあります。


  6. root のパスワードを入力します。

    システムが次のメッセージを表示し、システム保守モードになっていることを確認します。


    Entering System Maintenance Mode
     
    Sun Microsystems Inc. SunOS 5.8 Generic Feb 2000
    #
  7. backout_mu コマンドを実行するメディアを確認します。

    • CD から backout_mu を実行しようとしている場合は、手順 8 に進みます。

    • MU5 イメージのローカルコピーから backout_mu を実行しようとしている場合は、手順 9 に進みます。

  8. MU5 CD をマウントするには、CD をドライブに挿入し、root のシェルプロンプトで次のように実行します。


    # mount -o ro -F hsfs /dev/dsk/c0t6d0s0 /cdrom
    

    注 -

    CD-ROM ドライブが c0 以外のコントローラにあるか、t6 以外のターゲットにあることがあります。この場合は CD-ROM デバイスへのパスを変更する必要があります。CD-ROM ドライブのマウントについては、システム管理者に問い合わせてください。


  9. backout_mu を実行します。

    • MU5 イメージのローカルコピーから実行するには、次のように入力します。


      # cd local_directory
      # ./backout_mu options
      
    • MU5 CD から実行するには、次のように入力します。


      # cd /cdrom
      # ./backout_mu options
      
    表 3-1 backout_mu のコマンド行オプション

    オプション 

    説明 

    -q

    backout_mu 処理中を示すドット表示を無効にする

    -B backoutdir

    パッチのバックアウトに必要な情報が保存されている、代替ディレクトリを指定する 

    バックアウトが完了すると、次のメッセージが表示されます。


    backout_mu completed at date_time.
  10. 次のように実行してシステムをリブートします。


    # sync ; reboot
    

    ログインプロンプトが表示されます。


    注 -

    ライブラリの衝突を防ぐために、MU5 をバックアウトした後に必ずシステムをリブートしてください。


  11. ログイン名とパスワードを入力します。


    login: login
    password: password