SunVTS 4.4 ユーザーマニュアル

SunVTS OPEN LOOK ユーザーインタフェースのメインウィンドウ

SunVTS OPEN LOOK ユーザーインタフェースを起動すると、SunVTS OPEN LOOK のメインウィンドウが表示されます (図 5-1)。このとき、SunVTS はアイドル状態で、すべてのテストオプションはデフォルト値に設定されています。

図 5-1 SunVTS OPEN LOOK メインウィンドウ

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注 -

各メインウィンドウの項目については、付録 A 「SunVTS のウィンドウおよびダイアログボックスリファレンス」を参照してください。


SunVTS のテストセッションを構成する
  1. 状態パネル (図 5-2) で、SunVTS の現在の状態を確認します。

    図 5-2 OPEN LOOK の状態パネル

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  2. System View ボタンで、表示モードを論理表示または物理表示に指定します。

    図 5-3 OPEN LOOK の System View ボタン

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    表示モード:

    SunVTS により、システム上でテスト可能と識別されたデバイスは、テスト選択パネルに一覧表示されます。

    表示方法は以下から選択することができます。

    • Logical (論理表示) ― デバイスを機能別にグループ分けします。たとえば、SCSI ディスク、SCSI テープ、および SCSI CD-ROM ドライブは SCSI-Devices グループに分類されます。特定のデバイスやデバイスグループを表示したり、システム上のすべてのグループを表示できます。

    • Physical (物理表示) ― システム上の各デバイスの正確な位置を、それぞれの接続状態との関係で表示します。シングルボードタイプシステムをテストする場合は、各デバイスが、システムボードの下に表示されます。マルチボードタイプシステムでは、デバイスが接続されているボード (たとえば、board0、board1など) の下に各デバイスが表示されます。たとえば、異なるディスクインタフェースに接続された複数のディスクドライブは、インタフェース別に表示されます。物理表示を使用して、各デバイスの実際の位置を特定することができます。可能であれば、デバイスのボード番号とコントローラの種類も表示されます。

  3. Select Test ダイアログボックス (図 5-4) で、テストモード と Test Set を選択します。

    図 5-4 OPEN LOOK Select Testsダイアログボックス

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    Test のモード:

    • 接続 (Connection) テストモード ― 選択したデバイスに対して低負荷かつ高速なテストを行い、可用性と接続状態を調べます。このモードで実施されるテストは非占有型であり、高速テストが完了すると、デバイスはすぐに開放されます。システムに多大な負荷がかかることはありません。

    • 機能 (Functional) テストモード ― システムとデバイスに対してより徹底的なテストを行います。テスト中は常にシステム資源が使用されるため、他のアプリケーションが動作していないことが前提となります。

    Test Set:

    SunVTS は、実際のシステムのデバイスと選択したテストモードに応じて、特定のデバイスをデフォルトで選択します。Test Set で以下のいずれかを選択すると、デフォルトで選択されたデバイスを変更することができます。

    • Default ― デフォルトで設定されているデバイスを選択します。

    • None ― すべてのデバイスの選択が解除されます。

    • All ― すべてのデバイスを選択します。

    • Intervention ― ユーザーの介入を必要とするデバイスを選択します。


    注 -

    テストを実行する前に、ユーザーの介入が必要なデバイス (テープ、CD-ROM、およびフロッピーディスクのテスト用読み込み装置など) がある場合は、Intervention ボタンを選択し、ユーザーの介入があることを SunVTS に通知する必要があります。このボタンを選択しない限り、intervention モードのテストを選択できません。


    方法:

    1. コントロールパネルの Select Tests をクリックします。

    2. Select Mode ボタンから、Connection test または Functional test を選択します。

    3. 確認ウィンドウで OK をクリックします。

    4. Test Set で Default、None、または All を選択します(省略可)。


      注 -

      ここで指定したデバイスの選択は、後で再設定できます。


    5. デバイスの準備をしてから Intervention モードを選択します。

    6. Select Tests ダイアログボックスを閉じます (Alt-F4)。

  4. テスト対象のデバイスを選択します。

    デバイスの選択:

    テスト選択パネルで、デバイスの隣にあるチェックマークは、そのデバイスがテスト対象として選択されたことを示します。

    方法:

    1. チェックボックスをクリックし、テスト対象のデバイス (およびデバイスグループ) を選択します。

    選択するデバイスの変更は、Test Status パネルの一覧に反映されます。

  5. システムレベルのテストオプションを変更します(任意)。

    図 5-5 OPEN LOOK Set Options メニュー

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    テストオプション:

    各デバイスの選択を終えるとテストの準備は完了ですが、SunVTS には必要に応じてテストの実行状態を変更できるオプションがあります。テストオプションを制御するレベルは以下の 3 つです。

    • システムレベルオプション ― すべてのデバイスのテスト属性を制御します。全オプションをシステム全体に適用する最高レベルのテストオプションです。このレベルでオプション値を変更すると、設定はグループおよびデバイスレベルのオプションにすべてに適用されます。

    • グループレベルオプション ― 特定グループ内の全デバイスのテスト属性を制御します。

    • デバイスレベルオプション ― 特定のデバイスのテストを制御します。

    システムレベル、グループレベル、およびデバイスレベルの設定は、適用する順序が重要です。最初にシステムレベルオプションの設定を割り当て、次にグループレベルオプション、最後にデバイスレベルオプションの設定を割り当ててください。下位レベルのオプションから先に設定しても、上位レベルの設定が下位に適用され、下位の設定が取り消されてしまいます。これに代わる措置として、ロックと優先指定を使用し、下位レベルの設定を保護する方法があります (「ロックと優先指定を使用したテストオプションの保護」を参照してください)。

    方法:

    1. Set Options プルダウンメニューから以下のいずれかを選択します。

      • Thresholds

      • Notify

      • Schedule

      • Test Execution

      • Advanced


      注 -

      これらのダイアログボックスの詳細は、「SunVTS ダイアログボックス」を参照してください。


    2. ダイアログボックスでオプションを変更します。

    3. ダイアログボックスを閉じます。

  6. グループレベルおよびデバイスレベルのオプションを変更します(任意)。

    図 5-6 OPEN LOOK Device Options メニュー

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    グループ別およびデバイス別オプション:

    グループレベルとデバイスレベルのオプションは、各テストの属性であり、固有のデバイス (またはデバイスグループ) に付随するものです。これらのオプションは、以下のダイアログボックスから制御することができます。

    • Test Options ― デバイスの設定情報を表示し、テストオプションを定義することができます。このメニューは、テストの種類により異なります。詳細は、『SunVTS 4.4 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。

    • Test Execution Options ― テストの実行状態を定義することができます。たとえば、負荷モードを選択して、最も厳密なテストを実行することができます。あるいは、Max errors の値を設定すると、最大許容エラー数を定義することができます。指定した回数のエラーが発生すると、テストが停止します (0を指定した場合は、エラーの発生回数に関係なくテストが続行されます)。

    • Schedule Options (グループレベルのみ) ― 同じグループ内で同時に実行する最大テスト数を設定します。

    方法:

    1. テスト選択パネルのデバイス (またはデバイスグループ) をクリックします。

    2. ダイアログボックスをどれか 1 つ選択します。

    3. オプションを変更し、ダイアログボックスを閉じます。

テストセッションを実行、監視、停止する
  1. Start プルダウンメニューから Start を選択し、テストセッションを起動します。

    Test Execution メニューでの設定に従い、以下のいずれかの条件でテストが実行されます。

    • テストエラーが検出されるまで続行する (デフォルト)。Run On Error の値を入力した場合は、エラーの発生回数が指定した数に達するまでテストが続行されます。

    • テストが Max Passes の値に達するまで続行する。デフォルトでは、テストパスの回数に制限はありません。

    • テストが Max Time の値に達するまで続行する。デフォルトでは、時間制限はありません。

    • ユーザーが Stop ボタンをクリックしてテストセッションを停止するまで続行する。

  2. 状態パネルでテストセッション全体を監視します。

    システムパスの合計回数、エラー総数、経過時間が表示されます。

  3. Test Status パネルでテストを監視します。

    表示項目は以下のとおりです。

    • アスタリスク (*) ― 各デバイスの隣に表示され、そのデバイスのテストが実行中であることを示します。(System Concurrency オプションを使用した) SunVTS の構成に従って、単一または複数のデバイスに対するテストが同時に実行されている状態です。

    • 各デバイスのテストパスおよびエラー

    Test Status の矢印ボタンを使用して、Test Status パネルの表示を図 5-7 のように操作できます。

    図 5-7 Test Status の矢印ボタン

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  4. Message パネルでテストメッセージを確認します。

    以下の状況のときに、Message パネルにテストメッセージが表示されます。

    • テストエラーが発生した。

    • トレースモードを有効にし、トレースメッセージがウィンドウに表示されるよう指定した。

    • (Test Execution ダイアログボックスで) Verbose モードを有効にすると、Verbose メッセージが表示された。

  5. (必要に応じて) テストセッションを停止します。

    テストセッションを停止するには、Stop ボタンをクリックします。

テストセッションの結果を評価し、リセットする
  1. ログの表示

    ログ:

    SunVTS の OPEN LOOK ユーザーインタフェースでは、以下の 3 つのログファイルを使用することができます。

    • SunVTS のテストエラーログ ― SunVTS テストのエラーメッセージとその時刻表示が格納されています。このログファイルのパス名は、/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.err です。SunVTS のテストでエラーが発生すると、このファイルが作成されます。

    • SunVTS の ― SunVTS でテストセッションの起動および停止時に生成される情報メッセージが格納されています。このログファイルのパス名は、/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.info です。SunVTS のテストセッションが実行されると、このファイルが作成されます。

    • Solaris ― syslogd を使用して記録される、Solaris の一般的なイベントログです。このログファイルのパス名は、/var/adm/messages です。

    方法:

    1. コントロールパネルの Log Files ボタンをクリックします。

      Log Files ダイアログボックスが表示されます。

    2. 表示させたいログファイルを Log Files ダイアログボックスから選択して指定します。

    3. 下記の 3 つのボタンから 1 つを選択します。

      • Display ― ウィンドウを開いてログファイルを表示します。

      • Remove ― 指定したログファイルを削除します。

      • Print ― 指定したログファイルを、Log Files ダイアログボックスで指定したプリンタで印刷します。


      注 -

      印刷前に、長大なログファイルでないか注意してください。


  2. SunVTS メッセージの解釈

    メッセージ:

    SunVTS で実行されるさまざまなテストは、それぞれに多数のメッセージがあります。このため、表示される個々のメッセージの意味をすべて説明するのは困難です。ほとんどのメッセージには、発生する各イベントについて説明したテキストが含まれています。メッセージには、エラー以外のことを通知する情報メッセージ (INFOVERBOSEWARNING) や、テストで検出された異常を通知するエラーメッセージ (ERRORFATAL) などがあります。この節では、一般的なテストメッセージについて説明します。

    SunVTS 情報メッセージの例:


    04/24/00 17:19:47 systemA SunVTS4.4: VTSID 34 disktest.
      VERBOSE c0t0d0: "number of blocks 3629760"

    SunVTS エラーメッセージの例:


    05/02/00 10:49:43 systemA SunVTS4.4: VTSID 8040 disktest.
      FATAL diskette: "Failed get_volmgr_name()" 
      Probable_Cause(s): 
        (1) No floppy disk in drive
      Recommended_Action(s): 
        (1)Check the floppy drive

    メッセージタイプ (表 5-1) 、その後にメッセージテキスト、原因、推奨エラー修正作業が表示されます。

    以下の表は、表示されるメッセージタイプを示しています。メッセージはすべて Message パネルに表示され、そのほとんどが SunVTS のログ (Info または Error) として記録されます。

    表 5-1 メッセージタイプ

    メッセージタイプ 

    ログファイル 

    説明 

    INFO

    Info log 

    エラーのないテストイベントが発生したときに表示されます。 

    ERROR

    Error and Info logs 

    テストでエラーが検出されたときに表示されます。主に、特殊機能またはテスト実行中デバイスの機能に関する不具合を通知します。 

    FATAL

    Error and Info logs 

    デバイスを使用できないなど、テストの停止を招くような重大なエラーが検出されたときに表示されます。これらのエラーは、ハードウェアの障害を通知します。 

    VERBOSE

    Not logged 

    テストの進捗状況を通知するメッセージであり、Verbose 機能が有効なときに表示されます。 

    WARNING

    Info log 

    デバイスがビジー状態であるなど、エラー以外の要因がテストに影響を与えているときに表示されます。 

    SunVTS の特定のイベントがログファイルに記録されるときにそれらのイベントを監視するスクリプトと、特殊なメッセージが発行されたときにアクションを起動するスクリプトを作成することができます。この方法については、表 4-2を参照してください。


    注 -

    SunVTS 4.0 以降、メッセージ構文は変更されています。古い形式のメッセージ構文については、付録 B 「よくある質問」を参照してください。今後の SunVTS のバージョンでは、古いメッセージ形式はサポートされません。古いメッセージ形式に対応しているスクリプトはアップデートしてください。


  3. コントロールパネルの Reset ボタンをクリックして、テストセッションの結果をリセットします (任意)。

    その前のテストセッションの情報がメインウィンドウから消去されます。これで、テストオプションがリセットされることはありません。