eri デバイスドライバは、RIO ASIC を使用してサンのシステム上のSUNW,eriデバイスを制御します。
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SUNW,eri デバイスは、RIO ASIC の Ethernet 機能を使用して、100BASE-TX ネットワークインタフェースを提供します。SUNW,eri デバイスドライバは、100BASE-T IEEE 802.3u Ethernet 規格に準拠し、接続の速度を 10 Mbps または 100 Mbpsに自動的に設定します。RIO ASIC は、PCI インタフェースと MAC (Media Access Control) 機能を提供します。RJ-45 コネクタに接続する内部トランシーバは、物理層機能を提供します。
RIO ASIC は、1 つの I/O チップと単一チップEthernet トランシーバから構成されるチップセットになっており、eri デバイスドライバは、このASIC の Ethernet 機能を使用します。
SUNW,eri デバイスを使用して、接続の速度とモードは、以下のどの組み合わせでも選択することができます。
100 Mbps、全二重
100 Mbps、半二重
10 Mbps、全二重
10 Mbps、半二重
上記の速度とモードは、100BASE-T IEEE 802.3u Ethernet 規格で定義されています。
Sun eri FastEthernet ドライバの主な特長は、自動ネゴシエーション機能です。100BASE-T IEEE 802.3u Ethernet 規格で定義されている自動ネゴシエーションプロトコルでは、自動的に動作モード (半二重または全二重) が選択されます。また自動検出プロトコルは、アダプタの速度 (10 Mbpsまたは100 Mbps) の選択も行います。
自動ネゴシエーションプロトコルは、システムの起動時に以下を行います。
接続相手が対応しているすべての動作モードを識別する。
接続相手に自分の機能を通知する。
以下の優先順位に従って(降順)、最適な共通動作モードを選択する。
100 Mbps、全二重
100 Mbps、半二重
10 Mbps、全二重
10 Mbps、半二重
接続相手とは、接続またはケーブルの反対側に存在するネットワークデバイス (システム、Ethernet ハブ、または Ethernet スイッチ) のことです。
SUNW,eriデバイスが自動ネゴシエーション機能を持たない遠隔システムまたはインタフェースに接続した場合は、システムが自動的に適切な速度と半二重モードを選択します。
Sun eri FastEthernet と、接続相手との間で、自動ネゴシエーションプロトコルの処理が失敗した場合は、このプロトコルを使用しないようにデバイスを設定することができます。この設定を行うと、ドライバはユーザーが選択したモードと速度で接続を確立します。
Sun eri FastEthernet ドライバは、内部トランシーバに対応しています。内部トランシーバは、この章ですでに述べた「動作速度と動作モード」で示されているすべての速度とモードでの動作が可能です。ドライバは、100BASE-T IEEE 802.3u Ethernet 規格に準拠し、接続の速度を10 Mbps または 100 Mbps に自動的に設定します。
また、内部トランシーバは強制動作モードにも対応しています。強制動作モードでは、ndd ユーティリティーを使用するか、/etc/system ファイルを編集するか、または /kernal/drv/ ディレクトリに eri.conf ファイルを作成することによって、速度とモードを選択します。ndd ユーティリティーは eri ドライバを呼び出し、速度とモードを選択します。