Smart Card テスト (sctest) は、スマートカードとスマートカードリーダーのテストを行う、いくつかのサブテストで構成されます。JavaTM カード端末リーダードライバ、Solaris の I2C SCM デバイスドライバとシリアルデバイスドライバのテストを行うことができます。
sctest テストは、内部スマートカードリーダーのテストのみを行います。sctest は、Intervention モードのテストとしてのみ実行されます。sctest を実行するには、ユーザーはスマートカードと内部スマートカードリーダーを初期化する必要があります。
ユーザーは、OS が提供するコマンドまたは GUI を使用して、スマートカードを初期化する必要があります。この初期化については、docs.sun.com の『Solaris スマートカードの管理』を参照してください。
スマートカードは、sctest の実際のデータとともに使用しないでください。スクラッチスマートカードは、テスト目的以外では使用しないでください。sctest の機能によって、カード上の既存のデータが消去されます。
sctest と sptest を同時にテストしないでください。sctest が動作しているときに sptest が有効になっている場合は、テスト結果が矛盾します (Intervention モードのテストなので、sptest はデフォルトで無効になっています)。
sctest を選択するには、Select Device パネルの Intervention ボタンをクリックします。
sctest を実行するには、以下の 4 つの条件を満たす必要があります。
SunVTS の intervention モードを有効にする必要があります。
スクラッチスマートカードを使用可能にする必要があります。
カードリーダーがまだ構成されていない場合は、カードリーダーを構成する必要があります。カードリーダーの構成は、OS が提供する GUI (ワークスペースメニューの「ツール」の「スマートカード」) を使用して行うことができます。
テストカードは、OS が提供する GUI (ワークスペースメニューの「ツール」の「スマートカード」) を使用して、初期化する必要があります。
上記 4 つの条件を満たしていれば sctest テストを実行できます。
サブテスト |
説明 |
---|---|
Card Presence Detect テスト |
カードがリーダーに存在するかどうかをチェックします。カードは、テストを開始する前にリーダーに挿入してください。 |
Card Lock/Unlock テスト |
カードのロックおよびロック解除を行う機能を検査します。カードは、テストを開始する前にリーダーに挿入してください。 |
Insertion/Removal テスト |
カードの挿入および取り外しの検出をテストします。カードがすでにリーダーに挿入されている場合は、要求に応じて取り外してから再度挿入してください。このテストはデフォルトでは無効になっています。このため、ユーザーの介入が必要です。 |
PinCardService テスト |
カードが挿入されるのを待機してから、デフォルトの PIN ($$$$java) の認証を行います。 注: このサブテストでは、カードは初期化されていることを前提としています。 |
Simple Authentication テスト |
カードが挿入されるのを待機してから、デフォルトの PIN ($$$$java) の認証を行います。ユーザー AAA のユーザー名とパスワードを例として表示します。 このテストは、カードが初期化されていない場合は動作しません。また、このサブテストでは、スマートカード上で PinCardService テストによる PIN の妥当性検査が行われている必要があります。 |
UserInfoCardService テスト |
カードが挿入されるのを待機してから、デフォルトの PIN ($$$$java) の認証を行います。ユーザー AAA のユーザー名とパスワードを例として表示します。Write モードが有効な場合は、ユーザー BBB のデフォルトユーザー情報が例として作成します。 Verbose モードが有効な場合は、このユーザー情報が表示されます。次に、BBB のユーザー情報を削除します。BBB のユーザー情報を照会すると、例外が発生します (この情報が削除されているためです)。 このサブテストでは、スマートカード上で PinCardService テストによる PIN の妥当性検査が行われている必要があります。 |
以下のダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、折りたたまれたグループを展開する必要があります。展開しない場合、このテストに適したデバイスがシステムに含まれないことがあります。詳細は、『SunVTS 4.5 ユーザーマニュアル』を参照してください。
オプション |
説明 |
---|---|
Mode |
UserInfoCard Service サブテストの Write モードを有効または無効にします。 |
OCF Based Tests |
次のサブテストをすべて有効または無効にします: Card Presence Detect、Card Lock/Unlock、Insertion/Removal、PinCardService、Simple Authentication、および UserInfoCardService。 |
Card Removal Test |
Insertion/Removal サブテストを有効または無効にします。 |
テストモード |
サポート |
説明 |
---|---|---|
接続テスト |
× |
サポートされていません。 |
機能テスト (オフライン) |
○ |
すべてのテストを実行できます。 |
/opt/SUNWvts/bin/sctest 標準引数 -o dev=a|b|i2cscmN,Mode=ReadWrite|ReadOnly,OCFBasedTests=Enable|Disable, CardRemovalTest=Enable|Disable
表 48-4 sctest のコマンド行構文
引数 |
説明 |
---|---|
dev=a|b|i2cscmN |
デバイスの種類を指定します。a または b は、ttya または ttyb です。N は 0、1、2 などです。 |
Mode= Enable|Disable |
UserInfoCard Service サブテストで Write モードを有効または無効にします。 |
OCFBasedTests= Enable|Disable |
次のサブテストをすべて有効または無効にします: Card Presence Detect、Card Lock/Unlock、Insertion/Removal、PinCardService、Simple Authentication、および UserInfoCardService。 |
CardRemovalTest=Enable|Disable |
Insertion/Removal サブテストを有効または無効にします。 |
64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。