Sun Enterprise 10000 DR 構成マニュアル

DR モデル 2.0 と AP との相互処理

切り離すボードが、重要なシステム資源に接続されている入出力コントローラをホストしている場合、DR 切り離し操作は、代替パス (AP) 機能、または Solstice DiskSuite 機能と連携して動作します。たとえば、ボード上のコントローラがディスク上の root (/) または /usr パーティションに接続されている場合、そのディスクへのハードウェア代替パスが存在し、かつこれを利用するように AP が構成されているか、またはそのディスクがミラー化されていない限り、このボードを切り離すことはできません。代替パスまたはミラーは、ドメイン内の別のボードによりホストされている必要があります。同じことがネットワークコントローラにも当てはまります。SSP と Sun Enterprise 10000 プラットフォーム間を接続する Ethernet コントローラをホストしているボードは、このネットワーク接続を維持するため、別のボード上の Ethernet コントローラへの代替パスが存在しない限り、切り離すことはできません。

システムボードが接続または切り離されるか、あるいはドレイン状態になると、DR はそのことを AP サブシステムに通知します。加えて、DR は AP に対し、どのコントローラが AP のデータベースにあり、その状態がどうなっているか (有効か無効) を問い合わせます。このやり取りは、dr_daemon(1M) と ap_daemon(1M) 間で行われます。ap_daemon(1M) がない場合は、ドメインの syslog メッセージバッファーにエラーメッセージが書き込まれて、DR 操作がエラーなしで続行されます。

DR と ap_daemon との相互処理を無効にするには、dr_daemon(1M) の起動時に、-a オプションを使用します。『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル』のdr_daemon(1M) コマンドの説明を参照してください。

AP バージョン 2.1 を使用している場合は、DR の complete-detach 段階でオペレーティング環境が、切り離すボード上の有効なディスクコントローラを自動的にオフに切り換えます。しかし、AP バージョン 2.0 を使用している場合は、complete-detach を開始する前に、有効なディスクコントローラを手動で無効に切り換える必要があります。Solaris 8 オペレーティング環境をドメイン上で実行している場合は、AP バージョン 2.3.1 を使用してください。

DR と AP の相互処理についての詳細は、『Sun Enterprise サーバー Alternate Pathing 2.3.1 ユーザーマニュアル』を参照してください。AP および Solstice DiskSuite については、『RAS Companion』を参照してください。