Solaris 8 のインストール (上級編)

archive_location プロファイルキーワード

archive_location retrieval_type location

retrieval_typelocation の値は、フラッシュアーカイブの格納場所によって異なります。retrieval_typelocation に使用できる値や、archive_location キーワードの使用例については、次の各項を参照してください。

ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー

アーカイブがネットワークファイルシステム (NFS) サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location nfs server_name:/path/filename retry n

Valid retrieval_type Values

有効な location

説明 

nfs

server_name:/path/filename retry n

  • server_name は、アーカイブが格納されているサーバーの名前です。

  • path は、指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、フラッシュインストールユーティリティは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

  • filename は、フラッシュアーカイブファイルの名前です。

  • retry n は省略可能なキーワードです。n は、フラッシュユーティリティがアーカイブのマウントを試みる最大回数です。

例:

archive_location nfs golden:/archives/usrarchive

archive_location nfs://golden/archives/usrarchive

HTTP サーバー

アーカイブが HTTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location http server_name:port path/filename optional_keywords

有効な retrieval_type

有効な location

説明 

http

server_name:port path/filename optional_keywords

  • server_name は、アーカイブが格納されているサーバーの名前です。server_name は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。

  • port は任意のポートです。ポートを指定しない場合、フラッシュインストールユーティリティはデフォルトの HTTP ポート番号、80 を使用します。

  • path は、指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、フラッシュインストールユーティリティは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

  • filename は、フラッシュアーカイブファイルの名前です。

  • optional_keywords は、フラッシュアーカイブを HTTP サーバーから読み取るときに使用する省略可能なキーワードです。

表 28–4 optional_keywords で使用可能なオプションのキーワード

キーワード 

値の定義 

auth basic user_name password

アーカイブがパスワード保護された HTTP サーバーに格納されている場合は、その HTTP サーバーへのアクセスに必要なユーザー名とパスワードをプロファイルに含める必要があります。 


注 –

カスタム JumpStart で使用しようとするプロファイルにおいてこの認証方法を使用することは、リスクを伴います。これは、承認されていないユーザーが、パスワードが入ったプロファイルにアクセスできる可能性があるためです。


timeout min

timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断されて、再接続が行われ、タイムアウトが発生した地点から再開されます。timeout 値として 0 (ゼロ) を指定すると、何も起きないため再接続されません。

タイムアウトによる再接続が発生すると、フラッシュインストールユーティリティはアーカイブを取得した最後の位置からインストールの再開を試みます。この位置でのインストールの再開が不可能な場合、アーカイブの初めから再度データの取得が行われ、タイムアウト前に取得されたデータは破棄されます。 

proxy host:port

proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しにフラッシュアーカイブを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。

例:

archive_location http silver /archives/usrarchive auth basic user1 secret timeout 5

archive_location http silver /archives/usrarchive auth basic user1 secret timeout 5

ローカルテープ

アーカイブがテープに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location local_tape device  position

有効な retrieval_type

有効な location

説明 

local_tape

device position

  • device は、フラッシュアーカイブを格納したテープドライブの名前です。デバイス名が正規のパスである場合は、フラッシュインストールユーティリティはデバイスノードへのパスからアーカイブを取得します。正規のパスでないデバイス名を指定した場合は、フラッシュインストールユーティリティはパスに /dev/rmt/ を加えます。

  • position は、アーカイブを保存したテープドライブ上の位置を示します。位置が指定されないと、フラッシュインストールユーティリティはテープドライブの現在の位置からアーカイブを取得します。position を指定することにより、テープドライブ上でアーカイブの前に開始スクリプトまたは sysidcfg ファイルを配置できます。

例:

archive_location local_tape /dev/rmt/0n 5

archive_location local_tape 0n 5

ローカルデバイス

ファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスクや CD-ROM など) にフラッシュアーカイブを格納した場合は、ローカルデバイスからフラッシュアーカイブを取得できます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。


注 –

ローカルテープ用の構文を使用すると、ストリーム指向のデバイス (テープなど) からアーカイブを取得できます。



archive_location local_device device path/filename file_system_type

有効な retrieval_type

有効な location

説明 

local_device

device path/filename file_system_type

  • device は、フラッシュアーカイブを格納したドライブの名前です。デバイス名が正規のパスである場合は、デバイスは直接マウントされます。正規のパスでないデバイス名を指定すると、フラッシュインストールユーティリティはパスに /dev/dsk/ を加えます。

  • path は、フラッシュアーカイブへのパスです。これは、指定したデバイス上のファイルシステムのルートからの相対パスで指定します。このパスに $HOST を含めると、フラッシュインストールユーティリティは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

  • filename は、フラッシュアーカイブファイルの名前です。

  • file_system_type は、デバイス上のファイルシステムのタイプを指定します。ファイルシステムのタイプを指定しない場合、フラッシュインストールユーティリティは、UFS ファイルシステムのマウントを試みます。UFS のマウントに失敗すると、フラッシュインストールユーティリティは HSFS ファイルシステムのマウントを試みます。

例:

UFS ファイルシステムとしてフォーマットされているローカルハードディスクからアーカイブを取得するには、次のコマンドを使用します。

archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/$HOST

HSFS ファイルシステムを持つローカル CD-ROM からアーカイブを取得するには、次のコマンドを使用します。

archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/usrarchive

ローカルファイル

クローンシステムをブートしたミニルートに格納したローカルファイルのアーカイブを取得できます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、CD-ROM または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、CD-ROM または NFS ベースのミニルートに格納したフラッシュアーカイブは、ローカルファイルとしてアクセスできます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。


archive_location local_file path/filename 

有効な retrieval_type

有効な location

説明 

local_file

path/filename

  • path は、アーカイブの位置です。このパスは、システムを Solaris 8 INSTALLATION CD または Solaris 8 DVD からブートしている間、システムにローカルファイルとしてアクセスできるものでなければなりません。Solaris 8 INSTALLATION CD または Solaris 8 DVD からブートしている間は、システムは /net にアクセスできません。

  • filename は、フラッシュアーカイブファイルの名前です。

例:

archive_location local_file /archives/usrarchive

archive_location local_file /archives/usrarchive